瞑想とオープンダイアローグ:ティク・ナット・ハン『ブッダ「愛」の瞑想』を読んで

2018.03.09 Friday 09:41
井庭 崇



そこで、瞑想によって、その苦しみに向き合い、ほぐしていくということが推奨されるわけである。一人では、なかなか難しいので、瞑想の仲間である「サンガ」とともに。このとき、フィンランドのセイックラさんたちなら、「(オープンダイアローグの)ミーティングをしよう」となるのだろう。

これまでセラピーでは、つらいことそのものを語ると強化されてしまうので、なるべくその話題には触れないようにしてきたという。これに対してオープンダイアローグでは、みんなで一緒にその苦しみに向き合っていく。瞑想が一人の心的システムと身体とのカップリングで行うとすると、オープダイアローグは、それに対話というコミュニケーション・システムがカップリングするのである。オープン・ダイアローグがなぜ効くのか、ということは、この瞑想の話と結びつけて理解していくと、最も大切な対話の本質部分の理解がしやすくなるかもしれない。

この本は、薄い本であるが、「呼吸の瞑想」というものがどういうものかということが、非常にわかりやすく書かれていて、上記のような興味・関心が重なる人が、マインドフルネスに関して最初に読む本としておすすめできるのではないかと思う。

坐って行う瞑想だけでなく、日常生活のなかの歩くときの瞑想や水を飲みながらの瞑想など、いま・ここの自分に本当の意味で「気づく」(マインドフルネス)ということの意味がとてもわかりやすい。それに関連して、おっと思う箇所がったので、最後に引用しよう。

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