[補足]

「統計はこうしてウソをつく」(ジョエル=ベスト、白揚社)より

1.活動家と当局

【銃によって殺される子供の数】「米国では、1950年以来、年毎に倍増している。」これによると1995年には35兆の子供が殺されたことになる。出展「1950年の倍である」(1994年版児童現状年報)、しかし人口も75%増加していた。

【売春について】改革論者「1833年、ニューヨークでは1万人以上」「1866年、メソジスト信者より多い(1万千人から1万2千人)」。警察発表「1223人」

【ホームレスについて】活動家「300万人」。レーガン「30万人」

【インターネットで誘拐】「毎年3000人」

【反タバコ】「タバコで毎年40万人が死んでいる」

【飢餓】「3100万人が飢餓に直面している」

2.誘導

「あなたは違法な銃販売を取り締まることに賛成ですか」対「誰が銃を所持してよく、誰が銃を所持していけないかを決める権限を警察に与える法律に賛成ですか、反対ですか」

UFOに誘拐されたというひとたちの発言から5つの徴候を尋ね、4つ以上の徴候を報告する者は誘拐されたと結論する。

3.よい統計の特徴

1)よい統計は当て推量以上のものに基づいている。

2)よい統計ははっきりした妥当な定義に基づいている。

3)よい統計ははっきりした妥当な計測方法に基づいている。

4)よい統計はよい標本に基づいている。

 

[文献]

「統計はこうしてウソをつく」ジョエル・ベスト、白揚社

「統計でウソをつく法」ダレル・ハフ、高木秀玄、講談社ブルーバックス

「日本の経済格差」橘木俊詔、岩波新書

「日本の数学」小倉金之助、岩波新書

「塵劫記」吉田光由、岩波文庫

「文化史上より見たる日本の数学」三上義夫、岩波文庫

「日本の数学――何題解けますか?」深川英俊、森北出版