Creative Reading:『探求の共同体』(マシュー・リップマン)

2014.12.30 Tuesday 00:28
井庭 崇



このようにパターン・ランゲージは、創造的な思考を支援する。しかしながら、パターン・ランゲージを創造性とは逆方向に捉える人が少なからずいる。つまり、「パターンに縛られる」という感覚をもつ人がいるのである。それがなぜなのかを考えるとき、本書の以下の部分は参考になる。

こうした問題解決のための思考の手続きは日常の私たちの実践の中から取り出された【記述的】なものであるが、それが一旦科学的な探求と結びつけられるやいなや、【規範的】なものとなり、いつも間には【このようである/このようであった】から【このようでなければならない】への移行が起こる。(p.41)


パターン・ランゲージは、紹介・導入の仕方を考えなければ、いつもこの問題が生じる。何かのパターン・ランゲージを読んだとき ――― 例えばラーニング・パターンを読んだとき ――― この通りにしなければならないと感じる人は、「パターン・ランゲージが創造性を支援する」ということは信じられないだろう。むしろ、強制的に枠にはめられるような印象をもつかもしれない。ヒントであると捉えられなければ、パターン・ランゲージは「はめられる型」だと捉えられてしまう。その点は、紹介・導入の際にかなり気をつけなければならない。相当に注意をした方がよい。

パターン・ランゲージ、特に、人間行為のデザインを支援するパターン・ランゲージ3.0は、自らの行為を「組み立てる」ことを可能とする。つまり、複数のパターンを操作可能にし、暗黙的に行っている行為を捉え直し(反省的に考える)、自らの行為を自ら選択して実践することを可能にする。

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