慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
授業概要(シラバス)
2004年度秋学期
2004年度秋学期 金曜日1時限
科目コード: 41120 / 2単位
カテゴリ: 25.クラスター-共通基盤-ナレッジスキル科目(学部)
1.研究領域科目−共通基盤科目(大学院)
開講場所:SFC
授業形態:講義・演習/実習
1. 主題と目標/授業の手法など
近年、不確実性を伴う現象に対し、確率的な推論を行うモデリング手法が注目を浴びています。そのなかでも、本講義では「ベイジアンネットワーク」と「隠れマルコフモデル」を取り上げます。
「ベイジアンネットワーク」は、定性的な因果関係のネットワークと定量的な確率が組み合わさったモデルで、事象の結果から原因を推定できるという特徴があります。このモデルは、機械学習、データマイニング、ユーザーモデリング、ロボティクス、ゲノム解析、医療診断、故障診断、意思決定支援システムなど、幅広い分野に応用されています。
「隠れマルコフモデル」は、事象の発生過程を状態遷移ネットワークを用いて統計的に予測するモデルで、観測可能なデータからその現象の背後にある隠れた構造を推定することができます。このモデルは、最も成功をおさめた音声認識の他に、ゲノム解析や顔の認識研究などに応用されています。
本講義では、これらの先端的な手法の基本的な考え方と、さまざまな分野での応用事例を紹介します。また、ベイジアンネットワークの構築ソフトウェアを用いて、実際に演習を行います。最終的な目標としては、実際に自分の問題領域で利用できるようになることを目指します。
2. 教材・参考文献
指定のものはありません。参考文献は、授業中に適宜紹介します。
3. 授業計画
第1回 イントロダクション
第2回 ベイズ確率
第3回 ベイズ推論
第4回 ベイジアンネットワーク (1)
第5回 講演
第6回 ベイジアンネットワーク (2)
第7回 ベイジアンネットワーク (3)
第8回 ベイジアンネットワーク演習 (1)
第9回 ベイジアンネットワーク演習 (2)
第10回 講演
第11回 隠れマルコフモデル (1)
第12回 隠れマルコフモデル (2)
第13回 隠れマルコフモデル (3) +総括
4. 提出課題・試験・成績評価の方法など
授業の進捗にあわせて、授業内の課題や、授業後の宿題を出すことがあります。
最終レポートは、次の2つのテーマのどちらかを選択して行ってもらう予定です。
(テーマ1) 自分の関心のある分野に対して、ベイジアンネットワークまたは隠れマルコフモデルを適用してください。
(テーマ2) 先行研究のサーベイを行い、それらの研究についてまとめてください。
5. 履修上の注意・その他
※授業に休むと授業についていけなくなるので、欠席しないようにしてください。
※使用するソフトウェアはキャンパスライセンスを取得しているので、個人で購入する必要はありません。
※授業スケジュールは、進捗に合わせて、順序や内容を一部変更することがあります。
6. 前提となる知識(科目名等)
特になし
7. 履修者数制限(予定人数および制限方法)
履修人数を制限する。
受入学生数(予定):約 80 人
選抜方法と時期:
人数が超過した場合には、初回の授業時に、履修希望の理由を書いてもらいます。
8. 授業URL
http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/lecture/2004/sfc-exp/
9. 学生が準備するソフト・機材
ノート型パソコン
10. 授業に関する連絡先
iba@sfc.keio.ac.jp
2004-09-05 00:50:10