【英語で読む!講座】 Imagined Worlds (科学の未来)

2008.12.19 Friday 10:32
井庭 崇



"There are two kinds of scientific revolutions, those driven by new tools and those driven by new concepts."(p.49)
「科学革命には二つの種類がある。新しい道具によって推し進められるものと、新しい概念によって推し進められるものだ。」(邦訳 p.49)

"The effect of a concept-driven revolution is to explain old things in new ways. The effect of a tool-driven revolution is to discover new things that have to be explained."(p.50)
「概念によって推し進められた革命の効果は、昔ながらの物事を新しい仕方で説明することにある。道具によって推し進められた革命の効果は、説明すべき新しい物事を発見することにある。」(邦訳 p.50)

"scientific revolution"は、言うまでもなく「科学革命」。科学者たちの拠って立つ「パラダイム」(paradigm)が変化すること。

ダイソンによると、"scientific revolution"には、"concept-driven"のものと、"tool-driven"のものがあるというわけだ。邦訳書では、「概念によって推し進められる革命」や「道具によって推し進められる革命」と訳されているが、僕は短く「概念による科学革命」と「道具による科学革命」と訳すことにしたい。もちろん "-driven" なので、「?による」は「?によって推し進められる」というニュアンス。

"-driven"という言い方で僕が思い出すのが、ソフトウェア分野の"Event-Driven ?"(イベントドリブン?, イベント駆動?)や"Model-Driven Architecture"(モデル駆動アーキテクチャ)など。「駆動」と訳されることが多いが、「○○ドリブン」というふうに言うことも多い。

さて、話を戻すと、科学革命というので有名なのは、科学哲学者のトーマス・クーン(Thomas Kuhn)。クーンのいう科学革命はどう位置づけられるのだろうか。

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