『社会を越える社会学』(ジョン・アーリ)

2008.07.24 Thursday 09:21
井庭 崇


image[Book-Ali.jpg]image[]井庭研の今学期最後の輪読文献は、ジョン・アーリの『社会を越える社会学』だった。井関さんの論文から始まり、『リキッド・モダニティ』image[]などの社会論、メディア論、複雑系、量子力学の文献を読んできた今学期の総まとめとなるような文献だ。

ジョン・アーリ, 『社会を越える社会学:移動・環境・シチズンシップ』image[], 法政大学出版局, 2006


この本では、「移動」(モビリティ)という観点から、グローバリゼーション時代における新しい社会学のパラダイムの提唱が試みられている。特に「国民国家」内における「社会」を主な研究対象としていた従来の社会学に対し、より流動的で移動がベースとなった捉え方をしていこうという。その意味で、(国民国家内における)「社会」を越える社会学、というわけだ。

「本書のねらいは、二十一世紀における一つの「学問分野」としての社会学に必要とされる研究カテゴリーを発展させることにある。本書は、ヒト、モノ、イメージ、情報、廃棄物の多種多様な移動について検討し、これらの移動相互の複雑な依存関係や、その社会的な帰結を研究対象にする〔新たな〕社会学の宣言をおこなう。」(p.1)

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