SFC生なら読んでおきたい10冊の本 ― 創造的であり続けるために (1)

2014.01.19 Sunday 10:10
井庭 崇



この対談で僕らは「新しい時代のリアリティをとらえるためには、新しい分析装置が必要だ」ということを語っているのですが、特にSFC生には、このことをしっかり考えてほしいと思っています。

熊坂先生はこう言います。「社会学者の多くが、若い研究者も含めて、新しい分析装置の必要性についてわかっていないというか、やりたくないというか、相変わらず昔ながらのことをやり続けている。……僕が三〇年前にしていたことをいまだにやっていると聞くと、明らかに違うぞ、と思う。これだけ時代が変化したのに、それを解析するツールに変化がないのは、素朴におかしいと思うべきです」と。そして、「新しいものだけが有効な分析装置だとは言わないけれども、そこを十分にわかったうえで、新しい時代に合うかたちの新しい分析装置を持つ必要があると思います」と言います。

その流れで、熊坂先生はインターネット上の情報を分析するための方法・道具を構築した話、僕が創造を支援するメディアとしてパターン・ランゲージに取り組んでいる話へとつながっていきます。これらはあくまでも僕らの時代ですが、みんなにとっての「新しい時代のリアリティをとらえるための新しい分析装置」とは何かを考えてほしい。そして、おそらくそれは未だない新しいものであるだろうから、そのような「新しい分析装置」を自分たちでつくっていってほしい。SFCはそれができるキャンパスであり、歓迎されるカルチャーだと思います。

なお、第2章のほかにも第1章「社会を変える知と方法」(宮台真司×井庭崇 対談)も読んでみてほしい。インターディシプリナリ(分野横断的)トランスディシプリナリ(超領域的)な研究の意義と難しさの両面が語られています。また第3章「情報社会のゆくえ」(公文俊平×井庭崇 対談)では、情報社会のこれまでとこれからについて語られているので、この章も学ぶことが多いのではないかと思います。

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