パターン・ランゲージは、現状を肯定しながら少しずつ成長することを支援する

2012.12.06 Thursday 23:44
井庭 崇



 最近、僕らがパターンを書くときには、そのパターンが対象をうまく「記述」できているかだけでなく、そのパターンが「生成的」(generative)であるかを気にするようになった。今回のPLoP(パターン・ランゲージの国際学会)におけるRichard Gabriel や Jenny Quillienたちのアドバイスもその点だった。パターンが生成的(generative)であるというのは、ただの「記述」でしかないパターンが、その「いきいきとした全体」を生み出す/復元することができる力をもっているということだ。ただの記述では何も生じないが、生成力がある記述は、実際の生成につながりやすい。それでは、どうすればパターンが生成的(generative)になるのかと問われると、それはまだよくわかっていない、というのが現状だと思う。それを僕らも探究しているし、今後もつくりながら/教えながら、模索していくことになる。


 パターン・ランゲージの考え方って、全体を要素還元せずにそのまま理解しようとする「複雑系image[]」や、「つくって理解する」という「構成的アプローチ」、社会をシステムとしてまるごと捉えようとするオートポイエーシスの「社会システム理論image[]

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