29756 返信 Re:人肉餃子は美味いか。(Re:日本軍の人肉食) URL inti-sol 2004/09/30 21:50
> あのぉ…。これがなぜ日本軍の「残虐行為」なのでしょうか?

tpknさん。
中国人の人肉を食べるのは残虐行為だが日本人の人肉を食べるのは残虐行為ではない、というのは、ずいぶんと「自虐的」な考え方であるように思えます。中国人に対して行って残虐な行為は、日本人に対して行っても残虐な行為ではないでしょうか。平時と戦時による感覚の違いはあり得ますが、この場合はどちらも戦時なのですから。
もちろん、それは、「日本兵による日本兵に対する残虐行為」なのであって、「日本兵による中国人に対する残虐行為」ではないことはいうまでもありませんが。
そこで次の問題は、日本兵が同じ日本兵の死体を食べているという状況に至ったとき、彼等は「日本兵の死体しか」食べなかったのでしょうか。無人島かそれに近い状態で日本軍以外に人がいないという状況でなら、日本兵の死体しか食べなかったと言えるでしょうが、中国はそうではない。
日本兵が中国人の死体は一切食べずに同胞の死体だけを食べた、そういうことがあり得るのでしょうか。私には信じがたいです。

> 元々の問題は日本人が中国人をギョウザにして食っていたかどうか(すなわち中国の教育が正しいかどうか)という話であって、窮乏していたかどうかではありません。

残虐行為一般と窮乏は表裏一体の関係にあります。別に日本兵は生まれながらにして殺人鬼だったわけでもなんでもない。多くの場合、「良き息子」「良き夫」「良き父親」だった人たちが、軍隊での非人間的な生活、戦場における極限状態によって精神的に追いつめられたから残虐行為が起きたのです。これは、旧日本軍であれイラクにおける米軍であれ、同じ事です。
例えば、南京大虐殺の中で起きた捕虜の殺害は、日本軍が補給を無視して急進撃してきたことに原因があります。上海での戦闘開始は8月でしたが、南京に着いたときはもう12月、なのに軍服の補給はなく夏服のまま戦っている兵士たちがたくさんいました。だから暖をとるために家を焼くようなことも起こる。もちろん食糧の補給もなく、食べるものがない。だから略奪も起きたし、捕虜に与える食べ物がないから捕虜を「処分」するようなことも起きたわけです。

余談ですが、中国戦線における食糧事情について
クマさんは、「戦争末期の中国戦線の補給状況は最悪だったことは、藤原彰氏の『飢死した英霊たち』をひもとくまでもなく常識であります。」と書いていますが、これはまあ、当の藤原氏自身が同書にて「太平洋の孤島や南方の密林とは違って、人口稠密で物資の豊かな中国戦線では、餓死者などは生じなかったと思われやすい。」(P.115)と書いているくらいで、どちらかというと「知られざる事実」に属することで、「常識」とまでは言えないかもしれません。
ともかく、同書によると、大陸打通作戦の中の湘桂作戦では、戦死1万1742人、戦傷2万2764人に対して、戦病死が6万6543人を占めているということです。このうち、第68師団では、死亡率が多い巡に1位が赤痢(41.8%)で、2位が栄養失調(22%)。以下戦傷(13.9%)・マラリア(8.2%)脚気(6.8%)と続いています。栄養失調以外の症例も、飢餓による体力の低下が死亡率を大きく押し上げていることは明らかであり、実質的には大半が餓死に近い実態だった推定できます。