2021年春学期 井庭研「ナチュラルにクリエイティブに生きる未来に向けて」シラバス

2021.01.27 Wednesday 17:07
井庭 崇



この「新しい学問」を構築では、単に、既存学問同士を結びつけるというような「学際的」(インター・ディシプリナリー:inter-disciplinary)なものにはとどまりません。いろいろな学問領域を横断し、それらを超越して研究するという「超領域的」(トランス・ディシプリナリー:trans-disciplinary)な研究になります。つまり、すでに有効だと知っている方法や知識の「合わせ技」で戦うというのではなく、そもそもの根本から再考し、自分たちの方法や道具を自分たちでつくっていく必要があるのです。

科学哲学者のトーマス・クーンは、パラダイムシフトが起きるような状況では、哲学に立ち戻ってそこから考えるということが重要になると述べました。「危機が認められる時代には、科学者たちは自らの分野の謎を解明する手段として、哲学的分析に立ち向かうことがある」(トーマス・クーン『科学革命の構造』)。同じように、井庭研では、ときに哲学にまで立ち戻り、自分たちの考えや方法を再構築するということをしています。そしてさらに、哲学のみならず、社会学、人類学、認知科学、心理学、教育学、建築学、デザイン論、芸術論、美学、数学、文学、経営学、思想史などを必要に応じて縦横無尽に飛び込み、学び、取り入れていきます。しかも、西洋の学問だけでなく、東洋哲学・思想とも積極的に関わり、西洋と東洋の知を融合させたこれからの学問をつくっていこうとしています。

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