クリエイティブ・メディア(創造的メディア, creative media)とは

2012.06.16 Saturday 22:18
井庭 崇


僕がパターン・ランゲージ制作で取り組んでいるのは、それがクリエイティブ・メディアをつくるということだからである。

クリエイティブ・メディアという言葉は、ソーシャル・メディアのように、数年後には一般的な言葉になると、僕は考えている。それは、僕の好きな言葉 "The best way to predict the future is to invent it."(Alan Kay)にあるように、自分がそうするという意味も含んでいる。


では、「クリエイティブ・メディア」とは何か。ここでは、作業定義として、以下のような定義を与えておくことにしたい。

クリエイティブ・メディア(創造的メディア, creative media)・・・人々の創造性を刺激し、誘発し、拡張するメディアの総称。エンパワーされるのは、個人のみならず、組織、社会も含む。上記の機能を果たせば、実装形態は問わない(言語、方法、ソフトウェア、装置など)。


パターン・ランゲージは、コミュニケーション・メディアであるとともにクリエイティブ・メディアでもある。デザインの実践知(発想・こだわり・知恵)が、相互に関係するモジュールとして記述されており、それらが、そのドメインでのデザインを支援する。人々をクリエイティブにするランゲージなのだ。

僕にとっては、パーソナル・ファブリケーションの装置たち(とそれにまつわる思想と方法)もクリエイティブ・メディアである。それがあることによって、創造性が刺激・誘発・拡張される。しかも、FabLabという場も同様にクリエイティブ・メディアとして機能している。


ここでいう「クリエイティブ・メディア」は、僕の「創造システム理論」(Creative Systems Theory)で言うならば、「発見メディア」(discovery media)とほぼ同義である。これは、ソーシャル・メディアはコミュニケション・メディアであるというのに似ている。

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