27663 | 返信 | イラク人捕虜虐待の写真集、アムネスティ・インターナショナル報道発表など | URL | にゃにゃにゃにゃにゃ | 2004/05/09 21:03 | |
イラク人捕虜へのアメリカ軍による虐待の写真を集めたサイトを紹介します。 URL:http://tanesan.hp.infoseek.co.jp/iraq-no.html それと、アブグレイブ刑務所など拘束・拘禁での虐待に関する「公的調査結果」と、 「死刑囚監房の黒人ジャーナリスト、ムミア・アブ=ジャマールの、イラク監獄におけ る米兵による拷問問題に関するコメント」の案内です。 ――――――――――――――――――――――――――― ◎公的調査結果 ・国際赤十字委員会 共同通信 全文はhttp://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2004/iraq4/ 「軍が容認」と報告書 発砲で7人殺害 【ニューヨーク7日共同】七日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは、米軍な どによるイラク人虐待について赤十字国際委員会(ICRC)がまとめた報告書の内 容を報じた。報告書は発砲で七人が殺害されたことを挙げた上で、虐待が広範囲に行 われ、拷問に近いものもあったと結論付け「虐待は(連合軍によって)認められた行 為だった可能性をうかがわせる」と指摘している。 報告書は二十四ページ。「自白させ、情報を入手する」ための常とう手段として、 尋問中のイラク人が乱暴な扱いを受けたと指摘。戦時捕虜の取り扱いを定めたジュ ネーブ条約に「深刻な違反」があったと非難している。 ・アムネスティ イラク、アブ・グレイブ刑務所の拷問は氷山の一角 独立機関による調査が必要 2004年4月30日 アムネスティ・インターナショナル報道発表 http://news.amnesty.org/library/print/ENGMDE140172004 アムネスティ・インターナショナルは本日、イラクにおける指導 体制は、人権に関する二重基準と欺瞞のため、いまや重大な危機に 瀕していると述べた。 中略 アムネスティ・インターナショナルは、これまで1年間、占領軍 当局によって拷問と虐待が行われているとの報告を多数受けていた。 被拘留者は、逮捕や拘留のさいの残忍で非人間的で屈辱的な待遇は 日常茶飯事だと報告してきている。多くの人が、尋問のときアメリ カとイギリスの兵士に拷問、虐待を受けたとアムネスティ・インタ ーナショナルに語っている。拷問の方法としては、長期間眠らせな い、殴打、長期間苦痛な姿勢のまま拘束する(これは大音響の音楽 を浴びせながら行われることも多い)、長期間頭部に覆いをかぶせ 放しにする、まぶしい光にさらすなどが、しきりに報告されている。 申し立てのあった拷問・虐待のうち当局により適切な調査が行われ たものは、これまでほとんどなかった。 アムネスティ・インターナショナルは、適格、中立かつ独立の機 関が、この条件をみたすとの確認を受けて、申し立てのあった占領 軍による虐待の調査を行うこと、また調査の結果をすべて公開する ことを要求する。加えて、被害者と家族に対し賠償金を含め償いが なされるべきである。 (翻訳:TUP/リバーベンド・プロジェクト 池田真里) ・「米軍は千人単位で敵をつくり出している」 クリスチャン・ピースメーカー・チーム 04年5月8日(土)「しんぶん赤旗」 イラクで活動する人道援助団体の「クリスチャン・ピースメーカー・チーム」によ ると、過去九カ月間に収容所に収監された経験をもつ数百人のイラク人から聞き取り 調査を行った結果、およそ80%の人が殴られたり服を脱がされたりといった虐待を 経験したと証言しました。 同チームのブリーシンガ調整担当は「米国市民と同等の 権利を持っていると感じて収容所から釈放されたイラク人はほとんどいない。米軍は 千人単位で敵をつくり出している」と述べ、米軍の姿勢を批判。「最終的にこの実態 が明らかになれば、私たちがいま目にしているのは氷山の一角にすぎない」と語りま した。 ・国連情報誌SUN http://www.issue.net/~sun/ 5月6日(木)の出来事 より ■イラクにおける人権状況、5月末国連へ報告 国連スポークスマンによると、国連人権高等弁務官は、5月31日の人権委員会に おいて、2003年4月からのイラクにおける人権の状況に関する報告を発表すると 表明した。報告は、市民の保護や拘留者たちの扱い方についても触れる予定。 ◎「アブグレイブ刑務所におけるイラク人への虐待には、実はアメリカ中の監獄や警 察署内における虐待の前史がある」 死刑囚監房の黒人ジャーナリスト、ムミア・アブ=ジャマールの、イラク監獄におけ る米兵による拷問問題に関するコメント 今井恭平 今回の捕虜虐待で軍事法廷に告発されている兵士の中に、ムミア自身が現在収監され ているペンシルベニア州グリーン刑務所の看守だった人物が含まれているようです。 このコメントは、PRISON RADIOのウエッブサイトで、ムミア自身が読み上げている声 を録音で聞くことができます。(ムミアはもともとラジオ・ジャーナリストです)こ のコメント以外にも、彼の獄中からのラジオ放送をこのサイトで聞くことができま す。(この「アブグレイブ監獄の影の中で」も、すでにこのサイトにアップされてい ます) http://www.prisonradio.org --PRISON RADIOによる前文-- 陸軍予備役兵士のチャールズ・グレナー(35歳)がイラクでの囚人虐待によって軍事 法廷の告発にさらされていることは、驚くに値しない。そうなるだろうと予言すらで きたくらいだ。彼は兵役につく前は、ペンシルベニア州の特級厳重警備刑務所である SCIグリーン刑務所の看守であった。