...総理府の調査を見ても、国民のプライバシーへの関心が高いことはうかがえる
「個人情報の保護に関する世論調査」内閣総理大臣官房広報室 1990

...総理府の調査を見ても、国民のプライバシーへの関心が高いことはうかがえる。しかし、実際に具体的な被害を受けている人は限られるため、それに対する意識は低い。国民の側においては、例えばダイレクトメールが来た場合でも、少し嫌な気持ちにはなったとしても具体的被害がないのでそれ以上には考えは進まない。つまり、被害者であるという意識はないと思われる。また、マスメディアについていうならば、言論の自由ばかりを主張して、それ以外の権利を軽視しているとも見受けられる
『プライバシーと高度情報化社会』堀部政男 岩波書店 1988

...総理府の調査を見ても、国民のプライバシーへの関心が高いことはうかがえる。しかし、実際に具体的な被害を受けている人は限られるため、それに対する意識は低い。国民の側においては、例えばダイレクトメールが来た場合でも、少し嫌な気持ちにはなったとしても具体的被害がないのでそれ以上には考えは進まない。つまり、被害者であるという意識はないと思われる。また、マスメディアについていうならば、言論の自由ばかりを主張して、それ以外の権利を軽視しているとも見受けられる。ワイド・ショーやスポーツ紙などの例を見ればよく分かる通り、加害者であるという意識は見受けられない。実際、「プライバシーとは何か?」と聞かれて明確に答えられる人は少ないであろう。ちなみにプライバシーの権利は、元々「一人にしておいてもらう権利」と説明される。これに関しては、イエロー・ジャーナリズム(ワイドショーなど)を考えれば分かるであろう。さらに最近は、コンピュータ社会の発展により、「自己に関する情報のコントロール権」という、より積極的な解釈も広まっている。これは、国家が福祉政策を行なう際の基礎資料として、多くの個人情報を収集・蓄積・利用しなければならない。そのため例えば、50%程度の人が知られたくないとしている財産状況に関する情報を利用することになる
経済的に苦しい人に特に行なうため

...また、現在の日本にはプライバシー保護法はない
「行政機関の保有する電子計算機処理にかかる個人情報の保護に関する法律」がある、と言われるかもしれないが、これはザル法と呼ばれている。また、いわゆるプライバシー保護法ではない。

...班員の話によれば、いわゆる「名簿屋」では、見る人がみれば一目で行政府の内部文書であると分かるものが、利用されているという話だ
秋山幹男ほか『情報公開』にも同様の事例が記述されている。

...ここで、住民票程度の文書が、行政の情報セキュリティー云々を問題にする際に、例として適当なほど重要性がある文書なのかという疑問が生じるかも知れない。確かに、住民票は「合法的に」他人によって取得することも出来るほどの、機密性の薄い文書ではある。しかし、住民票によって得られる「本籍地」という情報は、同和問題という特殊な問題を抱えた人にとってはそれほど「軽い」情報ではない
本籍の記載の変更は可能ではあるが。

...「完全失踪マニュアル」という書籍によれば
情報の出所が怪しいのは勘弁して下さい。

...「完全失踪マニュアル」という書籍によれば、他人のパスポートを取得することも不可能ではないらしい。パスポートは、立派にアイデンティティーを証明できる書類である。但し、その手法についてははばかりがあるので割愛する。またそれを実行してみることも問題があると判断したので行わなかったが、不可能と思われるものではなかった
ただし、証明を行なうこともできない。

...さらに詳しく説明するのなら、まず、ネガ方式が基礎となる。情報は原則公開で、例外のみ非公開となる。そのため、公開する項目にないものであっても、原則的には公開となるわけである。一般には、ネガ方式に加え、公文書の目録作成などが指示される
「神奈川県の機関の公文書の公開に関する条例」第13条 実施機関は、その定めるところにより、公文書の目録を作成し、一般の閲覧に供するものとする。

...法制化において最も重要な検討事項は、何を非公開とし得るかという線引きの問題である。情報公開制度の理念からすれば、すべての行政情報の公開が一応の原則となることは言うまでもない。しかしながら、行政が保有する情報の中には、国家秘密、第三者情報など公開になじまない情報も数多く含まれているため、非開示事項とすべき情報の範囲を明確にしなければならない。さらに、情報公開問題研究会報告は、非開示とすべき範囲について「国民の間で意見の相違が大きい」ことを指摘している
平成7年4月1日現在、自治省調べ。

