12040	返信	Re:南京事件－虐殺の"技術"について	URL	渡辺	2001/12/23 23:50
これは、イシュさんの「11969 Re:南京事件」 2001/12/21 に対する返信です。 http://bbs2.otd.co.jp/mondou/bbs_plain?base=11969&range=1 --------- スレッドの最初： http://bbs2.otd.co.jp/mondou/bbs_plain?base=11934&range=1 -------- イシュさん：＞ > 日本側に弾薬、軍刀の補充などの記録は残っていないんですかね？ > ２～３０万人殺すには大量の弾薬が必要です。軍刀は弾薬を消費しませんが、人を１０人も斬る事はできない。戦場の状況を推測するには、兵站を調べるのも一つの手です。何時戦闘が再開されるかわからない状況で全ての弾薬を使い切るまで虐殺を続けるとは思えないし… 以下に、「虐殺」の技術的な面について比較的わかりやすい実例をいくつか紹介いたします。（１）山田支隊、幕府山「捕虜」１３，５００人の場合：九二式重機関銃を使ったと推定されます。銃弾一連は３０発で弾薬箱１箱に２０連入っていたそうです。元二十連隊MG中隊の兵士によると、１分も撃つと銃身が焼けて白くなりタオルに水をしませて冷やした、とあるので確かに苦労はしたかも知れません。（下里正樹「続　隠された聯隊史」（青木書店）P107）しかし、連射に手間取ったわけではないようです。幕府山の捕虜殺害について栗原証言では機関銃の数は明記されていないのですが、「四方から」とありますので４台としましょう。（なお、九二式重機関銃は歩兵一個中隊に４挺つけられた。「日本陸海軍辞典」（新人物往来社）P302）連射速度は１分間に最大８００発のところ通常は２００発で使用、４挺で８００発。栗原証言では、13,500人と言っているので、13,500÷800 という単純計算で１７分間に１人当たり１発が当たるということになります。実際は相手が逃げ惑い、さらにとどめをして石油で焼いたので、かなり時間はかかったはずです。「黒須忠信」陣中日記によると、12月16日に5,000名を機関銃で射殺したときは、銃剣でとどめを刺し、日本刀で首を斬ったとあります。「捕虜」の引率は午後１時、帰隊は午後８時頃とのこと。「捕虜」とありますが「年寄モ居レバ子供モ居ル」とも書かれています。[小野賢二他「南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち」（大月書店）P350-351] （２）六十六連隊、捕虜１，５００名の場合：殺害方法は費用のかかる機関銃だけではなく小銃、銃剣、日本刀などが使われ、閉じ込めて焼殺、数珠つなぎにして揚子江上に船で連れていって突き落とすというのもあります。六十六連隊第一大隊戦闘詳報によると、３つの中隊で約1,500名の捕虜を刺殺するのに、午後５時に刺殺を開始し７時３０分に「刺殺ヲ終リ」とあります。[「南京戦史資料集Ⅰ」（偕行社）「歩兵第六十六連隊第一大隊『戦闘詳報』」P567] 刺殺の場合、３中隊にて1,500人を２時間半で（毎分12.5人）殺害したことになります。約１０万の日本軍が南京に殺到し、揚子江岸などで殺害が行われました。「虐殺」というのは、こういうものの集計をいうのです。「太田壽男供述書」には下関での死体処理について具体的に方法や数字が書かれています。[「南京戦史資料集Ⅱ」（偕行社）P420-427] （３）三十三連隊の武器弾薬損耗と殺害数（１２月１０～１４日）：表の一部を抜粋すると、小銃：41,051 機関銃 2,490 「処断」された捕虜を含む「死体数」１２月１０日：２２０１２月１１日：３７０１２月１２日：７４０１２月１３日：５，５００以上四日計：６，８３０（１２月１３日は処決せし敗残兵を含む） [「南京戦史資料集Ⅰ」（偕行社）「歩兵三十三連隊『南京附近戦闘詳報』」「十二月十三日の行動」P495、「第二号附表」 498、「第三号附表」P499] ここで、「処決セシ」は、戦闘詳報によれば、「俘虜」合計３，０９６人、下関にて揚子江上の「敗残兵」を「猛射スルコト二時間殲滅」した２，０００名を含むとの意味であると察せられます。（４）日本刀についてすぐ資料が引き出せないのですが、アサヒグラフだったかに、上海の船上で職人が日本刀の修理をしている写真と短い記事があります。パウエルは、上海に日本刀を修理する工場があったと述べています。 (探し出せたら、投稿いたします。) 成瀬関次「戦ふ日本刀」には、実際に日本刀を修理した経験から「概して日本刀は強靭なものである」と書かれています。 ----- 　斯様な事を述べると、一見斯道の異端者とも見えるだらうが、実際にあたつて見て、元来から物打に二分からの刃ギレのあつた刀で、敵十五六人も斬つて何ともならず、却つて他の部分に刃こぼれの出来てゐたものも見、切先が蛇の口（口を閉ぢたる）のやうな刀で七名から斬つたのも、他に疵はついても、その部分は何ともなつてゐなかつた。概して日本刀は強靭なものである。ただ、研ぎべりのした、刀身のへなへなと薄い刀、焼け身、中心を焼つぎにしたもの、洋鉄を延して焼きを入れただけの昭和刀、手に合はぬ直刀等は、避けねばならぬ。　刀身の選定については、ただ名のある人といふよりも、刀の売買に関係のない、軍人などの鑑定家とか、実戦に経験のある人に見てもらふのが第一である。（p.40）再引用元：「対抗言論」ＨＰ「日本刀の殺傷力」 http://village.infoweb.ne.jp/~fwjh7128/genron/data/nangjin/hyakunin/nihontou.htm ----- > 人間、都合のいい、信じたい証言を信じてしまう事がある。それを防ぐ為には客観的証拠が求められる。どっかにないもんかね。純然たる証拠がさ。調べなければ、「都合のいい」証言かどうかもわかりません。笠原十九司の７００円＋消費税の安い「南京事件」（岩波新書）を読む気がない、それでも「客観的証拠」を云々されるなら、せめて「南京事件」を最小限に記述しようとした、元陸軍将校の親睦団体である偕行社の「南京戦史」くらい目を通すべきでしょう。なお、「南京戦史」には海軍が行った"殺戮"については記載されていません。