立教大学 社会学部

経済情報論

2003年度後期 金曜日2限
担当: 井庭 崇 (iba@tvr.rikkyo.ne.jp)

シラバス

単位 2単位


【ねらい・授業内容】

「経済」という言葉から、何が連想されるだろうか?GDPや失業率といった経済 指標、あるいは市場メカニズムといった経済学の概念かもしれない。しかし、こ こで考えたいのは、その背後にある「経済を動かす力」と、それを支える「仕組 み」である。一人ひとりが主体的に考え、行動し、他者とコミュニケートする ------このような社会的視点で経済を捉え直すと、知識の創造や学習、コラボレ ーションによる価値創造、信用の社会ネットワークなどの情報的側面が浮かび上 がってくる。本講義では、経済社会の現在と未来を読み解くための新しい視点を 身につけることを目指す。


【授業計画】

以下の内容を取り上げる予定である。

−自律分散型の社会システム  
−複雑系という捉え方  
−学習する組織と知識創造  
−プロデュース・ワーク  
−リアリティの生成と共感  
−情報と関係性の編集  
−進化プロセスによる適応と革新  
−デザイン・パターンによる設計  
−非線形におけるカオスとフラクタル  
−シミュレーションによる社会理解  
−ビジネスアーキテクチャとモジュール化  
−オープンソース型開発  
−地域通貨とコミュニティ


【成績評価方法】

平常点(授業各回へのフィードバックコメント、およびミニレポート)。

 

【教科書】

●井庭崇, 福原義久, 『複雑系入門: 知のフロンティアへの冒険』, NTT出版, 1998 (1800円)

【参考書】

授業中に適宜紹介する。


(C) 2003, Takashi Iba