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今まで述べてきたように両省が互いの利権のために同じような分野での予算をぞれぞれようきゅうすることは縦割り行政の弊害といえる。
そこで、両省の調整役である高度情報通信社会推進本部の権限を強化すべきであると私たちはかんがえ、次の5つの提言をしたいと思う。
- 現在の本部長である総理大臣の下に官房長官を補佐におき、、さらに郵
政、通産両大臣及び大蔵大臣そして各次官からなる政策委員を組織する。これ
により、意志決定機関としての本部の権限が強化される。
- テレコム3局(通信政策局・電子通信局・放送行政局)を推進本部内に
移し、その局長を郵政、通産両省から交代で出すことにする。そうすることに
よって二重行政を解消し、両省のパワーバランスをたもちやすくするのである。
- 推進本部に郵政、通産両省間の調整機能を持たせる。なぜなら、実質的
には両省が指導に当たるので、それをコントロールできる機関が必要だからで
ある。例えば人事交流などを頻繁におこない、省庁意識を高めることによって、利
権争いを減らすことができるのである。また自分の入った省庁に残れるといった保証
がないので、天下りも減るかもしれないとおもわれる。
- 推進本部外の独立した監視機関を設置する。構成メンバーは、経済界
などの有識者で、政策に関して提言や審査を行う。そして推進本部の予算
は会計検査院がチェックする。
- 異なった将来ビジョンを持つ郵政、通産両省は、マルチメディアに対す
る見解を統一する必要がある。そこで高度情報通信社会対策本部において
統一見解を出せば、日本のマルチメディア行政における画一化と効率化を実現
することができるのである。
これらの政策を実行することにより推進本部の権限が強化され、マルチメディ
ア行政を円滑に進めることが可能になるのではないだろうか。
Atsushi Kusano
Thu May 8 15:35:48 JST 1997