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今週は,レポートの作成で用いる文書処理システムである 日本語LaTeXについて勉強します.
LATEX
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7. 1 文書処理とは 7. 2 LaTeXの処理の流れ 7. 3 xdvi をずっと動かしておく 7. 4 ソースファイルの書き方 7. 5 空白とコメント 7. 6 書体と大きさの変更 7. 7 章,節の見出し 7. 8 箇条書き 7. 9 行揃え 7.10 タイトル 7.11 特殊記号 7.12 エラーが起こったら 7.13 練習問題 7.14 Mule の LaTeX モード 7.15 宿題
これまで,テキストエディタを使って電子メールや電子ニュースの内容を 書いてきましたが,レポートを書く場合,テキストエディタでは文字の大きさ を変更したり,箇条書きを行ったり,タイトルをうまく書いたりすることがで きません.そのため,レポートなどの文章を書く場合には,文書処理システム(document processing system)を用い ます.文書処理システムには,大きく2種類あります.
\documentclass{jarticle} \begin{document} Hello, world. \end{document} |
% platex test.tex This is pTeX, Version p2.1.5, based on TeX, Version 3.14159 (JIS) (Web2c 7.0) (test.tex pLaTeX2e <1997/07/02>+1 (based on LaTeX2e <1996/12/01> patch level 0) (/usr/local/share/texmf/tex/platex/base/jarticle.cls Document Class: jarticle 1998/10/13 v1.1n Standard pLaTeX class (/usr/local/share/texmf/tex/platex/base/jsize10.clo)) No file test.aux. [1] (test.aux) ) Output written on test.dvi (1 page, 232 bytes). Transcript written on test.log. % |
% xdvi test.dvi |
% dvi2ps test.dvi | lpr -Pnps15 @(#)dvi2ps (j-version) 2.0j [/usr/local/lib/dvi2ps/dvi2.ps] [/usr/local/lib/dvi2ps/fonts/ascfix-m.ps] Prescanning . Reading font info . [1] % |
プレビューを行うとき, xdvi コマンドをいちいち起動するのは面倒 なので,一回起動したらそれをずっと使うようにすることができます.
% xdvi test.dvi & |
上のように,最後に「&」をつけて実行する 仕事をバックグラウンドジョブ(background job) と呼びます.それに対して,「&」をつけな いで実行する仕事をフォアグラウンドジョブ (foreground job)と呼びます.
フォアグラウンドジョブでコマンドを実行すると,その端末ウィンドウでの入
出力は,そのコマンドが占有します.ls や
more のようなコマンドに向いています.それに
対して,バックグラウンドジョブで実行すると,入出力をすぐに次のコマンド
へ明け渡します.mule や xdvi のような独自のウィンドウを開くコマンド,ある
いは実行に長い時間のかかるコマンド(ただし,結果は端末ウィンドウに出さ
ずに,ファイルに保存するように指定しないと,次のコマンドの結果と混ざっ
てしまいます)に向いています.
LaTeX でのマークアップは主として制御語
(control word)によって表します.これは「\」の後に単語をつけたものです.
注意
注意 ソースファイルの構成は次のようになっています.
7.4 ソースファイルの書き方
\documentclass[クラスオプション]{文書クラス} プリアンブル \begin{document} 本文 \end{document} |
ソースファイルの中の空白と改行は,単語を区切る役目しかしません.どんな 書き方をしても,LaTeX は指定された幅に均等に詰まるように自動的に配置し ます.
文字と文字の間に余分に空白をあけたいときは, 「\ 」(バックスラッシュの後に空白)と書きます. 行と行の間に余分に空白をあけたいときは,次の制御語を使います.
空行(改行だけの行)は,段落の切れ目を表します.
「%」があると,そこから行末まではコメントと
して無視されます.書いた文章の一部を一時的に消したい場合などに使えます.
書体を変更するには次の制御語を使います.