...そもそも、日本における情報公開の先鞭となったのが、1982年4月に施行された山形県金山町の「公文書公開条例」であった。以後、95年4月現在に至るまで、条例を制定したのは41都道府県・224市区町村、要綱を保持したのは4県15市町村にのぼる
内藤淳「地方公共団体における情報公開制度」/『地方自治』1993年6月号

...まず、他法令、条例等との整合性の問題が挙げられる。これらは,ほぼ全ての情報公開制度にみられる規定であるが、特に考慮されるべきなのが個人情報保護制度との関連性である。別の項目として扱われる「個人に関する情報」にも密接に関連する事柄であるが、「プライバシー権」が情報公開の問題としてとらえられる時、それは「自己情報のコントロール権」へと転化するのだ。情報公開条例では一部団体で規定が為されている
大阪府公文書公開条例、第17条、第18条に規定。

...次に法人等の事業活動に関する情報
行政機関の保有する情報には、企業から提出された各種申請書、計画書などの企業情報が数多く含まれている。

...以上のような情報公開条例の規準は、各国の法制度の現状から経験則的に導き出されたものである。さらに、その規準の成否は、これから触れる情報公開草案や行政の指針に色濃く写し出されている。従ってそれらはいずれも一定の共通項を有するものである。範型となり得るのが、「情報公開問題に関する連絡会議(各省庁文書課長等)申合せ
「情報公開問題に関する連絡会議」(79年12月)、「情報提供の改善措置等について」閣議了解(80年5月27日)、「臨時行政調査会第五次答申」(83年3月14日)、「情報公開問題研究会中間報告」(90年9月10日)、をへて「行政情報公開規準」として策定。政府は現在これを運用している。

... 『個人に関する情報で……』との規定について、最も重要な点は、公務員の職務上の情報を除外したところにある。「国民は、公務員の職務上の行動を知ることに正当な利害を有する」
平松毅/奈良女子大学教授

...参考までに自由人権協会のモデル案
自由人権協会「情報公開法モデル案」/『情報公開制度の確立をめざして』1988年11月

...スウェーデン(1766)、フィンランド(1951)、アメリカ(1966)、デンマーク(1970)、ノルウェー(1970)、フランス(1978)、オランダ(1978)、オーストラリア(1982)、カナダ(1982)、ニュージーランド(1982)、オーストリア(1987)、ベルギー(1994)。イギリス、ドイツなどでは情報公開法は制定されていない
ドイツでは、報道法によって報道機関に官公庁に対する情報請求権が付与されており、補完的な行政手続法や請願法などがある。

... 各国の情報公開法について最も特徴的なのが、経済に関連した情報の不開示である。日本に於いていかなる情報公開法の議論にもみられないのが不思議なほど、諸外国は通貨政策の情報や国家経済、国際経済に影響を及ぼす情報の扱いに関して重大な関心を抱いている。しかし、これは逆にそれだけ日本の危機管理の認識に問題があるということなのであろうか。例えば中央銀行の協調介入などの情報は、協調介入をしたという事実が衆知となることでさえ、自体が協調介入の実効性を失わせるのである
過去、日銀は国際通貨市場に対する協調介入の事実を公的に認めたことはない。

...しかしながら、それぞれの国で思わず失笑を誘うような規定も多々為されている。「連邦と州との関係を損う恐れのある文書
カナダのケベック州では、独立運動が頻発している。

...が挙げられる。実際にある制度を、大きく分けると、行政上のものと司法上のものに分けられる。行政上のものには、行政不服審査会による不服申し立て、行政事件訴訟法による処分取り消しの訴え、オンブズマン制度、苦情処理制度、情報公開審査会
「このような合議制機関の審議過程を公表した場合には、審議段階及び審議終了後において、個々の委員に圧力がかかったり、関係団体等の意向にそって委員本人の意に反した主張をせざるを得なくなるなどのおそれがある」(『情報公開 制度化への課題』)と、何とも矛盾した存在でもある。

...簡易・迅速性と費用については、行政上の救済のほうが裁判所による救済よりもより適しているといえる。しかしながら、公平性については、行政は自己審査制であるが、裁判所は第三者であることを考えると
裁判所が本当に独立しているかは疑わしいが。

