第1週: SFC-CNS を初めて使う

1.1 演習履修上の注意事項

• 履修は指定クラスに従ってください． 各クラスは，あらかじめ指定された特別教室で演習を行ないます．
• 各クラスには，担当教員のほかにTA/SA(Teaching Assistant/Student Assistant)がついています．これは，皆さんの演習を手助けするため， いろいろの質問に答え，指導をしてくれる人たちです． 大いに質問して学習効果をあげましょう．
• 演習で使用するのは SFC-CNS (Campus Network System)という， ネットワークとワークステーションを利用した分散処理環境です． これについての説明をまとめた，「SFC CNSガイド」という本があります． 生協で販売していますので，購入しておいてください． また，コンピュータの画面上でも読めるようになる予定です．
• 演習において参照すべき資料は，オンライン教材(iplht)と呼びます． これは，SFC 内のワークステーションの画面上で いつでも読めるようにしてあります．
• 演習の時間には，指定クラスの割り当てられた特別教室で行なわれますが， 宿題などをやるためにワークステーションが必要な時には， メディアセンターのオープンエリアにあるワークステーションを使うことが出来ます． これは，メディアセンターが開館している間のみ利用することが出来ますので， 開館時間をチェックしておいてください． また，特別教室のワークステーションは， そこで授業(たとえば情報処理Iaの演習)が行なわれていない限り， 利用することが出来ます．ワークステーションの置かれた特別教室は7部屋あり， 24時間使うことが出来ます． 夜間は，巡回に来る警備員の指示に従って残留届けを出してください．
• 学費とともに納めてもらった， CNS利用料金には，CNSの一般的な利用料金と， 年間500枚までのプリンタ料金が含まれています． 500枚を越えるプリンタ出力を行った場合には，1枚につき5円が課せられます．

1.2 SFC-CNS利用のエチケット

• SFC-CNSは教育，研究のためのシステムであることを理解し， それ以外の目的には使用しないこと．
• CNSガイドに記載された「CNS利用上の諸注意」を守ること．
• 他人のメールやデータを覗いたりして，プライバシーの侵害をしないこと．
• ソフトウエアの著作権を尊重し， ソフトウエアの違法コピーはしないこと．
• ネットワーク経由のコミュニケーション(メール，掲示板，ホームペー ジ，チャットなど)では，読む相手のことを配慮し，一方的な宣伝，チェーン メール，誹謗中傷，犯罪につながる情報の提供などは行わないこと．また， 著作権のある文章や画像の無断コピーはしないこと．
• SFC以外のコンピュータに事前の許可なくアクセスしようとはしないこと．
• その他，他人に迷惑のかかることは決してしないこと．

1.3 演習で使う計算機

• SFCにはパソコンもありますが， ほとんどがワークステーションと呼ばれる計算機で， 通常のパソコンと少し異なります． 自分の家などにパソコンがあり，その利用の仕方をよく知っていたとしても， ワークステーションの利用の仕方とはかなり異なる場合がありますので， 先生の注意をよく聞いて利用してください．
• ワークステーション各部名称説明
  • ディスプレイ: TV画面のこと．モニタとか画面とか色々な言い方もあります．
  • キーボード: アルファベット，数字，記号が書かれた鍵盤のこと．
  • マウス: 3つボタンがついていて，手で動かすことにより位置を指定するもの．
• ワークステーション本体の電源(スイッチ)は常に入っています．障害の原因 になりますので，自分では絶対に電源を切らないでください．
• 節電型ディスプレイは，数分間マウスとキーボードに触れないと自動的に待機状態になります． 画面が暗いときはマウスを少し動かしてみてください． そうでないディスプレイは，自分で電源を入れ， 使用後は電源を切ってください．
• 授業中以外に使用しておかしくなった時は， CNSホットライン(内線 2512)に連絡してください．
• キーボードの説明
  • たくさんのキーがありますが，通常使うのは，アルファベット，数字， 記号，特殊キー(Esc, Tab, Control, Shift, CapsLock, BackSpace, Return)が並んでいる部分です．
  • アルファベットのキーは，そのまま押すと小文字，Shift キーと同時に 押すと大文字が入力されます．
  • 数字や記号は，各キーに２つずつ文字が書いてあります．そのまま押す と下の方の文字，Shift キーと同時に押すと上の方の文字が入力されます．
  • キーを押し続けると，連続してその文字が入力されます．
  • BackSpace キーを押すと，一つ前の文字が消去されます．
  • 行の終りでは Return キーを押すと，次の行へ移動します．
  • その他のキーについては必要に応じて今後説明していきます．
  • アルファベットと数字の配列はどのコンピュータでも同じですが，それ 以外のキーはコンピュータによって位置や名前が違います．

