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<title>山本純一の視点</title>
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<copyright>Copyright (c) 2009, J.Yamamoto</copyright>
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<title>謹賀新年　2009</title>
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<summary type="text/plain"> あけましておめでとうございます 昨年は1月にタンザニア、2月、3月にメキシコ、...</summary>
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<name>J.Yamamoto</name>
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<![CDATA[<p><img alt="jyamamoto1.jpg" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/jyamamoto1.jpg" width="199" height="300" /></p>

<p><strong>あけましておめでとうございます</strong></p>

<p>昨年は1月にタンザニア、2月、3月にメキシコ、9月にインド、11月にまたメキシコと、めまぐるしい一年でした。でもその結果、メキシコ先住民マヤの人々が作ったコーヒーを米国と日本で販売するためのお手伝いができました。写真のコーヒーはまだそれではありませんが、いずれ皆様のお近くでもメキシコ・チアパスの香りのするコーヒーを提供できればと思います。<br />
さらに今年は、メキシコと日本に、生産者と連帯したフェアトレード・コーヒーショップを作る第一歩を踏み出したいと考えています。実現には多くの困難が伴うと思いますが、「自我作古」（我よりいにしえをなす）のパイオニア精神で立ち向かいます。</p>

<p>皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。　	　　2009年元旦<br />
</p>]]>

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<title>おいしいコーヒーの真実？</title>
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<modified>2008-08-05T04:50:05Z</modified>
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<summary type="text/plain">「わかりやすさの危険性」 　ひさしぶりに筆をとります。忙しい学期がやっと終わった...</summary>
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<name>J.Yamamoto</name>
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<email>llamame@sfc.keio.ac.jp</email>
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<dc:subject>フェアトレード</dc:subject>
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<![CDATA[<p><strong>「わかりやすさの危険性」</strong></p>

<p>　ひさしぶりに筆をとります。忙しい学期がやっと終わったこともありますが、コーヒーをめぐる問題を単純化した映画「おいしいコーヒーの真実」（2006年、マーク・フランシス、ニック・フランシス共同監督）が過大評価され、これを支援する側の宣伝についても大きな疑問がある、と考えるからです。もっとも、コーヒーのフェアトレードを研究、活動し始めた5年ほど前であれば私もこの映画に素直に共感したでしょうし、映画と支援者が主張する「コーヒー生産農家の取り分の少なさ」を授業やコラムで取り上げたこともあります…（今では「若気の至り」と反省しています）。</p>

<p>　この映画のエッセンスは「＜南＞の貧しい生産者と＜北＞の暴利を貪る大企業」という二分法にあります。その製作意図は、映画の冒頭、生産者にたいして「消費国ではコーヒー一杯がいくらか知っているか？」「君たちはいくらでコーヒーを売っているのか？」といった誘導尋問的な問いかけがあり、消費国（先進国）では1杯のコーヒーの値段が400円ほど、生産者の売値は１kg（80～100杯分のコーヒーになる）わずか40円にしからなないという「事実」が示され、最後のクレジットで、固有名詞をあげ、コーヒー輸入大企業に取材申し込みをしたが拒否されたというテロップが流されることで明らかです。</p>

<p>　零細な焙煎業者やコーヒーショップではなく、コーヒー大企業が（時と相場によっては）膨大な利益を上げていることを私も否定するつもりはありません。ただ問題は少なくとも三つあります。</p>

<p><br />
<strong>「世界を斜めに切り裂く必要性」</strong></p>

<p>　第一に、これはすでにジャン＝ピエール・ボリスが『コーヒー、カカオ、コメ、綿花、コショウの暗黒物語』（作品社）で指摘していることですが、「多国籍企業などの外国資本だけが諸悪の根源であるとするような問題の単純化は、あまりにも安易であり、構造の全体像を捉えていないと思われる。・・・諸悪の根源のすべてが多国籍企業・国際金融機関だけにあるわけではない。生産国側の能力不足、背任行為、当事者の怠慢、国や地方レベルでの結束力欠如といったことも、じつは深刻な問題要因なのである」（10～11頁）という点です。映画の文脈に即して具体的に述べれば、不足している学校の建設は、コーヒーの貿易取引から生まれる利益をもとにするのではなく、本来は国が果たすべき責任です。アフリカの諸国家が腐敗し、大多数の貧困な農業生産者の利益を擁護していないことは、アフリカ研究者からよく聞くことです。ましてや、映画で強調しているように、WTOの会議で＜南＞側の代表者がその国民の利益を守るために奮闘しているという構図は、正しい事実の反映なのか、大いに疑問があります。他方、ピースウィンズジャパンと連携して東ティモールのコーヒーを販売し、現地の生産者との交流までも行っている（株）ゼンショーや、FLO(Fairtrade Labelling Organizations International)のラベル付き商品を扱っているイオン、スターバックスのような大企業のフェアトレードをどう評価するのか、という大問題があります（これらは多国籍企業ということで同列に扱うのではなく、個々に検討する必要があると私は考えています）。</p>

