2021年春学期 井庭研「ナチュラルにクリエイティブに生きる未来に向けて」シラバス
2021.01.27 Wednesday 17:07
井庭 崇
これまで井庭研では、仕事、教育、暮らし、生き方などのさまざまな分野のパターン・ランゲージをつくってきました。それらのパターン・ランゲージは、いろいろな分野の実践上のコツ・大切なことを共有するための実践支援のために活用されています(実践を支える言語)。また、パターン・ランゲージを用いると、自らの経験や未来について語り合うことができるようになることもわかっています(コミュニケーションのメディア)。さらに、他者の実践・事例を見たときに、何をしてどういう効果が出ているのかを分節化して把握しやすくもなります(認識の眼鏡)。本プロジェクトでは、このような効果をもつパターン・ランゲージを、国内外の諸地域の人々のエンパワーに活かしていくことを試みます。例えば、フィリピンの若者の支援として、現地の関係者や支援者と協力し合いながら、これまで井庭研でつくってきたパターンのなかから重要なパターンのセットをつくり、現地語で提供し、活用するための伴走を行います(パターン・ランゲージ・リミックスと伴走型支援)。その実践のなかで、人々のケイパビリティ(潜在能力)を高める、新しい開発援助(発達・発展の支援)のかたちを構築していきます。本プロジェクトでは、海外だけでなく、日本の地方の高校生のエンパワーメントなどにも取り組みたいと思っています。
(6) パターン・ランゲージを活用した高齢者ケア実践の研修デザイン
高齢者ケアの分野では、現場での実践のなかで多くのことが学ばれていますが、そのような現場での学びにおいて、どのようによりよいケア・介護について意識・経験を豊かにしていくことができるでしょうか? 本研究プロジェクトでは、パターン・ランゲージを用いた対話や実践支援による新しいアプローチを開発し、実践導入していきます。具体的には、井庭研でこれまでに作成してきた「ともに生きることば:その人らしく生きるケアの実践」(仮)や『旅のことば:認知症とともによりよく生きるためのヒント』とともに、『対話のことば』や『コラボレーション・パターン』『おもてなしデザイン・パターン』など、井庭研で作成してきた様々なパターン・ランゲージを活用し、実際に介護施設等で研修を実施していきます。支援する側/支援される側という区分を超えて、自分たちの「ともに生きる」スタイルを育てていくことを促すことを目指します。
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