Creative Reading:『探求の共同体』(マシュー・リップマン)

2014.12.30 Tuesday 00:28
井庭 崇


マシュー・リップマンの『探求の共同体:考えるための教室』image[]を読んだ。

本書のテーマは「探求の共同体」であり、「教室を探求の共同体に変える」ということについて論じられている。

「教室を探求の共同体に変える」ことは、いかにして可能なのか。リップマンは、「あるときには紙と鉛筆で練習問題を繰り返し、次には自由に遊ばせるといった、厳格な時間と無計画な時間とを交代して行うだけでは解決は訪れない」という。そうではなく、「計画性と創造性の両方を育むような方法を発見すること」が重要だと指摘する。つまり、教科学習と総合的なプロジェクト学習を交代して行うのでは、だめだというわけである。

ジョン・デューイが述べたように 「反省的に考える習慣を作る【方法】は、【興味】を引き起こし、興味を導く【条件】を整えることにある。つまり、経験されたものの間に連関を作り出すことである。それが、未来のさまざまな場面で【示唆】を促し、考えの連続に【連関】を与える問題と目標を作る」 のである。連続性を欠くカリキュラムは、経験の連続性をなんとか学ぼうとしている子どもたちにとっては、なんの模範にもならない。子どもは何が起きているのかを知る鋭い感覚を持っている。しかし、自分で物事を連続的にとらえる方法を、いつも理解できているわけではない。(p.12)


ここでリップマンは、物語のような教科書の重要性を指摘するが、僕の実践でいうならば、それこそが井庭研で行っている研究(探究)プロジェクトということになる。実際に何かを「つくる」ことを通じて学ぶという、「つくることによる学び」の実践である。

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