政策過程論(1999年度秋学期第8回)

1999年11月30日

草野 厚

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・合理的政策決定モデルをキューバ危機で考える

1 1963年、キューバ危機と合理的政策決定モデル

1 キューバ危機とグレアム・アリソン(テキスト81頁以降及び資料参照)

 

 

2 何を解明しようとしているのか?

・アメリカ、ケネディ政権はどうして、海上封鎖という方法を採用したのか

 

・ソ連、フルシチョフ政権はどうして、キューバにミサイル基地を建設しようとしたのか

 

・ソ連、フルシチョフ政権はどうして、キューバからミサイルを撤去したのか

 

3 合理的政策決定モデルではどのようにアメリカ、ソ連の行動は説明されるか

・ケネディ政権はどうして、海上封鎖という方法を採用したのか(これのみ説明)

・目標

・いくつかの選択肢

 何もしない

 外交的圧力

 カストロとの密かな接触

 侵攻

 外科手術的な空爆

 海上封鎖

・各選択肢のプラス、マイナスの検討

・詳細は、グレアム・アリソン、宮里政玄訳「決定の本質」(中央公論社)

 

2 応用問題(先週の積み残しの課題)

1 西ティモールへの自衛隊派遣の日本政府の決定

ヒント 東ティモールに現在展開している部隊は多国籍軍である

    日本の自衛隊の派遣を可能にする国際平和協力法(PKO法)は、中立性等5原則が謳われている

    アジアの危機に日本は資金援助だけでよいのか

    アジアの危機で、自衛隊を含めた存在感を示したい

 

2 亀井静香自民党政務調査会長、介護保険見直し発言(発言を決定ととらえる)

ヒント 来年4月スタートの介護保険が、実施時期が迫るにつれて欠陥が明らかとなった

    自民党の支持層である高齢者からも保険料を徴収するという点が問題

    選挙が近い

 

3 小渕首相、自民党への企業献金禁止をめぐる決定

ヒント 選挙が近い

    連立を組んだ公明党がうるさい

    メディアの攻撃もうるさい

    抜け道を考えられた

 

 それぞれ、目標、選択肢、目標を達成するために最も効率的な選択肢の検討という順序で、考えてみてください。

 

3 合理的政策決定モデルの特徴と問題点

1 最もポピュラーなモデル

・個人の行動は合理的である

 

・国家や組織は統一体であり、合理的行動が可能である

 

2 完全情報と、十分な検討時間を前提

 

3 実施過程は視野に入らず(問題点)

  決定の過程と実施の過程からなる政策過程全体を評価するときに不便

 

4 誰が決定者であっても、合理的である限り同じ結果が得られるのか(問題点)

 

5 各選択肢のプラス・マイナスは事前にわかるのか(問題点)

  3を参照