パターン・ランゲージの授業(1)

2008.01.09 Wednesday 01:45
井庭 崇


 この授業で注目する「パターンランゲージ」は、創造・実践のための言語というべきものです。かつて、建築家のクリストファー・アレグザンダーは、建物や街の形態に繰り返し現れる関係性をパターンとしてまとめました。そして、そのパターンランゲージを用いれば、住人たちが自分たちの住む建物の建設や街づくりに参加できるようになる、と考えました。その後、この考え方はソフトウェア開発の分野に応用され、成功を収めています。
 パターンランゲージを記述し、共有することの意義は、大きく分けて二つあります。一つは、熟練者の経験則を明文化しているので、初心者であってもよりよい方法で創造や実践ができるようになるということです。もう一つは、共通の語彙を提供することが出来るので、これまで直接指し示すことが出来なかった物事について言及できるようになるということです。組織においてもオープンなコミュニティにおいても、創造や実践のノウハウをどのように共有・継承していくのかということは、いまだ解決されていない重要な問題であり、そのための手法として「パターンランゲージ」は大きな可能性をもっているのです。
 この授業では、パターンランゲージの考え方を、創造的コラボレーションや社会デザイン、ものづくりなど、これまで適用されてこなかった分野に応用することを考えます。学期の後半には、実際に、グループワークによって新しいパターンランゲージの作成を試みます。そして、各グループが作成したパターンを持ち寄り、クラス全体でひとつの体系をつくりあげたいと思います。今年度のテーマは、「創造性を発揮する」ためのノウハウです。ひらめきという偶然的な出来事を誘発するための必然的なプロセスについて、一緒に考えていきましょう。

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