<p>　第二に、コーヒー1杯に占める生産者の取り分（1～3％）、輸出業者・地元の貿易会社の取り分（7％）、カフェ・小売業者・輸入業者の取り分（90％）を比較した宣伝方法（http://www.uplink.co.jp/oishiicoffee/を参照）の問題です。この点については、（株）オルタートレードジャパン（この映画の協賛団体でもあります）や（株）ゼンショーでコーヒーのフェアトレードを実際に手がけた川越貞夫氏が、「欺瞞的な輪切りの手法―不勉強なフェアトレード推進者による事例」として批判しています。その要点は以下のとおりです。</p>

<p>○　コーヒー農家は「コーヒー生豆生産者」である。<br />
○　コーヒー農家は輸入者ではない（為替変動リスクの負担、在庫資産管理、年間保管、金利負担、物流管理などを生豆生産者は行っていない） 。（文末の注参照）<br />
○　コーヒー農家はコーヒー販売市場におけるマーケティング、マーチャンダイジングを行っていない。<br />
○　コーヒー農家は商品開発、製造を担っていない（工場運営経費、労力、時間、減価償却は販売者の負担）。<br />
○　コーヒー農家は一杯の「コーヒー」提供販売に関わっていない（出店開業・店舗経営、メニュー開発、オペレーション提供など）。<br />
○ コーヒー農家の場合、生豆を輸出した時点でその「取引」は終了している。</p>

<p>　このカップ輪切り不公平図が正当な表現であるとするためには、コーヒー農家は、最終カップ１杯の販売にまで至るすべての「商品開発」「製造工程」「商物流」「販売行為」に直接参加していなければならない。</p>

<p>○　原産国で製造された商品形態が、ほぼ原型のまま（たとえば、バナナのように）輸出され、日本でもその商品形態のまま販売され、直接消費者がその品物を買う（手にする）場合には、「価格輪切り図」はまだ使える、が・・・<br />
○　消費地における生豆の輸入から、商品製造、商品販売にかかる経費と利益が大きいと問題視するなら、それは、消費地の「消費者」が、それらを問題視すべきであって、消費地のコーヒー産業構造そのものに、疑問なりを指摘する「消費者リテラシー」の問題である。<br />
○　この図示を作成した「フェアトレード推進家」「映画の支援者」は、<br />
・コーヒーの商物流・貿易に無知。<br />
・生産者はこの商品のどの部分までを担っているのか理解できていない。<br />
・商品特性変化に無知（生豆→焙煎豆、パッケージ商品化→液体、各段階でまったく別物に変化）。</p>

<p>　以上を要約すると、カップ提供されるコーヒーは、生豆を原料とするものの、それは別の商品であり、高度な技術力を要する焙煎や袋詰め（焙煎したら始まる豆の酸化・劣化を防止するための創意工夫）、抽出（おいしいコーヒーの淹れ方）、そして競争市場で収益を上げるために必要なマーケティングに関わる相応の対価を消費国側も要求する正当な権利があるということです。事実、アントニー・ワイルドは『コーヒーの真実』（白揚社）において、「コーヒーが消費者社会に完全に参加する一員となることを妨げていたおもな障害は、包装だった。生豆の形で流通させ、現地の食料品において少ない量を焙煎する必要がある限り、コーヒーがビッグビジネスのお気に入りへと発展できるはずがなかった。しかし、コーヒーの焙煎と包装にまつわる技術的な問題は、驚くほど解決がむずかしかった」（203頁）と、コーヒービジネスにおける消費国側の努力と貢献を認めています。この問題の本質は、（株）ナチュラルアート社長の鈴木誠氏が日本の農業問題にふれて指摘しているように（「朝日新聞」2008年7月26日付土曜版）、生産者が価格の決定権や交渉力をもたない点にあります。ということは、寡占市場を問題視するだけでなく、一方では、それに対抗するための組合づくりや生豆の高級化、独自の販売網づくり（フェアトレードもそのひとつ）、他方では、私が支援しているメキシコのNGOや協同組合が取り組んでいるように、生豆ではなく付加価値の高い焙煎豆を国内販売したり、自前のコーヒーショップをつくるような経営戦略が求められているのです。</p>

