【予告】HCD講演「パターン・ランゲージによる経験のマイニングと共有」

2012.05.07 Monday 10:09
井庭 崇


2012年5月19日(土)に、HCD(Human-Centered Design:人間中心設計)のHCD-Netフォーラムで招待講演を行います。この講演のなかで、ラーニング・パターンとプレゼンテーション・パターンを用いた対話ワークショップも行います。


「パターン・ランゲージによる経験のマイニングと共有」
井庭 崇(慶應義塾大学 総合政策学部 准教授)

各人がもつ暗黙的な実践知を、いかにして共有することができるのか? この問いに実践的に答えようとしているのが、「パターン・ランゲージ」による知識記述の研究です。パターン・ランゲージでは、どのような状況(Context)のときに、どのような問題(Problem)が生じやすく、それをどのように解決すればよいのか(Solution)の「パターン」が記述されます。ここで記述されるのは、単なるノウハウではなく、物事を見る視点と発想です。

ここで目指されているのは、暗黙的で実践知を完全に「ことば」で記述し尽くすことではありません。そんなことは到底不可能です。このことは、物や振る舞いを表す「ことば」が、物や振る舞い「そのもの」ではないのと同様です。パターン・ランゲージも実践知そのものではなく、それを指し示すためのインデックスにすぎません。それでも、パターン・ランゲージとして実践知を指し示す「ことば」をつくり共有することで、不可視の実践知をイメージしやすくし、他者と共有する道がひらけるのです。

パターン・ランゲージは、これまで「ユーザー参加型のデザイン」や「熟達者の視点・発想を学ぶ」ためのメディアとして用いられてきましたが、本講演では「多様な経験を掘り起こし、コミュニケーションの俎上に載せる」ためのメディアとして捉え直します。そして、そのメディアを活かした取り組みや、パターン・ランゲージの制作プロセスにも言及します。

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