Creative Reading:『探求の共同体』(マシュー・リップマン)

2014.12.30 Tuesday 00:28
井庭 崇



リップマンがデューイを取り上げて語る、以下の部分は、まさにパターン・ランゲージが目指していることと重なっている。

『思考の方法』の中で、デューイは単なる思考と反省的思考と呼びうるものとを区別している。反省的思考という言葉によって、デューイは、自らの原因や帰結に対して意識的であるような思考を指し示している。ある考えがどこからやってきたか ――― まさにこの条件のもと、その考えは思考となりうること ――― を知ることによって、私たちは知的硬直から解放されるのであり、知的な自由の源泉であるところの代替可能な選択肢の中から選択を行い、それに基づいて行動する力を得るのである。(p.42-43)


パターン・ランゲージの個々のパターンは、「知的な自由の源泉であるところの代替可能な選択肢」なのであり、それらのパターンを活用することで「行動する力を得る」のである。そして、「状況」「問題」「解決」「結果」を示唆するパターンによって、「自らの原因や帰結に対して意識的であるような思考」を可能とし、人びとが「知的硬直から解放される」ことを支援するのである。

そのためにもやはり、既存のパターンを使うのではなく、自らもパターンをつくり、パターン・ランゲージ群の創造の連鎖に入ることが本質的に重要となるのではないだろうか。

[7] << [9] >>
-
-


<< 2014年8〜12月活動記録
2014年に庭で栽培した野菜と果物 >>
[0] [top]


[Serene Bach 2.20R]