<p>　第三に、問題の背景となっているコーヒーの国際相場自体が回復していることです。つまり、この映画で批判的に取り上げられたニューヨークのコーヒー相場は、2002年の年平均53.38セント／ポンドから、2003年同61.90セント、2004年同76.02セント、2005年同107.27セント、2006年同107.70セント、2007年同117.28セントと上昇し、最近は136セント前後にまでなっているという事実です（映画および支援者は、上記公式HPを見る限り、この点にまったくふれないどころか、コーヒー危機の2002～03年、タンザニアのコーヒー農家の取り分はさらに降下し、喫茶店コーヒー価格の0.1％になったと、「時代錯誤」ともとれる主張をしています。http://www.uplink.co.jp/oishiicoffee/note.php）。他の物価も上昇しているかもしれませんが、このことは、コーヒー農家が受け取る収入もアップしている可能性が高いことを示しています。少なくとも私が知っているメキシコの生産者のkgあたりの収入は、映画づくりの動機となった2002年のコーヒー危機の時代に比べれば、組合をつくり、フェアトレードで販売するようになったこともあり、４倍以上になっています。私は、映画の舞台になったエチオピアの事情を知りませんので、どなたか教えていただければと思います。</p>

<p><br />
<strong>「正義感を一回疑え」</strong></p>

<p>　タイの児童買春と臓器売買という深刻な社会問題を扱った映画「闇の子供たち」を撮った坂本順治監督は「赤旗日曜版」（2008年7月27日号）のインタビューで次のように答えています。</p>

<p>（私の）映画作りのスタンスは、社会を「斜めに切り裂く」こと。<br />
「倫理観とか道徳とか正義感を一回疑うんです。ニュースや政治家の発言の裏には何があるのかと」。今作では登場人物の苦悩を通し、「あなたの中に同じような闇はないですか」と問いかけました。より良い道を進むために、社会も自分も常に疑おうと。「裏を探して光を当てるのが映画の作業だと思うんです」</p>

<p>　残念ながら、「おいしいコーヒーの真実」を撮った監督およびその支援者たちは、ナイーブな正義感に突き動かされるままで、「コーヒーの真実」の裏側には光が当てられなかったようです。坂本監督のもうひとつの言葉を援用すれば、世界のコーヒー問題を＜南＞と＜北＞という横には切り裂いたが、＜南＞と＜北＞、それぞれの問題の深部には踏み込めず（踏み込まず？）、世界を斜めに切り裂くことができなかったということです。自分自身のスタンスをも疑う冷徹な頭脳がないかぎり、断片的な事実をいくら積み重ねても「真実の裏」には迫れないことを示した映画だと、私は断じます。</p>

<p><br />
（注）<br />
映画の舞台となったエチオピアのコーヒー生豆ですが、日本への輸入時におけるサンプリング検査で規制基準値以上の殺虫剤が立て続けに検出されたため、現在、同コーヒー生豆については全品が検査対象となり、違反した生豆は日本では販売ができない状況にあります。このように輸入者は大きなリスクを負っていることも、われわれは理解しなければなりません（詳しくは、http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/05/h0509-6.html　参照）。他方、規制基準は「日本独自」のもので、欧米では問題となった農薬は焙煎後に消滅するため規制対象外という。問題は、エチオピアという最貧国の唯一といってもよい外貨獲得資源であるコーヒー生豆をこのように規制する国家政策にもあることを理解しなければならないでしょう。</p>]]>

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<title>キリマンジャロのふもと、ルカニ村にて</title>
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<modified>2008-02-15T03:15:22Z</modified>
<issued>2008-02-15T02:11:53Z</issued>
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<created>2008-02-15T02:11:53Z</created>
<summary type="text/plain"> （ルカニ村のコーヒー畑） SFCの生協ではタンザニア・ルカニ村のフェアトレード...</summary>
<author>
<name>J.Yamamoto</name>
<url>http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/</url>
<email>llamame@sfc.keio.ac.jp</email>
</author>
<dc:subject>フェアトレード</dc:subject>
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<![CDATA[<p><img alt="Lukani Coffee Trees.JPG" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/Lukani%20Coffee%20Trees.JPG" width="500" height="400" /><br />
（ルカニ村のコーヒー畑）</p>

