Creative Reading:『形の発見』(内田義彦)

2014.12.27 Saturday 21:53
井庭 崇



そして、もう一つ考えたのは、パターン・ランゲージが創造的に機能するということはどういうことか、ということだ。上述の考え方でいうならば、共有されたパターンのひとつひとつを取捨選択して取り入れるというようなことではなく、すべて受け入れて実践した先に、自分なりのパターンが見えてくる、というのが本当のところなのではないだろうか。これは、井庭研メンバーを見ていても感じる。とにかく、ラーニング・パターンにせよ、プレゼンテーション・パターンにせよ、コラボレーション・パターンにせよ、すべてまるごと受け入れて実践している人の方が、最終敵にはそれらを超えて個性的で創造的な「自分なりのパターン」をつかんでいるように思える。最初から取り入れるときに取捨選択してそのレベルにとどまっていると、伸び悩んでしまう。

形を追究し、全面的にそこに没入していくことで、内容がかたちになり、結果として新しいものが生み出される。実に興味深いことである。

image[KatachinoHakken220.jpg] 『形の発見』(内田 義彦, 藤原書店, 改訂新版, 2013)image[]

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