Mobile × Fieldwork × Art

モバイル機器は、電話の系譜上にある「コミュニケーションの道具」としての側面のみならず、 望遠鏡や顕微鏡の系譜上にある「観測の道具」という側面を持ちあわせています。 そして、それを「いつでも、どこにでも」持ち歩き、「移動しながら」使うことができます。

デジタルカメラ、GPS、ボイスレコーダ、センサ、植物・・・・・、さまざまなものを日常持ち歩きながら データを蓄積することにより、物理世界を移動しながらの内部観測が可能になりました。 これは従来の社会学的フィールドワークを補完する、自然科学的フィールドワーク(および博物学) の新たな展開を生み出しつつあります。

私たちは、そうした移動観測の結果を単に「再現-視覚化する」のみならず、集めたデータをもとに 創意工夫を凝らして「編集-表現する」ことを促す、アプリケーション・ソフトウェアやプラットフォームの開発を進めています。

是非、私たちのソフトをダウンロードし、皆さんの生活世界での移動経験に基づく、独自の「表現」を作り出して いただけたらと考えています。歩く動物である私たちの身体をフル活用し、地球を動き回る。 そこに立ち現れる複眼的な環境世界を、「表現」を介して相互理解することに貢献できたら幸いです。

田中浩也 (慶應義塾大学環境情報学部専任講師、2007年 5月)

Projects

  • PhotoWalker™ - Walking Photographs

    2001-2003
    デジタル写真をもとに擬似3次元ウォークスルーを表現するソフトウェア。
    主な受賞に
    インタラクティブシステムとソフトウェア(WISS)最優秀発表賞 (2001)
    経済産業省未踏ソフトウェア開発事業採択、天才プログラマー・スーパークリエイター賞 (2003)
    日本芸術科学会DIVA奨励賞 (2003)
    日本GIS学会ソフトウェア賞 (2006)
  • GeoWalker™ - Footworking The World

    2004-2007
    GPSと万歩計をもとに「2足歩行」の身体的ダイナミクスを表現するソフトウェア。
    主な受賞に
    日本バーチャルリアリティー学会仮想都市研究会年間最優秀賞 (2006)
  • PlantWalker™ - Feeling Hybrid Nature

    2007-
    現在開発中。