自ら「つくる」ことで経済から離れる「卒 資本主義」への創造社会ヴィジョン

2020.12.04 Friday 14:08
井庭 崇




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まず、私たちが日常生活において経済から離れられない・依存してしまうのは、衣・食・住とエネルギーが経済的な調達によって得ているからであろう。つまり、経済に参加しないと、住むところ、着るもの、食べるもの、そして生活上必要となるエネルギーが調達できず、暮らせない・生きていけないのだ。だからこそ、私たちは日々働いてお金を稼ぎ、それで物やサービスを買うということしているわけで、それを止められない理由である。

科学システムや法システム、政治システム、芸術システムや宗教システムなどには、必ずしも参加しなくても生きていくことはできる(より精神的に豊かになるということはあっても、それらに参加しないと生存し続けることができない、というわけでは必ずしもない)。これに対し、一機能システムでしかないはずの経済システムは、人が暮らす・生きるためにべったりと寄り添いながら生きていくしかないという状態になっているのだ。経済から離れられない理由、資本主義を止められない理由は、衣食住やエネルギーを経済システムに依存して調達しているというところにある。

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