「認識のメガネ」としてのパターン・ランゲージ ? メガネをかける、メガネをつくる

2012.12.04 Tuesday 09:31
井庭 崇



それ自体が複雑ではなく、前提知識・スキルが求められず、使っているうちに体化していく道具。思考とコミュニケーションと創造を支援する道具。それが僕にとってのパターン・ランゲージだ。


ことあるごとに語っているが、僕は社会の時代変化を3つのCで表して捉えている。

Consumption(消費社会)→ Communication(情報社会)→ Creation(創造社会)

現在私たちは情報社会から創造社会(Creative Society)に移行しつつある。この創造社会の実現に向けての方法・道具として、僕が取り組んでいるのが、パターン・ランゲージ。僕のなかで、これと同じ方向性を向いている研究・活動が、FabLabだと思っている。ものづくりの観点から、創造社会の実現に向かっているのだ。

メガネといっても、認識の「メガネ」ではなく、実際のモノの眼鏡をつくることができちゃうのが、FabLab。装置の民主化を進めることで、誰でもモノをつくることができるようになる。モノの世界はFabLabがやってくれるので任せることにして、僕がやりたいのは、認識のメガネづくりの民主化。パターン・ランゲージという「ことば」をつくり、認識を生み出し、思考とコミュニケーションと創造を支援する。体得し、消えてゆくメディアとしてのパターン・ランゲージ。


先月、井庭研パターン・ランゲージ3部作と位置づけた、ラーニング・パターンプレゼンテーション・パターンコラボレーション・パターンのうち、最後のコラボレーション・パターンが完成した。3部作すべてをあわせると108個のパターンがあり、僕はこれらが創造社会に生きる人にとっての基本スキルとなると考えている。5年越しでようやくミッションを達成した。しかも、僕が最初のパターン・ランゲージ(モデル・パターン)を書いてから10年が経った。10年則というのはやはりあるようで、10年やってきたからこそ見えてきたこともたくさんある。

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