井庭研B2(社会システム理論)は、どういう人に来てほしいのか

2011.01.17 Monday 23:19
井庭 崇




この各人のテーマを研究しながら、井庭研2では、共通フレームとして「社会システム理論」の理解を深める。

各人の問題意識にもとづいて個人研究を進める際、どうやって考えればいいのかという「型」が必要になるだろう。考えるための「方法」や「枠組み」といってもいい。しかも、これまでの研究でやられてきたものとは異なるアプローチがしたい。そのような新しい発想の型として、ニクラス・ルーマンの社会システム理論を学ぶ。

ニクラス・ルーマンの社会システム理論については、僕が毎年春学期に「社会システム理論」という授業で解説している。この授業を取ったことがある人は、さらにその知識を深めるということになる。もしまだ履修していないのであれば、来学期、同時並行で履修してもらう。

あらかじめ言っておくが、ルーマンの理論は、とても難解だ。「これまでに出会ったことがないような難しさ」と聞いてイメージするものの10倍以上難しい。現実の複雑さの原理を捉えるために、理論そのものの複雑さが従来の理論よりも劇的に増しているからだ。しかも、そのシステム理論が、想像力をフルに求められるような、新しいシステム理論にもとづいている。だから、生半可な努力では、理解することができない。

このような超難解な理論であるからこそ、逆にその発想を身につけてしまえば、他の人とは異なる見方で物事を見ることができるという旨味もある。このような超難解な理論にめげずにアタックし続けるためにも、上に書いたような「研究への情熱」が持てるような問題意識が不可欠なのだ。

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