文字の大きさを変更するには次の制御語を使います.大きさは基本の文字の大
きさに対して相対的になっています.クラスオプションで文字の大きさを変更
していなければ,\normalsize が 10pt です.
7.6 書体と大きさの変更
本文の中に上の制御語があると,その直後の文字から後は指定された書体また
は大きさになります.一部分だけ変更したいときは,次のように「{}」で囲んで,有効範囲を制限すると便利です.
普通の文字 {\Huge 大きな文字} 普通の文字 |
箇条書きをするためには,項目をいくつか並べなければなりません.各項目は \item で指定し,全体を\begin{itemize} と \end{itemize} で囲みます.
\begin{itemize} \item xxxx \item yyyy \item zzzz \end{itemize} |
番号つきの箇条書きにするためには,itemize 環 境の代わりに enumerate 環境を使います.
\begin{enumerate} \item xxxx \item yyyy \item zzzz \end{enumerate} |
通常の文章は,両端揃えになるように適切なところで改行が行われます. 違った揃え方をするには,次のような環境を使います.
文書にタイトルを付けるには,\maketitleを使い ます.
\documentclass[12pt]{jarticle} \title{情報処理Ia \LaTeX 練習} \author{学部名 1年 学籍番号 氏名} \date{\today} \begin{document} \maketitle \section{はじめに} --- 一言,何か書く --- \section{本文のタイトル} --- 何か本文を書く --- \section{おわりに} --- 一言,何か書く --- \end{document} |
LaTeX のマークアップに使っている, \,{,},%などの特殊記号は, そのままでは出力することができません. このためには,
\verb|\| \verb|{| \verb|}| \verb|%| |
また,文章の広い範囲をそのまま出力するには,
\begin{verbatim} --- 文章など --- \end{verbatim} |
platex コマンドで文章を処理していると, エラーを発見して入力を待つ状態になることがあります.
% platex tes.tex This is pTeX, Version p2.1.5, based on TeX, Version 3.14159 (JIS) (Web2c 7.0) ! I can't find file `tes'. <*> tes.tex Please type another input file name: |
% platex test.tex This is pTeX, Version p2.1.5, based on TeX, Version 3.14159 (JIS) (Web2c 7.0) (test.tex pLaTeX2e <1997/07/02>+1 (based on LaTeX2e <1996/12/01> patch level 0) (/usr/local/share/texmf/tex/platex/base/jarticle.cls Document Class: jarticle 1998/10/13 v1.1n Standard pLaTeX class (/usr/local/share/texmf/tex/platex/base/jsize10.clo)) (test.aux) ! LaTeX Error: \begin{document} ended by \end{documen}. See the LaTeX manual or LaTeX Companion for explanation. Type H |
% platex test.tex This is pTeX, Version p2.1.5, based on TeX, Version 3.14159 (JIS) (Web2c 7.0) (test.tex pLaTeX2e <1997/07/02>+1 (based on LaTeX2e <1996/12/01> patch level 0) (/usr/local/share/texmf/tex/platex/base/jarticle.cls Document Class: jarticle 1998/10/13 v1.1n Standard pLaTeX class (/usr/local/share/texmf/tex/platex/base/jsize10.clo)) (test.aux)) * |
LaTeXのエラーを取り除く練習をしてみましょう. 下のコマンドを実行すると, 間違いを3箇所含んだerr.texというソースファイルがコピーされます.
% cp /pub/sfc/ipl/1a/exercise/err.tex . |
(autoload 'yatex-mode "yatex") (setq auto-mode-alist (cons '("\\.tex\\'" . yatex-mode) auto-mode-alist)) |
~/.emacs を編集している状態で M-x
eval-current-buffer を実行すると,mule を起動し直さなくても設定
が有効になります.これは,そのバッファの内容を emacs lisp プログラムと
して実行せよという意味です.
やてふが有効な状態でファイル名に .tex が付いたファイルを編集 すると,モードラインに「やてふ」と表示され,やてふの機能が使えるように なります.