『ゼロ年代の想像力』(宇野常寛)

2008.07.28 Monday 23:50
井庭 崇


image[book-zero.jpg]image[]若手評論家 宇野常寛さんの『ゼロ年代の想像力』を読んだ。

『ゼロ年代の想像力』image[](宇野常寛, 早川書房, 2008)

具体的な物語のところは飛ばし飛ばし読んだものの、一気に最後まで読んだ。文章もしっかりしていて読みやすく、期待の若手という感じだ。最近の批評と違って、僕でも知っている有名な漫画やドラマが取り上げられているので、その意味でも身近に感じた。

僕は、個人や社会のもつ「想像力」に興味がある。いま書いている本にも想像力に関するものがあるので、書店でこの本を見たとき、まずタイトルに惹かれて手に取ってみた。すると、いきなり最初から、日本における批評の現状を鋭利な言葉でぶった切っていた。これはただごとではないな、と思った。

「残念だが、二〇〇一年以降の世界の変化に対応した文化批評は国内には存在していない。それは現在、批評家と呼ばれるような人々が、この二〇〇一年以降の世界の変化に対応することができずに、もう十年近く、国内の『批評』は更新されずに、放置されていたのだ。」(p.12)

「端的に本書の目的を説明しておく。まずは九〇年代の亡霊を祓い、亡霊たちを速やかに退場させること。次にゼロ年代の『いま』と正しく向き合うこと。そして最後に来るべき一〇年代の想像力のあり方を考えることである。」(p.12)


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