■はじめに 〜「街を歩くように写真を見よう」
コンパクトなデジタルカメラやカメラつきケータイがかつてないほど日常化した今、皆さんはどうやって撮った写真を整理・編集しているでしょうか?
PhotoWalkerは、「写真を空間的につないで、まるで歩いているかのように鑑賞する」ためのソフトウェアです。
カメラとは、気になった風景やモノを「ショット」して使うモノです。
そのショットをつないで、写真のネットワークを作っていく。
そうすると、 まるでそのときに体験した空間までもを、もう1度再構成することができるのです。
インターネットの普及に伴い、「ホームページ」を「リンク」させるという、WWW(World Wide Web)の世界が広がりました。WWWは巨大な「文書のネットワーク」です。
PhotoWalkerは、貴方の撮った写真(ホームフォト)を「リンク」で繋いで、仮想空間を作るためのソフトウェアです。ここで実現されるのは、 「写真のネットワーク」なのです。
「写真」として断片化され、記録された世界。
その断片を繋ぎ合わせて、もう1度、もうひとつ別の世界を構成してみませんか?
貴方が街を歩きながら写真を撮った、その体験・その記録がそこに再生されることでしょう。
基本的な編集方法は、「2つの写真の組に映っている共通のモノや場所を、四角で囲んで繋ぎ合わせる」だけです。
このようにすると、現実の世界を再構成することができます。
百聞は一見にしかず。代表的なサンプルコンテンツはこちらに公開しています。もっとたくさんのサンプルはこちらから選択してください。
もちろん、「共通のモノや場所」がなくても、関連するモノや場所どうしを繋ぎ合わせてもかまいません。
このようにすると、まさに異空間・あなたの記憶が空間的に再生されることでしょう。
美術には、「フォトコラージュ」という手法があります。写真を、平面のキャンバスの上で次々に貼り合せて行くものです。
その見方で言うと、PhotoWalkerは、写真を、奥行きを持った3次元のキャンバスの中で貼り合せて行くものなのです。
その編集方法は、最終的には貴方しだい。個人の日記代わりに使うもよし。芸術的な作品を作ることもできるでしょう。
PhotoWalkerでは、製作した「写真のネットワークをWeb上に公開する」こともできます。
世界へ向けて、貴方が経験し、再構成した「空間」を発信してみましょう。
また別の誰かが、その空間を見て、新たなコミュニケーションが生まれはじめることでしょう。
PhotoWalkerに慣れてくると、日常的に写真を撮るときから、周りの空間や景色に意識が向かうようになります。
そう、みなさんには「街を歩きながら写真を撮ってほしい」のです。
いつもデジタルカメラを持ち歩いて、呼吸するように自然にシャッターを切る。
そのように積み重ねてきた写真を、PhotoWalkerでリンクしていくことで、ばらばらの写真がひとつながりになり、ストーリーを生み出していきます。
その結果、「街を歩くように写真を見る」 「見せる」ことができるわけです。
写真の新たな楽しみの発見のために、写真の新しい編集方法のために、このソフトウェアが活用されることを願っています。
2003年4月吉日