量子力学における「コト」的世界観と、オートポイエーシス

2008.07.08 Tuesday 23:55
井庭 崇



「ノードとリンクは、いったい、どこに存在するのでしょう? その答えは意味深長です。「どこ」という言葉は、空間というモノが存在してはじめて意味をもつのです。しかし、ノードとリンクは、その空間を紡ぎ出す抽象的な概念装置にすぎないのです。ですから、ノードとリンクは「どこにも存在しない」のです。「どこ」を問うことはできません。」(p.214)

空間が原初から存在するのでなく、二次的な概念である以上、空間のなかの位置を示す「どこ」という問いは不適切だということになる。この点は、論理的には理解できるが、感覚的には納得できないかもしれない。しかし、同じようなことが、オートポイエーシスの議論においても論じられているということは注目に値する。『オートポイエーシス:生命システムとはなにか』image[](H.R.マトゥラーナ, F.J.ヴァレラ, 国文社, 1991)の訳者 河本英夫さんの「解題」を、以下に引用することにしよう。

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