23972	返信	革命の凍士・森永和彦君。	URL	八木沢	2003/11/01 21:46
森永和彦君の発言は、そのすべてが「反・日共」の薄気味悪い情熱に裏付けられたものである。多くの読者の目に彼の投稿はいつも異様に映るが、いわゆる「釣り」的表現にばかり気を取られ、その邪な本質が際立たないから皆まともに反論を試みてしまうのだが、無駄である。森永君は「よりまし候補」として三人の名を挙げたが、これを見るだけでも彼の日本共産党に対する敵対姿勢は明らかである。とくにＫなどという、いかがわしい輩を「唯一の野党らしい議員」などという、日本共産党に対するあてこすりとしか思えないような表現で紹介している点に我々はもっと注目する必要がある。　日本共産党が今回総選挙でＫを支援しないことに、党員・支持者からも批判があるようだ。しかし、残念ながらそれは支持者の純粋で無邪気な「片思い」でしかない。ＫやＫ支持者には日本共産党と共同歩調をとる気などさらさらない。市民運動と称するお気楽道楽に真剣さを求める方が間違いだ。　Ｋが前回補選に出馬した際、その時点で既に必ずしも彼女と良好な関係にあったとは言えなかったはずの日本共産党がなぜか公認候補擁立を見送った。親族経由の何らかのしがらみであったとも、単に勝ち馬にのっただけとも言われるが、よくはわからない。しかし、いずれの理由も今回そのまま当てはまるものではない。前者はその時点では無視することが出来なかった古い人間関係でしかなく、後者は比例を考慮せずに済む補選特有の事情ありきだからだ（この件、のちに詳述）。　それより問題なのは、院内活動における彼女の支離滅裂ぶりである。法案の意図を深読みの挙げ句に「与党の隠謀」呼ばわりしてことごとく反対に回る。日本共産党が賛成した法案に対し、自由党と一緒に反対に回る。「全会一致では民主主義とは言えない」と叫んで、どうでもいい法案にたった一人反対に回る。なぜ反対したのかを問われ、案の定その理由が答えられない。ムチャクチャである。つまり、Ｋなる輩は日本共産党にとっても国民にとってもさっさと消えるべき存在でしかないのだ。公認も推薦もできるわけがない。日本共産党は変わり者の集団ではあるが、それは筋を通すがゆえの結果であって、故に単なるデタラメなど絶対に許容しないのである。　森永君についてはもう一点。狭山事件および石川一雄・元服役囚に対するスタンスである。手垢の上に黴まで生えた方法で糾弾活動もどきをいまさらながらに展開しているようだが、彼の発言は同和問題をネタに生き残りを図る中核派なるクズどものかすれたコピーでしかなく、大衆に訴えかける力は限りなくゼロに等しい。本家の部落解放同盟が１９９４年に旧社会党単独支持をやめ、現在は自民党候補を支援する場合もあるほどに（組織出身候補である谷畑孝・小泉内閣厚生労働副大臣の存在がその典型）、「柔軟化」しており、森永君の発言は今となってはほとんどカルトの域に達している。ここで、この問題に関してかつて日本共産党が出した見解を参考のために挙げておこう。　かれらの論法でいくなら、部落住民にかんする事件は、真犯人であろうとなかろうと、すべてが「部落差別」を基礎とする「差別裁判」ということになるのである。しかも、かれらは「差別裁判」だと決めつけることによって「石川青年の即時釈放」を要求し、かれらに同調しないものや、証拠にもとづく公正な裁判を要求してたたかっていた人たちまで「差別裁判」の加担者だと攻撃した。これが、部落住民なら、どんな犯罪をおかしても裁判をうけたり、罰せられたりすべきてはないとする、きわめて反社会的な主張であることはあきらかである。　もともと、ある裁判の基本性格を「差別裁判」と断定するには捜査、起訴、審理、判決という訴訟の過程に、ことさら差別観念をあおったり、未解放部落住民であることを最大の理由として処罰するなどの明確な事実がなければならないが、「狭山裁判」をそうしたものと断定する根拠はないのである。　また「解同」はこの事件自体があたかも「部落解放運動」への弾圧事件だったかのようにみせかけている。だが「狭山事件」は、松山事件のような政治的背景のある謀略事件と全く性格がちがい、石川被告は、事件当時、部落解放運動とはなんのかかわりももっておらず、警察や検察当局がこの事件から部落解放運動の組織や活動の弾圧にすすむということもなかったのてある。（１９７７年１２月２日付「赤旗」、原文のママ）　　森永君の暇つぶしの戯言につきあうのは、これくらいにしておくが、以上のようなことはあの「天皇殺害は合憲」発言でとっくに気がついておくべきだったのではないか。あれだって日本共産党の「護憲ゆえに天皇容認」路線への皮肉から出ていることが容易に推測できるんだから。　ところで、選挙区に候補者を大量擁立する日本共産党のやりかたを「比例区対策」だとして批判する者が多いようだが、驚きだ。政党とはまず自前の候補を用意するのが正常なあり方であり、仮にそれが比例区の集票のためであるとしても、どうのこうのいわれる筋合いはない。費用だって全部自力で集めたものであり、他党のように税金をかすめとっているわけではないのだ。有権者不在の談合で候補者を調整するなどという姑息な手段が与野党問わず恒常化しているが、小選挙区制度導入後の低投票率はそのツケがまわってきたものだということにいい加減気づくべきである。　また、自分が支持する候補があるなら当選可能性など度外視で、心して一票を投ずるべきであり、あれこれ考えてたとえば民主党などに投票したところでその候補が当選後自民入りでぎゃふんとなれば所詮水の泡である。幸い我が選挙区は、①選挙区当選②比例復活③元職の戦いであるが、誰が当選してもおかしくない状況なので好きな候補に入れられる。大変ありがたいことである。　革命の凍士・森永和彦君はこのまま北方のかの地にでも送付すればよろしい。現地でただちに解凍すればなんとか辛うじて食えるのではないか。