ライティング・パターン「流れのチェック」(Water-Flow Check)

2012.06.16 Saturday 22:54
井庭 崇



もちろん、この著者から読者への切り替えは、慣れないうちは難しい。最初のうちは、時間的に切断してしまうといい。プリントアウトされるまで待つ時間にも意味がある。あるいは、トイレに行く、コーヒーを入れる、軽くストレッチをするなどして、著者としての集中状態から一度離れる。

もうひとつのコツは、プリントアウトしたものを手に持ち、ぶつぶつ声に出して読む。そうすると、部分のつながりではなく、必ず言葉のレベルでの移動を余儀なくされる。しかも、言葉の音のリズムもチェックできる。

このようなチェックをするとき、僕は立って部屋のなかや廊下をぶらぶらしながらやることが多い。読者モードへの身体的な転換の方法である。論文執筆時は、座ってパソコンに向かうという姿勢が長くなるので、違う体勢になるという意味でもおすすめである。(僕が研究室で論文の赤入れをしているとき、プリントアウトした原稿とペンをもってどこかに行ってしまうのは、このため。廊下にいることが多い。)

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