高校時代の映像作品
(1989年, 1990年)
はじめて映像制作に関わったのは、高校1年生のときに文化祭用にビデオ映画をつくることになったときです。そのとき作ったのは典型的な学園もの。その経験が忘れられず、高校2年生でもまた、文化祭では映画をつくりました。今度は、大好きな映画のパロディです(当時パート2・3が公開されたことから世の中的にも話題になっていた)。どちらも、いまでは懐かしすぎる作品です。
Back To The Future (Tama Version)
[神奈川県立 多摩高校 文化祭, 1990年]
【あらすじ】 高校の近くにある薄汚い本屋「大学堂」。その秘密めいた建物の2階には、何かが隠されている―――そんなうわさが高校で広まっていた。そんなある日、マーティーは大学堂の2階に忍び込むことに成功する。散らかった部屋の中には、「タイムマシン」と書かれた設計図や改造自転車があった。マーティーがそれを試乗しようとした直後、目の前で大学堂の主人ドクが何物かに殺されてしまう。わけもわからないまま、カーチェイスを繰りひろげた後、突然、1年前にタイムスリップしてしまう。しかも、高校受験を控えた1年前の自分を怪我をさせてしまったことから、本来行くはずの高校から自分の存在が消えてしまうことに。マーティーはなすすべもなく、1年前のドクに助けを求めにいく。マーティーは、過去の自分を無事高校に入学させ、未来へ帰ることができるのか?そして、ドクの命運は? (VHS, 30分)
【メイキング】 クラスメイトの家からVHSのビデオカメラを借り、ビデオデッキを2台つないでの編集。当時はアナログ編集だし、編集機なんてないので、「再生!」「えい!録画!」っと2台を操り、ダビングしていくのです。アフレコ機能なんて便利なものはないので、ダビングの際に、音声入力端子にラジカセの出力端子をつなげて音楽を載せていきました。困ったのが、音楽と声が同時に必要なシーン。この場合には、部屋に音楽を流しながら、セリフをしゃべり、それを録音してから載せていきました。空気媒体の合成! いま考えると、ものすごい苦労して編集していたなぁ。まあ、そんなローテクでがんばったのも楽しい思い出です。道路に燃料用アルコールで線を引き、タイムスリップの際の炎の線をつくったりしましたよ。あとは、当時はまだ運転免許をもっていないので、自転車と自動車のカーチェイスは、元担任の先生にお願いして撮影したりしました。最後の方のシーンで高校に雷が落ちるシーンがあるのですが、一度8ミリフィルムで撮影した後ひとコマずつ傷をつけて雷のアニメーションを作成したり、パソコンでタイムマシンの表示パネルの作ったり、となかなかテクニカルなことにも挑戦しました。
ちなみに、奇妙の本屋「大学堂」は実在し、その主人(これまた不思議な方)に実際に出演をお願いしました(アクションシーンなどは私がスタントマンをやりましたが)。そんなこともまた高校内で話題となった理由の一つになり、その年の文化祭で一番人気の企画になりました。
多魔から殺し
[神奈川県立 多摩高校 文化祭, 1989年]
【あらすじ】 宿直で学校に泊まっていた担任の教員と飲み会を開いた夜、理科室で殺人事件が起こった。見回りの際にその第一発見者になった担任は、飲み会のことがあったためかいまだ証言をしていないようなのだ。このままでは先生が殺人犯扱いされてしまう。そう考えた主人公たちは、なんとか真犯人をつきとめようと手がかりを集めはじめる。そしてようやく重要な証拠を手に入れたころ、仲間の一人が誘拐されてしまう。手に入れた証拠と人質を交換しようというのだ。そして、真犯人の潜むプレハブに乗り込みに行くことに・・・。(VHS, 45分)
(C) 1989, 1990, Takashi Iba