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2005年07月09日
情報フロンティア研究会
情報フロンティア研究会の報告書(というかそれをめぐる報道)をめぐって騒動が起こって、「週末にでもきちんとお返事しなくちゃ」と思っていたら、あれよあれよといううちに、フィードバックがかかって、何だかタイミングを失してしまいました。
関連したブログ記事はいっぱいありすぎて...
申し訳なかったのは、きびしい時に総務省の内藤さんだけに矢面に立っていただく形になってしまったことです。事務局に作文していただいた報告書といえども座長がOKを出さないと出ないものなので、内容についての責任は座長にあります。
中身については、(実際には一部に逆風が吹いているので)ネットの自由と自律分散協調原理をしっかり守りながら、新しい分散的な技術を活用するトーンにしていただいたつもりでした。そのような報告書を進んで用意し、総務省内を通していただいた内藤さんには敬意を持っています。
起こってしまった混乱の根は、自律分散協調型のシステムをきちんと動かすために必要なオープン性と(広義の)セキュリティを利用者の自律的(共同体的)な秩序形成で担保しようという思想が、少なくとも一部のマスコミの方のご理解を超えていたところにあったように推測しています。(一部の方は背後にマスコミの恐ろしい陰謀があるように書いていらっしゃいますが、そこまで悪意があるようには受け取っていません。)
いずれにせよ我々が議論したこととは、まるきり逆のことを書いてあるように報道されてしまったのには、いささかびっくりしました。でも、すぐにいろいろな方が記事と実際の報告書との大きな違いに気付いて下さって、修正を入れて下さったことに感謝しております。
批判の矛先がそれてほっとしている場合ではなく、反省しなければいけない点もあるように思っております。確かに初等教育の場に新たなコミュニケーションの道具を導入するには、かなり多面的な検討が必要です。自律分散協調の作法を若いうちから、体得していただくのは、大事だと今でも思っておりますが、実際やる場合には確かにきっちりインプリしないと危ないですね。大学の仲間からも叱られてしまいました。
ちなみに、わたくしめはホームページもブログも実名で通してまいりましたし、写真もメールアドレスも公開してまいりました。実名でどんな意見表明をしても、危険を感じることなどない世の中が来て欲しいと願っておりますが、同時に今の日本で、それがどれほど危なくて面倒なものであるかは、(今回も含めて)身にしみてよくわかっております。よって匿名で意見表明をしたい方の自由は守られるべきだとも信じております。
投稿者 jkokuryo : 2005年07月09日 23:45
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