1.4 アカウント

SFCの計算機を利用するためには，アカウント (account)を作成する必要があります．アカウントとは，それぞれの計 算機の利用者を区別するために用意されているもので，計算機を利用するそれ ぞれの人に一つずつなくてはいけません．それぞれのアカウントには名前が付 いています．それが，ユーザ名(user name)です． ユーザ名を指定することにより，対応するアカウントを利用することができま す．ユーザ名のことをログイン名と呼ぶこともあります．

計算機の利用開始のことをログイン(login)といいます．

ディスプレイ(TV，モニタ，画面)に次のように表示されているはずです．

login:
password:

この画面のことをログイン画面と呼びます． 計算機をだれも利用していない状態では， このログイン画面が表示されています．

自分のユーザ名と仮パスワードを入力してログインしてみましょう．

login: t99000xx
password:

• ログインするまでに10秒くらいかかることもありますので， 画面が暗くなっても慌てないでください．
• 人にパスワードを知られないようにするため， タイプしたパスワードは表示されません．
• ログインすると，次のように複数のウインドウが表示されます．

計算機を使い終ったら，次の人がその計算機を使えるようにしないといけませ ん．計算機の利用を終了することをログアウト (logout)といいます．

ログアウトするには，以下のようにします．

• 左上にあるウインドウをコンソールウインドウと呼びます．
• ここでlogoutと入力するとログアウトします．

計算機には，マウスが付いています．

• マウスを机の上で少し動かしてみて下さい．
• マウスの動きにつれて，画面上で X マークが動いているはずです．
• このマークは，ウインドウの中に入ると I や矢印に変わり， そのウインドウの枠の色が変わります．
• この画面上の X や I のマークのことを， マウスカーソルあるいは簡単にマウスといいます．
• マウスカーソルは指や時計などに変わることもあります．

• マウスをコンソールウインドウに入れて， キーボードから文字を入力してみましょう．
• 入力された文字がウインドウに表示されたはずです．
• 入力された文字は，BackSpace キーを押せば，消えます．

1.6 練習問題(1)

• 1-1. 2回くらいログイン，ログアウトを繰り返してみよう．

1.7 ウインドウ操作

• ウインドウの移動方法
  • マウスカーソルを移動したいウインドウの下の図のBの部分に持って いって，マウスの真中のボタンを押し，押したまま動かします．
  • ボタンを押したままマウスを動かすことをドラッグと言います．
  • するとウインドウの外枠に沿った大きさの点線を動かすことができます．
  • 好きな位置に動かし，ボタンをはなせば，新しい位置を決定することが できます．
• ウインドウの重なり
  • 多くのウインドウをディスプレイに出したり，ウインドウを移動したりすると， あるウインドウの一部が他のウインドウで隠されてしまいます．
  • 隠されてしまったウインドウの全体を見るためには ウインドウを上に持ってこなければなりません．
• 重なりを変える方法
  • マウスカーソルを隠されているウインドウの図(前頁)のBの部分に持っていき， 左ボタンを押します．
  • 上にある邪魔なウインドウを下に持っていく方法もあります．
  • マウスカーソルを下に持っていきたいウインドウの， 前図のBの部分に持っていき，右ボタンを押すと， そのウインドウを一番下に持っていくことができます．
• ウインドウの大きさを変える
  • 大きさを変更したいウインドウの，前図のDのところに マウスカーソルを持っていき，マウスのボタンを押すと，外枠に沿った点線が でるので，そのまま動かします．
• 便利な道具
  • 今ディスプレイに表示されている以外にも，時計や計算機，お絵書きツールと いった便利な道具を使うためのウインドウが用意されています．
  • 様々な道具を使い易くするためのウインドウがディスプレイの左下にある FvwmButtons と呼ばれるウインドウです．
  • このウインドウを使うと，新しいウインドウが開くことができます．
  
