ルール/制度/やり方の再設計のメディアとしてのパターン・ランゲージ

2012.06.09 Saturday 21:46
井庭 崇



それが、僕の考える(組織/コミュニティ/社会 における)「これまでの ルール/制度/やり方/こだわり を踏まえて再設計するための方法論」としてのパターン・ランゲージということ。


なお、これまでの話は、誰かが意図的に設計したもの(ルールや制度など)でなくても、自然発生的にそうなったもの(文化)も対象となり得る。つまり、結果としてうまくいっているから共有され、残ってきたものでも構わないということ。

そういった(組織/コミュニティ/社会)の「文化」についても、それがどのような機能を果たしているのか、ということを考えることで、パターン・ランゲージとして書くことができるはず。

建築家であり、アレグザンダーに師事した中埜博さんも、ルース・ベネディクトの『菊と刀』はパターン・ランゲージ的である、と言っている(パターン・ランゲージの形式やパターン名がついていないのでパターン・ランゲージではないが)。そして、パターン・ランゲージは、文化を記述するのに適している、とも。

このように、誰かが意図的に設計したものであっても、自生的に形成され残ってきたものであれ、パターン・ランゲージとして書き起すことができ、それらを並べて、今後どのように行くべきかを考える(再設計する)ことができるのではないか。


これらはすべて仮説だけれども、現在、動き始めているいくつかのプロジェクトで、このような発想の取り組みをし始めているので、そこでの実践を踏まえて、さらに考えていきたい。

このような発想は、現場との共同研究のための話し合いで生まれてきた。そして、あちこちで似たような感触を感じる。今後も、いろんな人と、話し、考え、つくっていきたい。

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