「パターンランゲージ 3.0:新しい対象×新しい使い方×新しい作り方」(1)

2012.02.22 Wednesday 23:24
井庭 崇



2. パターンランゲージの進化

パターンランゲージの進化をわかりやすく捉えるために,本稿ではその進化を3つの段階に分けることを提案する.Alexanderによってパターンランゲージの考えと方法が提案された段階を「パターンランゲージ 1.0」,その後ソフトウェアの領域に輸入・展開された段階を「パターンランゲージ 2.0」,そして,現在,私たちが取り組んでいる新しい段階を「パターンランゲージ 3.0」と呼ぶことにする.この1.0から3.0という段階は,断絶的な移行を意味するのではなく,段階が進むごとに新しい特徴が加わっていく加算的な発展だと考えてほしい(図-1).


image[PatternEvolutionStairs_JP_New_New420.jpg]
図-1 パターンランゲージの進化


本稿では,パターンランゲージの進化の各段階の特徴を捉えるために,3つの視点から考察する.その3つの視点とは,「パターンランゲージが支援するデザインの対象」,「パターンランゲージの使い方」,「パターンランゲージの作り方」である.パターンランゲージの進化の3段階と3つの視点による特徴をまとめると,図-2のようになる.以下では,この表の内容に沿って,パターンランゲージ3.0における「新しい対象」,「新しい使い方」,「新しい作り方」を論ずることにしたい(なお,この表の各セル(特徴)は同じ段階の他のセルと結びつくことでその特徴をフルに発揮するが,斜め上下の組合せでも用いることもできる).

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