• FvwmButtons で新しいウインドウを開くには
  • FvwmButtons の時計の絵にマウスカーソルを持っていき， ボタンを押せば時計のプログラムが実行されます．
  • 左上にマウスを持っていきボタンを押せば， 新しい端末ウインドウを開くことができます(端末ウインドウを 使ってコマンドを実行する方法はこの後すぐやります)．
  • この他にも便利なプログラムを起動することができるので， 興味があれば使ってみて下さい．
  • 注意: FvwmButtons の爆弾の 絵のところでボタンを押した後(マウスカーソルがドクロに変わります) 他のウインドウの上でボタンを押すと，そのウインドウが 終了してしまいます．特にコンソールウインドウを終了させてしまうと，ログアウト してしまうので気をつけて下さい．
• ウインドウの整理
  • 画面上にたくさんウインドウがあると，繁雑で使いにくくなります． そこで，当面必要のないウインドウは，アイコンと呼ばれる小さなマークに 変えることができます．
  • 下の図のCのところにマウスカーソルを持っていき，ボタンを押します．
  • アイコンに変わったウインドウは，その上でマウスの左のボタンを 押すと，また元の大きさのウインドウに戻ります．

1.8 練習問題(2)

• 1-2. ウインドウを移動したり，大きさを変えたり，新しく開いたり，アイコンに したり，上下関係を変えたりして，しばらく遊んでみて下さい．

1.9 パスワードの変更

パスワードは銀行のキャッシュカードの暗証番号と同じようなものです．仮パ スワードは覚えにくいので，自分の覚えやすいパスワードに変更します．

端末ウインドウ内にマウスカーソルを移動し，キーボードで yppasswd と Return キーを打ちます．続いて，以下のように古いパ スワードと新しいパスワードを打ちます．パスワード入力時には，他人に盗み 見られないよう，キー入力が画面に表示されません．タイプミスをしても気が 付かないので，確認のためもう一度同じものを打ちます．2回目の入力が最初 のものと一致しない場合には，やり直しになります．なお，それぞれの入力の 最後には Return キーが必要です．

% yppasswd yppasswd: Changing password for t99000xx Enter login(NIS) password: 古いパスワードを入力 New password: 新しいパスワードを入力 Re-enter new password: 確認のためもう一度新しいパスワードを入力 NIS passwd/attributes changed on ns0 %

• もしもパスワードを忘れてしまったら， 計算機を利用できなくなってしまいます． このような場合には，学生証を持参の上， CNSサービス窓口へ行ってください． パスワードの登録をやり直します．
• パスワードを他人に教えてはいけません．また，他人のパスワードを解 読するのは犯罪行為になりますので，絶対にしないでください．
• パスワードは手帳などに控えないでください．どうしても忘れそうなら，パスワー ドそのものではなく，それを思い出すためのヒント(他の人が見ても分からな いもの)を控えておくという方法もあります．

