・国際政治と国家
  1.国際政治システムの変遷
  2.国家体系の(国際政治システム)諸類型
 


1 国際政治システムの変遷

@歴史を学ぶ意義

 歴史的に生じた、また現在生じている個々の出来事の背後にある問題、一般化できる問題、考え方の相違、さらには問題解決の処方箋の相違を知ることで、現在あるいは将来の問題をよりよくとらえることができる。
 

A300年の国際政治史から何がわかるか(資料参照)

 国際政治システムの変化(国内外の紛争、戦争)には宗教の役割大きい
 戦争(紛争)・秩序・瓦解・戦争・秩序・瓦解・戦争・秩序・瓦解のサイクル
 戦争(紛争)の原因には経済が関係していることが多い
 政治革命(民主化革命)は、同時発生ではなく、A-B-C-D-E-Fという順
 革命により民主化は一挙に進まず、一進一退(例、英、仏、露、日)
 国際政治システムの変化の過程では、各国の指導者の役割が大
 はじめの200年間強は、欧州の4―5の国々が国際政治システムを主導
 欧州には、一国の強大化を拒否するメカニズムが存在
 第一次世界大戦以前は、戦後処理には敗戦国も参加
 ガス抜き(争奪の場)としての植民地の存在
 欧州には対仏不信、対独不信、独仏相互の根強い不信(現在への意味は?)
 はじめの200年強は、主権国家とはいえ、王家中心の絶対主義国家も混在
 戦争の性格は第一次世界大戦で転換(17世紀中頃までは傭兵による戦争)
 技術革新が国際政治システムの変化を促進
 アメリカが本格的に国際政治システムに参入したのは、19世紀末
 現在の国際政治の主要国が揃ったのは20世紀初頭の第一次世界大戦
 戦争の目的の多くは、領土拡大による威信の向上と、天然資源の支配による国益増進

Bちよっと一息

 

C年表をさらに簡略化したメモ 

 

2 国家体系の(国際政治システム)諸類型

 

@時期区分

 

A分析の指標

A アクター(国家)レベルの特徴

(1)政策決定者の目標、価値は何であったか(国際的な争点は何か)
(2)政策決定者に対する国内的コントロールの強さ、その性格
(3)国家の不可侵性の度合い

B 国際システムレベルの特徴

(1)紛争なき発展の余地
(2)構造(主要アクター間の力関係、およびその変動、行動規範の制度化の度合い)
 

B分析(バランス・オブ・パワーの時代)

A アクターレベル
(1)
・政策決定者の主要な目的は自国の独立の維持、世界制覇の野望なし
・欧州主要国王朝の共通利害、共通点の存在(文化、仏語、姻戚関係、共和主義への対抗)
・国際的争点は一国または同盟が強大化しないように、同盟関係の組み替えにより処理
(2) 
・政策決定者に対する制約少ない
・国家の不可侵性の高さを保障する政策手段限定

B システムレベル
(1)
・紛争なき発展の余地大
・無主の地
(2)
・構造的には、典型的なBOP
・英国が光栄ある孤立を保ちバランサーとしての役目
*BOPとは

C分析(帝国主義の時代)

A アクターレベル
(1)
・拡張、拡大が列強の主たる目的、領土つまり植民地争奪
(2)
・政策決定者に対する国内的コントロール激増
・大衆民主主義の発展
・夜警国家から福祉国家へ
・ナショナリズムの高揚
・国家の不可侵性低下(経済的な相互依存、通信技術の高まり)
(3)
・兵器技術の高度化、この時期の最後に核兵器の登場(「政治の継続としての戦争」に用いられるには破壊力の大きさのために適さなくなった。)

B システムレベル
(1)
・紛争なき発展の余地なし
(2)
・世界をリードする大国の不在と、挑戦国のひしめく覇権戦争の様相
・英国が衰退し、第二次世界大戦後にアメリカが覇権国として登場