...しかし、この考えとは全く異なるケースも考えられる。情報公開法により、マスメディアが、公正で独自の報道をできる可能性もあるだろう。例えば1979年には、アメリカの「情報自由法」を使い、韓国の金大中氏ら致事件に関する報道
韓国の大統領候補金大中氏をら致したのは韓国中央情報部(KCIA)の犯行である、とスクープした。

...しかし、この考えとは全く異なるケースも考えられる。情報公開法により、マスメディアが、公正で独自の報道をできる可能性もあるだろう。例えば1979年には、アメリカの「情報自由法」を使い、韓国の金大中氏ら致事件に関する報道を共同通信社が行なっている。縦割りで、排他的な行政の側のPR機関「記者クラブ」での情報ばかりを使っている報道を大きく変える可能性があると言える。そして、「公的情報は社会のもの」「納税者が情報主権者」
欧米先進国にある考え方

...もし、マスメディアが変わらなかったとしても
「現在のマスメディアが政治的思想宣伝に動員されている度合はきわめて大きい。」『情報公開と知る権利』清水英夫 編

...1789年のフランス人権宣言第15条には、「社会は、その行政すべての公の職員に報告を求める権利を有する。」という形で、すでに情報公開の精神が伺える。情報公開は、民主主義にとって、本来欠かせざるものなのである。現に、立法
日本国憲法第57条1項

...1789年のフランス人権宣言第15条には、「社会は、その行政すべての公の職員に報告を求める権利を有する。」という形で、すでに情報公開の精神が伺える。情報公開は、民主主義にとって、本来欠かせざるものなのである。現に、立法・司法
日本国憲法第82条1項

...1789年のフランス人権宣言第15条には、「社会は、その行政すべての公の職員に報告を求める権利を有する。」という形で、すでに情報公開の精神が伺える。情報公開は、民主主義にとって、本来欠かせざるものなのである。現に、立法・司法は公開である。国会見学は可能であるし、裁判の見学も自由である。国が国民のものであるというのなら、その情報も国民のものであるのではないか。アメリカで情報自由法が制定された当時司法長官だったクラーク氏は、「政府が人民の、人民による、人民のためのものであるならば、人民は政府の活動を詳細に知らなければならない。秘密ほど民主政治を悪くするものはない。政治への国民の参加は知識を有する公衆についてのみ意味がある。我々がいかに統治するかを知らなければ、どうして自らを統治することができるのだろうか。政府が各人に多くの方法で影響を及ぼす大衆社会の時代以上に、国民のその政府の活動を知る権利が獲得されることが重要なことはない。」と語っている。カントも「民主主義国家の格率は、公開である」と言っている。民主主義国家での主権者は国民だからである。しかし、マックス・ウェーバーが言うように、官僚の権力的地位の根拠は行政の分業的技術と知識である。「官僚的行政は、その傾向からいえば常に公開性を排斥する行政」「『職務上の機密』という概念は官僚独自の発明品なのであり、この態度ほどの熱心さを持って官僚性が擁護するものは何一つとして存在しない」
『権力と支配』

...実際問題、情報公開制度により、何が変わるのか。薬害HIV・東京都下のゴミ処理場問題・原子力発電所などの事例から分かると思う。もし、情報が公開されていたら、輸入血液製剤によってHIVに感染した人はいないのではないか
似た事例として、「行政情報を公開しなかったために惨禍を招いた典型的な薬害事例としては、サリドマイド事件がある。」(『情報公開』秋山幹男ほか)

...安定つまり現状維持というところにあるのではないか。
中央公論1994年3月号 「官が亡べば国も亡ぶ」 から抜粋

...(1)の製法にブドウ糖、水飴、アミノ酸を加えたもの。
酒税法第6条

...庁全てについて各々2つづつの文書の公開を求めて霞ヶ関を訪問した
最後に公開を求めた文書の一覧を添付

...項目に分け彼らなりの印象・視点により評価してもらった。
集計結 果は最後に添付

...羽目になって、その後も30分待たされた)
自治省では、対応が大 変丁寧であったこと、この件に関してはちゃんと謝罪があって、待たせてしまっ たということで資料をそのままいただけた(コピー制度はなかった)というこ とを付け加えておく

Atsushi Kusano
Thu May 8 15:35:48 JST 1997