井庭研における論文執筆の"三種の神器"

2012.06.28 Thursday 23:14
井庭 崇



さらに、『創造的論文の書き方』にあって、他の本ではまず書かれていない内容もある。それは、「止めの打ち方」。つまり、論文の締めくくり、「おわりに」の書き方だ。「過度の一般化」(オーバー・ジェネラリゼーション)ではなく、「自分が何の一部だったのかを書く」という指摘は、とても重要だ。

というわけで、おすすめの1冊目は、『創造的論文の書き方』(伊丹敬之, 有斐閣, 2001)である。学生を指導しているなかでよく生じている問題・難しさを踏まえて書かれている感じがする。学生はもちろん、教員も、学ぶところが多いのではないだろうか。


2.『「超」文章法』(野口 悠紀夫)

image[book2.jpg]2冊目は、『「超」文章法:伝えたいことをどう書くか』(野口悠紀夫, 中公新書, 2002)である。この本は、僕らは全部ではなく、いつも一部しか読まないのだけれども、そこにとても重要なことが書いてある。メッセージとは何か、そして、面白いか/ためになるか、という基準の話。

『「超」文章法』のp.10に書いてある、次の部分は、いつもハッとさせられる。「仕事を効率的に進めるには、書類の整理をうまく行う必要がある。」というのは、メッセージになっていないのであり、「書類は、内容別に分類するのではなく、時間順に並べるのがよい。」となってこそメッセージだ、と。

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