また，インターネット経由でのクラッキ ング(パスワードを解読して不法侵入すること)を防ぐため，次のことに注意 してください．

• 8文字以上で，英文字だけでなく数字や記号を混ぜるようにしてください．
• 名前や電話番号のような，他人が推測できるパスワードは避けてくださ い．また，辞書に載っている単語は簡単に解読されてしまいますので， 二つの単語をつなげるなどしてください．
• 同じパスワードを長期間使っていると，解読される危険性が高くなります．そ のため，SFCではパスワードは少なくとも3か月に一度は変更することが義務 付けられています．3か月以上変更しないと，アカウントが一時停止され ます．停止解除は，CNSサービス窓口に本人が直接行かなければなりません． 学期の始め，休みに入る前などに忘れずに変更しましょう．
• 自分は重要なデータを持っていないから，パスワードを解読されてもい いとは思わないでください．誰かがあなたの名前で犯罪行為をするかもしれ ません．また，SFCの一人のパスワードが解読されると，それ を利用して他の人のパスワードも解読され，SFC全体に迷惑がかかります．

1.10 コマンドについて

• コマンドの入力
  • ログインした時に，ディスプレイの左上と右下にあるウインドウは， 計算機に命令(コマンドといいます)を送るためのものです．
  • このようなウインドウを端末ウインドウといいます．
  • 端末ウインドウには，``%'' の文字が表示されています．
  • これは，計算機がコマンドを待ってますという印で，プロンプトと いいます．
• dateコマンド
  • コマンドの例として，dateというコマンドを実行してみましょう．
  • プロンプトの後ろに，dateと入力します．

    % date

  • ここで， Return キー(右小指のあたりにある，大きな矢印のついたキー です．エンターキーと書いてある場合もあります)を押します．
  • Return キーを押すことにより，dateというコマンドが計算機に送られます．
• dateコマンドの実行例

  % date 1999年03月12日 (金) 18時05分07秒 JST %

• calコマンド
  • calは，カレンダを表示するコマンドです．

  1999年 4月 日 月 火 水 木 金 土 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 %

• calコマンドの使い方
  • ``% cal 月 年''で，いつのカレンダでも出すことができます．
  • 例えば，% cal 3 2000と実行すると，2000年3月のカレンダが 表示されます．
  • calに対して，3や2000はこのコマンドの引数といいます．

1.11 練習問題(3)

• 1-3. 自分の生まれた月のカレンダーをcalコマンドを使って出してみて， 自分の生年月日が何曜日か確認してみましょう．
• 1-4. 1752年9月のカレンダーをcalコマンドを使って出してみましょう． 何か変ですね? どうしてでしょう? 百科辞典等で調べてみましょう!

1.12 タイピング練習

• タイピング練習ソフトウェアについて
  • 「TUTタッチタイピング」と「裕美子先生」の2つのソフトウェアが用意 されています．
  • 前者は豊橋技術科学大学で開発されたものです．
  • 後者はオムロン(株)でもともと開発されたものを許可を得て 慶應大学湘南藤沢キャンパスで変更を加えたものです．
• 正しい練習のポイント
  • 手を見ないで打つ．
  • そのために，指使いを一定にする．
  • 打っている文字を意識しながら，手を動かす．
  • キーボードは手を見ずに使っていれば，自然に上達します．
  • 上達すると，単語のつづりを意識しないで，指が自動的に動くようになります．
  • 「裕美子先生」では得点が表示されます． 60点とれて手を見ないで打てるようになったら先に進みましょう．
• 「TUTタッチタイピング」の起動

  % tuttt

  login して，マウスを使って適当なウインドウにカーソルを 移動させてから，tuttt と入力します． これ以後は画面の指示に従って練習を進められます．
• 「裕美子先生」の起動

  % yumiko

  と入力します．これ以後は画面の指示に従って練習を進められます．

1.13 練習問題(4)

• 1-5. tutttあるいはyumikoを使ってタイピングの練習をしてみま しょう．

1.14 宿題

1. CNSガイドを購入し， ウインドウの操作に関するところを読んでおきましょう．
2. タッチタイピングの練習をしておきましょう．