地震の規模と頻度の法則から、大地震の発生可能性について考える(1)

2011.03.28 Monday 22:30
井庭 崇



ここで注目に値するのは、マグニチュードが大きくなっても、(理論上は)確率は完全に0にはならないという点である。つまり、かなり大きな地震はごく稀にしか起きないが、起きないことはない、ということである。わずかでも起こる可能性はある。大地震は忘れたころにやってくる、と言われるが、まさに、この「起きにくさ」が防災の意識や対策・準備を怠りがちな理由であろう。かなり大きな地震も、ごく稀にだが起きる ――― この点は、決して忘れてはならない。

(つづく)

※公開当初は、独自のデータ分析の結果も掲載していましたが、データに不備があったため、続きは、後日再度アップします。すみません。


Refenreces
●『複雑系入門:知のフロンティアへの冒険』(井庭 崇, 福原 義久, NTT出版, 1998)
以前この本で、グーテンベルク・リヒター則とべき乗則の簡単な説明をした。

●『歴史は「べき乗則」で動く:種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学』(マーク・ブキャナン, ハヤカワ文庫NF, 早川書房, 2009)[Mark Buchanan, Ubiquity: Why Catastrophes Happen, 200/2002]
地震の事例も含め、べき乗則をめぐる研究者たちの探究を紹介している。べき乗則になる地震モデルについての紹介もある。

●『地震予知の最新科学』(佃 為成, サイエンスアイ新書, ソフトバンククリエイティブ, 2007)
地震が発生する仕組みや、規模と頻度の関係などについての解説がある。

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