アマルティア・センのケイパビリティ・アプローチとパターン・ランゲージ

2014.05.04 Sunday 15:45
井庭 崇



そして、そのアプローチが求めるのは、二〇世紀を通じて行われてきた「『倫理学』と『経済学』と『政治学』とを区画することをやめ」ることなのである。

事実/価値の二分法を超えるということについて、パトナムはより明示的に次のように指摘する。「センと彼の仲間や追随者たちが潜在能力について語るときに使用する語句―『価値ある機能』『個人が然るべき【理由があって】価値があると見なす機能』『十分に食物が与えられていること』『【早】死』『自尊心』『共同体生活に参加できること』―のほとんどいずれもが、絡み合った語句」であるという。絡み合ったというのは、事実と価値が絡み合っているという意味である。

そして、そのようなセンの立脚点を「価値づけと事実を『確かめる』こととは相互依存的活動であると主張する立脚点」だというわけである。

パターン・ランゲージがいかなる意味で、価値と事実の二元論では捉えられないことをしようとしているのか、ということについては、また次のときに書いてみたいと思う。


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