応急処置的な社会から、自己革新的で創造的な社会へ

2013.04.16 Tuesday 16:53
井庭 崇




このような理由で、新しいものを「つくる」ことや、既存のものを「つくり直す」ことへの道が封じられることになる。抜本的な改革は先送りされ、応急処置的にパッチを当てて、なんとかその場をしのぐということになる。

個々人にとっても、心のどこかで、「まあ、たしかに現存のものでも、まだなんとかなる」という気持ちがあり、何か大きなアクションに移そうという気も起きない。こうして、不満や違和感を感じながらも、時間だけが過ぎていく。


このまま行くと、私たちの未来はどうなってしまうのだろうか。

当然、古い制度・仕組みにがんじがらめになったまま、そこから抜け出せないという未来が見えてくる。しかも、現在の仕組みをつくった世代が引退すれば、当然後に残るのは、自分たちの社会・組織を「つくったことがない世代」である。こうして、社会・組織から「つくる能力・経験」の喪失が起きてしまうと、そこから抜け出すことはより一層難しくなる。

なんとか低空飛行を続けることができるかもしれないが、社会的破綻へと至る可能性も否定できない。


私たちは、そのようなシナリオとは別の未来を生きることはできないのだろうか?


こういうとき、いつも私の頭をよぎるのは、アラン・ケイの次の言葉である。

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