この刑務所にはペンシルベニア州最大の死刑囚 監房がある。ムミア・アブ=ジャマールもまたそこに収監されている。Fayette郡の 法廷記録によれば、グレナーは家庭内暴力によって過去3回起訴されており、現在も 禁止命令を受けた状態にある。(おそらく暴力の被害者に近づくことを禁ずる命令の ことだと思います。訳註) ---ここからがムミアの文章--- アブグレイブ監獄の影の中で ムミア・アブ=ジャマール 2004年5月3日 バクダッド郊外にある恐るべきアブグレイブ刑務所から出てきたカラー写真が世界を 駆けめぐり、無言のうちに、だが雄弁に物語っているのは、アメリカ人たちが「解 放」するためにやって来た、というイラクの人々に対して、本当はどのように考えて いるのかという真実である。 これらの写真は、インターネット時代にあって、またたくまにアラブとイスラムの社 会に行きわたり、これまでは隠されていた、ことに海外ではめったに目にできなかっ たアメリカ人の性格を示している。あざけり笑っている女性の脇で、素裸で立たされ ている男たちの姿は屈辱の極みであり、ものごとを見ることのできる人なら誰でも分 かるように、アメリカ人がイラク人を、さらにはアラブ人全体を徹底的に蔑視してい ることを示している。 「アメリカ人とは本来、こういう人たちではない」と叫ぶ政治家がいる。「信じられ ない!ひどすぎる」という人たちもいる。だが、何よりも真に心を凍らせるもの、裸 の人間を積み重ねるという光景以上におぞましいもの、それはアメリカ人たちの顔に 浮かんでいる、無邪気な歓喜の表情である。イギリスのタブロイド紙に掲載された、 イギリス人兵士たちがイラク人に小便をかけながら嘲笑している写真も、同様におぞ ましい事実を語っている。これこそ侮蔑と憎悪と人間性の欠如と、そして征服者の行 為である。 アメリカ人とイギリス人たちは、解放者なのかそれとも占領者なのか?その答えを知 るためには、アブグレイブで撮影された写真の顔を見るだけで十分だ。 もとブラックパンサー党の著名な文化相でありチーフ・アーティストであったエマ リー・ダグラスと最近話をする機会があった。エマリーは、歴史の中でほとんど忘れ 去られていたあることを思い出させてくれた。1970年8月31日にブラックパンサー党 のウエスト・フィラデルフィア事務所が警察によって強制捜索された時のことだ。 オートマチックの銃で武装した警官たちは、男たちを裸にして街路に立たせたのだ。 (当時、ティーンエイジャーだったムミア自身、この警察の捜索の際に、警官から銃 を突きつけられている/訳註) 私はまた、ボストンでおきた悪名高いチャールズ・スティワート事件のことも思い出 した。白人の男性が、自分の妻を黒人に殺された、と主張した事件である。警官隊が ボストンの黒人居住区ロックスベリーにまるで疫病のように大量に襲いかかった。彼 らは(黒人の)男たちを裸にして、ビーンタウンの街路に立たせたのである。今、イ ラクに派遣されている者の多く、ことに保護区に駐留している者の多くは、警察官か 刑務所の看守である。アブグレイブ刑務所におけるイラク人への虐待には、実はアメ リカ中の監獄や警察署内における虐待の前史があるのである。「ニューヨーカー」誌 のジャーナリスト、シーモア・ハーシュによれば、囚人に対するソドミー(男性囚人 に対する男性からの性的暴行)やさらに殺害事件さえあったという。アブナー・ルイ マ事件(*脚注参照)を彷彿とさせる出来事である。 誰かを憎んでいたり、軽蔑していたり、あるいは恐れていたりするなら、その相手を 解放するなどと言うことができるだろうか? 最初からわれわれが主張してきたように、イラクでの冒険行為は、抑圧された人々の 解放などとは到底なりえないものである。実際には、最近「USA Today」とCNNが行っ た世論調査でも明らかなように、イラク人たちの71パーセントがアメリカは占領者で あるという結論に到達している。 アメリカ人は解放と言うが、彼らがもってきたものは拷問であり、屈辱であり、支配 である。フセイン政権時代に、その恐るべき監獄でおきた腐敗した出来事と何ら変 わっておらず、拷問と恐怖支配が今もなお続いていることを示している。 アメリカの歴史から教訓を得るとしたら、事態を塗り隠そうとすることに警戒しなけ ればならない。そうした試みは必ずなされる。 死刑囚監房から、 ムミア・アブ=ジャマール *アブナー・ルイマ事件 1997年8月9日、ニューヨーク市のブルックリンで起きた警察による暴行事件。アブ ナー・ルイマは、口と肛門に棒を差し込まれるという暴行を受けた。のちに98年2月 27日、5人のニューヨーク市警の警官が、大陪審によって起訴された。 ムミア・アブ=ジャマール フィラデルフィアのラジオ・ジャーナリスト。1981年12月に同市でおきた白人警官殺 害事件ででっち上げ逮捕され、82年死刑を宣告される。一貫して無罪を主張。一審裁 判には、検察による証拠の捏造など多大な疑惑がある。95年から再審請求中。現在、 連邦巡回裁判所(中間上訴裁判所)で再審を請求中。もとブラックパンサー党の広報 担当活動家。死刑囚監房から、活発な言論活動を継続。ことに人種差別的暴力と戦争 に反対する論陣を張っている。著書 LIVE from Death Row は日本語訳『死の影の谷 間から』(2001年現代人文社刊/今井恭平訳)がある。その他の著書に Death Blossoms All Things Censored FAITH of OUR FATHERS WE WANT FREEDOM--a life in the Black Panther Party などがある。 ムミアについての詳細は http://www.jca.apc.org/mumia/ |
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