30208 返信 地下鉄サリン事件はなかった(否定論の正体) URL とほほ 2004/10/18 12:46
南京大虐殺事件否定論というものがある。もう何十年も前から言い尽くされ当掲示板でも何度も論理破綻している議論であるが、同じ事を何度も何度も繰り返す。ここ数年当掲示板ではこの否定論を書き込む投稿者は一部の変質者を除き大人しくなってきていたが、本多勝一氏の裁判や本宮ヒロシ氏の件で最近またもや復活しているようである。常連投稿者諸氏にも辟易している内容の投稿ばかりである。それこそ過去ログをコピペしてしまえばそれで済む事であるが同じ事を何度も書き込む気力もそうそう続くものではない。

こうした件で新たに南京大虐殺事件や百人斬り競争に興味をもたれてそれがどういう事件なのか知りたい方は私のHPリンク集掲示板を参照してもらいたい。

ただし「否定論」というものが存在しているのは事実である。
これがどういう論理で虐殺を否定しているのか「地下鉄サリン事件否定論」を同様の手口で展開してみる。これはおちゃらけやパロディーの類ではない実際に否定論とはこのようにくだらないものなのである。地下鉄サリン事件の被害者の心情を慮りながら否定論の卑猥さに怒りを感じていただければ幸いである。
因みに下記で資料として取りあげる「アンダーグラウンド、村上春樹、講談社文庫」はもちろんこのような否定論を論じたものではなくその事件の重要性邪悪性を著者が地道な取材活動の中から世に訴えたノンフィクションである事は誤解なきように。

---地下鉄サリン事件はなかった---
1995年3月、東京霞ヶ関地下鉄構内で猛毒ガスであるサリンがばら撒かれ3800人にものぼる死者や負傷者をだしまだ後遺症に悩む人がいる、と言う事件を皆さんはご記憶であろう。この事件はその首魁が逮捕され東京地裁で死刑判決を受け、現在控訴中である。私もこの事件を報道のまま受入れ、世の中にはひどい奴もいるものだと信じ込んでいたが最近ある一冊の資料を発見した。私はそれを読んで愕然とした「我々は報道にだまされている」その確信を持った。

まずアンダーグランドの取材経過を記した序章部分からその虚構性を匂わせる記述を私は発見していた。考えてみれば報道された事件の矛盾点が次々と浮かび上がってくる、例えば報道によるとサリンを入れたビニール袋を新聞紙にくるみ先を尖らせた傘で袋をやぶりサリンをばら撒いたとある。考えてみよう、事件のあったと言われる3月20日は快晴である、そのような日にこれから凶悪犯罪を犯そうとする犯人が傍目に目立ちやすい、傘を持ち歩く、という愚挙を犯すものだろうか?
大体あなたが犯人であればどうだろう?そんな事をするよりも降車間際にカッターナイフで袋を破りばら撒いたほうが確実ではなかろうか?

とにかくこの事件は疑い出せばきりがない、私の主観を避けるためにここに資料から重要点だけを抜き出し判断を読者に仰ぎたいと思う。
まず3800人と言う被害者数についてであるが実際にはそのような数の被害者は存在しない。

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○正直なところ、これは予想した以上に困難を伴う作業であった。この東京近郊にあれだけの数の事件被害者が存在しているのだから、事件についての証言を集めるのはとくに難しいことではあるまい、と最初の段階ではかなり簡単に考えていたのだが、話はそんなに生やさしくはなかった。

○とりあえず名前が判明している七〇〇人のリストを作成し、そこから作業を始めたのだが、「身元」が判明したのは二〇%程度だった。

○60人近くの「証言をしてくれる事件被害者」を見つけ出すのは、公式の発表によれば3800人もの被害者が存在しているにもかかわらず、実に時間と手間のかかる作業だった。
---アンダーグラウンド、村上春樹、講談社文庫、21P〜23P---

おわかりであろうか、確かに我々は報道で3800人と言う被害数を知っているし、700名近くの名前が報道されている、が80%の名前は架空であったことが判明したのだ。しかも判明した20%のほとんどが証言を拒否しておりわずかに60人の人間が証言をしているのであるがその証言内容は矛盾点ばかりである。

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○140人余りの方になんとか連絡を取ることができたものの、多くの場合
<中略>
様々な理由で取材を拒否された。

○出版社の名前を告げただけで電話をがしゃんと切られるというようなことは、日常茶飯事だった。
---22P---

つまり身元がわかったうちのほとんどが証言しなかった事に読者は注目していただきたい。読者の中には「いや私は確かにテレビで報道映像を見た、多くの人が倒れていたし警察や消防の人が大勢現場にいたのを見ている」と言う方も多いであろう、確かに私も見た、しかし今回発見された資料の中に以下のような証言がある。

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○それなのに道路のあっち側半分は、何事もなくいつも通りに職場に通勤している人の世界なのです。
○道を行く人々は「いったい何があったのかな?」っていうちょっと怪訝な顔をして見ているんですが、その人たちはこっちに入って来ようとはしない。そこはまったく別の世界なんです。足も止めず、我関せずという感じで。
○通産省の門番みたいな人がすぐ目の前に立っています。こっちには3人の方が倒れて、地面に横になって、来ない救急車をじっと待っているんです。すごい長い時間です。でも通産省の人は誰も助けを呼んでくれもしない。車を呼んでくれるでもない。
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上記の証言を検証してわかるとおり、実際の目撃者の証言では駅周辺は大変静かであった事がわかる、特に通産省が何もしていない、これは考えられない事である、地下鉄は通産省の管轄下にあり、もし「言われているような」事件があったのであれば通産省が何もせずにいるはずがない。またこの証言者が目撃している被害者は3人だけである事にも注目せねばなるまい。

誤解を避けるために書いておくが私は何も「地下鉄サリン事件はなかった」と主張しているわけではない、確かにそう言う事件はあったのであろうが報道された内容を鵜呑みにしてはならないと主張しているのである。皆さんはテレビやドラマのロケーション現場を見たことがあるだろうか?
地方であればロケともなれば野次馬で大騒ぎになるが実は都内では珍しくもない光景なのだ、私の住む新宿西口の通りはすぐ前が都庁であるに関わらず車の少ない通りで実際テレビドラマのロケがしょっちゅう行われているが通行人は大方無関心である。私は上記の証言内容とこのドラマのロケ現場の様子が酷似している事を指摘せずにはおれない。

実際4000人近い被害者を出したのであれば付近は大騒ぎをしているはずである。そうなのだ我々が見せられたあのニュース映像は「捏造」であったのだ。
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と、ここまで書きましたが、やはりサリン事件の被害者に申し訳ないのでこの辺でやめておきます。が、実際サリン事件を否定する論理を組み立てる事はたやすいです、他にもいくらでも証言の一部だけ引用して否定論を組み上げる事は出来ます。もし南京虐殺や百人斬りの否定本を読んでその中に「資料」であるとか「新証言」とか言うのを見かけたら元ネタを読んでみてください、全部、私がここで展開したようなトリミング等のレトリックです。