モバイル機器は、電話の系譜上にある「コミュニケーションの道具」としての側面のみならず、 望遠鏡や顕微鏡の系譜上にある「観測の道具」という側面を持ちあわせています。 そして、それを「いつでも、どこにでも」持ち歩き、「移動しながら」使うことができます。
デジタルカメラ、GPS、ボイスレコーダ、センサ、植物・・・・・、さまざまなものを日常持ち歩きながら データを蓄積することにより、物理世界を移動しながらの内部観測が可能になりました。 これは従来の社会学的フィールドワークを補完する、自然科学的フィールドワーク(および博物学) の新たな展開を生み出しつつあります。
私たちは、そうした移動観測の結果を単に「再現-視覚化する」のみならず、集めたデータをもとに 創意工夫を凝らして「編集-表現する」ことを促す、アプリケーション・ソフトウェアやプラットフォームの開発を進めています。
是非、私たちのソフトをダウンロードし、皆さんの生活世界での移動経験に基づく、独自の「表現」を作り出して いただけたらと考えています。歩く動物である私たちの身体をフル活用し、地球を動き回る。 そこに立ち現れる複眼的な環境世界を、「表現」を介して相互理解することに貢献できたら幸いです。