23065 返信 田中宇のどこがトンデモか URL peru 2003/09/10 00:16
上海さん、


> ヴァージニア ウルフご存知無いようですね。「灯台へ」を読んだらと書いたのは、会話と
> いうものが、質疑が進むように成り立ってはいない現実を見事に書き表しているからです。
> しかし、それはそれで話しは進むんですね、不思議な事に。
>
> まあ、チミは議論がしたいらしいので、勝手に他でやりゃあいいと思うけど、
> 足し算の論理しか分からないperuクンが掛け算を論理的に説明せよといつも絡んでくるのは
> ちょっと可愛そうな気がします。

わたしと上海さんの間で意見が一致する点などほとんどなにひとつないのですから、気心が知れた同士がする会話のようなものはまったく成立しないとおもいますよ。というか上海さんは議論じゃなければ何をしているつもりだったんですか?あいかわらず妄想とわめき声ばかりのようですが、確かにこれでは議論とはいえないかもしれませんね。また論理というものが理解できていない人には議論というものはムリでしょう。上海さんが理系ってほんとですか?小学校や中学校で理科をやった程度のことでは「理系」とはいえないのではないかとおもいますが?

もうひとついっておくと、相手のことをわざと「○○クン」とか「チミ」ということで相手の値打ちを下げたような気分になるのは、子供がよくやるパターンですね。上海さん的にはこれで「peruをやっつけてやった」とおもっているわけですか?


> 誰かがどこかで書いたものを参照しないと不安で仕方ないようですが、残念ながら埴谷は
> 引越しのドサクサでダンボールごと紛失してリファレンス取れませんわ。すまんのう。
> 興味あるなら自分で調べなさい。
> そして埴谷がそう言ってなかったらまたここにおいで。

はあ、そうですか。わたしは埴谷の全集を見ましたが、そのような言葉は見つかりませんでした。ですから、上海さんが該当箇所をどこから引用したのか指摘してください。

そもそも上海さんは何のために出典を明記する必要があるのか、何もわかっていないようです。もちろん原著者の権利を大切にするということもあるのですが、そもそも引用を恣意的に行ったり、書いてもいないことをつけくわえたり、前後の文脈をとばしたりすることは、してはいけないことながら現実に起こりうることです。そうした恣意的なやり方を防ぐために、誰かが何をいったというときは必ず出所を示す決まりになっているわけです。それができないのであれば、そもそも「埴谷がこういった」という上海さんの主張自体が非常に怪しくなってくるということにすぎません。

> フランス革命の話しも足し算レベルではわからないでしょう。
>
> その議論に入る前に、ご自分の恥とも言える書き込みの言い訳を書きなされ。
>
> しばらく前に一生懸命主張していた
> @アメリカのイラク攻撃の正当性
> @核兵器をイラクが持っているであろうということの結末
>
> 散々、妄想を振りまいた責任は取ってもらわないとね。
>
> いえ、別に僕だけが言ってるんじゃなくて、そう思っている読者が多いようだから。

アメリカのイラク攻撃は、イラクが安保理決議に定められた査察を履行しなかったという理由で正当化されているのですから、現に起こっている事態がそのような法的正当性をくつがえすものではありません。また、これまでも繰り返し述べているように、イラクが大量破壊兵器を保持していたのかどうか、現時点で確定的にのべることはできないということです。


> それと、田中宇氏を腐すなら、せめて何がおかしいかくらい書くべきでしょう。アンチョコ
> には「田中宇は妄想癖がある」しか書いてなかったのですか?

さて、それでは本題として、田中宇の主張のどのあたりがトンデモかという問題について説明しましょう。問題になっている上海さんの投稿にあげられている田中宇のメールマガジンの記事を例にとります。

田中はジョンズホプキンス大学の研究者の発表を基にして、「全米の40州で使われ、すでに4万台以上も普及している投票マシンで、すでに選挙不正が行われているのではないかという疑惑が起きている。」といっているのですが、引用されている研究者の発表を見ると、電子投票システムにおいてセキュリティに問題があるプログラムが使われたのではないかということの指摘はしているものの、「具体的に選挙不正が行われているという疑惑がある」などとはいっていません。

「すでに不正が」というのは田中の想像であり、その根拠はシステムのベンダーであるディーボルト社が共和党人脈と関係があり、この会社のシステムを使ったジョージア州の選挙結果が事前の予想を覆して共和党の勝利に終わったというものです。

しかし、これをただちに「共和党がディーボルト社を利用して選挙において不正を働いた」という結論にもっていくのはちょっとムチャでしょう。

これだけでは、「ジョージア州の選挙結果だけでそういうことをいっていいの?」と誰でも思うはずです。ジョージア州の選挙での出口調査の結果が投票結果とまったく符合しないとか、ディーボルト社のシステムを使った選挙を他社のシステムを使った選挙と統計的に比較して、他の考えうる要因をコントロールした上で、共和党に有利だったという有意な差があるとか、こういう結論を出すために必要だと思われる手続きを田中がまったくとっていないからです。

田中のやっていることが妄想じみてくるのはこの後で、ディーボルト社のプログラムをチェックした会社が多額の防衛受注を得ていることから、「SAICが国防総省に近いということは、SAICも共和党タカ派の流れをくむ会社である可能性が大きい。」という結論を導き出しています。防衛受注が大きければ共和党タカ派の流れを汲む会社である可能性が大きいなんて、どうやったらそんなことを思いつけるのかまったく意味不明です。防衛調達は民主党政権下でも当然出ているのですし、あるソフトウェアの会社と政党のつながりを示す根拠がこれだけというのはあきれた話です。

「ウソの諜報を上手に使ってブッシュ大統領にイラク戦争を起こさせたネオコンと、プロパガンダを扱う企業であるSAICは、確かに手法が似ている。」ともいっていますが、まったく笑わせる話で、宣伝にコンサルタントを雇うことなど、共和党でも民主党でもやってるのはあたりまえです。

そもそもジョンズホプキンス大学から出た元ネタは、外部の第三者がプログラムに侵入して投票結果に影響を与える危険性について述べていたのですが、田中の記事ではいつのまにかプログラムを作成した会社ぐるみで、共和党と裏でつながって不正行為を働いている疑いがあるという話にすりかわっています。しかもその根拠たるや上記のとおりのいいかげんなもの。これではトンデモといわれても当然でしょう。

田中の記事が「電子投票システムにセキュリティ上の問題がある」というだけの話ならわかります。しかしこの材料から陰謀論を持ち出すためにはあまりにも根拠がなさすぎです。上海さんのように「どうせ巨大な陰謀の証拠などは出ないのだから、証拠はなくても怪しければ陰謀があることが推定できる」などというトンデモ論を振り回す人にとっては、これでも十分なのかもしれませんが、これを「ジャーナリズム」と称するのは相当イカレた人といって差し支えないでしょう。(笑)