発想言語(アブダクション・ランゲージ)の基本形式

2012.06.16 Saturday 16:59
井庭 崇




このような形式がよいと考えたのには、これまでの僕らのパターン・ランゲージ制作の経験が関係している。

発想の仕方というのは、パターン・ランゲージの形式(context、problem、solution)では書きにくいのだ。というのは、発想の仕方で「こうするとよい」というのは、何かの問題を解決しているのではなく、ただそうするといいことがある、という経験則に過ぎないからである。そのため、発想の仕方について、無理矢理にパターン・ランゲージ形式でProblemを書こうとすると、とても嘘っぽいパターンになってしまう。そのような経験を何度もして、Probemを中心とするようなデザイン(問題発見・解決)の形式ではない記述形式の必要性を感じていた。

そこで、今回その代替案として、上記のような形式を考えてみたというわけだ。

なお、基本形式が変わることで、それら主要要素にぶら下がっている付加要素も、再編成されることになるだろう。例えば、パターン・ランゲージではProblemに付随していたForces(問題を生じさせている力)は、発想言語では、Consequenceにつけることにしたい。「Clueに従うとConsequenceを生む」ということを可能とする諸力を明らかにするのが、ConsequenceにおけるForcesだ。

このような「発想言語」というものも、パターン・ランゲージ同様、どんどん書いていきたい。

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