<p>SFCの生協ではタンザニア・ルカニ村のフェアトレード・コーヒーを販売しています。これは、名古屋の齊藤コーヒー（株）副社長の岩田斉氏が国際産直という形で日本で初めて実現したルカニ村との取引で、私の仲介でSFCの生協にも置いてもらいました。その岩田さんがルカニを含むキリマンジャロ・コーヒーの生産者組合を訪問するというので、私も同行させてもらいました。１月末のことでした。</p>

<p>ルカニ村のコーヒー生産者は貧困だ、貧困だと聞いていたのですが、私には東ティモールやメキシコ・チアパスの生産者よりも豊かに見えました。訪れた生産者の家の床は土間ではなく、コンクリート製だし、電気もテレビもある。何よりも、家の周りにコーヒー畑があるのは驚きでした。チアパス高地では、多くの生産者が自宅から１時間以上も険しい山道を歩かないと、自分のコーヒー畑にたどりつかない厳しい現実があるからです。</p>

<p>さて、そのルカニ村では現在、中学校を建設中です（写真参照）。<br />
<img alt="Lukani High School under construction.JPG" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/Lukani%20High%20School%20under%20construction.JPG" width="500" height="400" /></p>

<p>一部はすでに完成しているのですが、まだ資金が足りません。（村に中学校を建設すること自体、チアパス高地では考えられないくらい「教育熱心」というか「豊か」なことです）　そこで、組合長は岩田さんにこう言いました。</p>

<p>「２年前に輸出したコーヒーの値段にはフェアトレードのプレミアムが付いていなかった。建設資金が足りないのでそのプレミアム分がほしい」<br />
岩田さんが「プレミアムを上乗せした価格で購入したはずだが」と返すと、<br />
「そうかもしれないが、いずれにしても、今の相場よりも安かった。その穴埋めをしてほしい。寄付をしてほしい」と譲りません。</p>

<p>私から見ると、かなり強引な物言いで、すでに終わっている取引の値段のことを蒸し返すのはいかがなものか、と思いました</p>

<p>ただ、生産者にも事情はあります。現在の相場が２年前よりも大幅に上昇しているのに、今年は不作で、肝心の売る豆がないのです。また、ここキリマンジャロでは、ヨーロッパ系のバイヤーがローカル市場（オークション）を牛耳っていて、そこで取引される価格は、岩田さんによると、品質から見てニューヨーク市場よりもかなり安い「お値打ち価格」とのことでした。だから生産者は、消費者により近い形での取引を望み、彼らはそれをフェアトレードと呼んでいるのです。</p>

<p>もっともフェアトレードのもうひとつの柱である「環境保全」についての意識は、チアパスよりも低いように感じました。有機栽培をするのは化学薬品が高いので買えないからだ、というのですから。FLO（国際的なフェアトレード認証機構）のラベルについては、賛否両論がありますが、私は、少なくとも生産者に対して「環境保全」の重要性を訴えたり、組合経営の効率化を目指すという意味では重要ではないかと考えています。私がフィールドとするチアパスでは、FLOの監査が毎年入ることによって、生産者の環境意識が高まり、経営計画を作るようになっているのを目の当たりにしているからです。</p>

<p>フェアトレードはチャリティではありません。"trade, not aid”という最初のスローガンにあるように、公正な取引を通じて、生産者が経済的に自立、豊かになることをめざす運動です。この点をしっかり理解していないと、フェアトレードがチャリティやチャリティトレードになりかねません。もっとも、私は緊急人道支援で必要なチャリティの重要性、必要性を否定しているのではありません。どうか誤解のないように。要は、いつかのコラムでも述べたように、「地獄への道は善意で舗装されている」という金言を、フェアトレード関係者は肝に銘ずるべきだということです。</p>

<p></p>

<p><br />
</p>]]>

</content>
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<title>支援をなくすための技術協力</title>
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/2008/01/post_14.html" />
<modified>2008-01-01T23:03:08Z</modified>
<issued>2008-01-01T22:21:29Z</issued>
<id>tag:web.sfc.keio.ac.jp,2008:/~llamame/viewpoint/2.35</id>
<created>2008-01-01T22:21:29Z</created>
<summary type="text/plain"> &quot; height=&quot;192&quot; /&gt; （建設中の一次加工施設） あけましておめで...</summary>
<author>
<name>J.Yamamoto</name>
<url>http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/</url>
<email>llamame@sfc.keio.ac.jp</email>
</author>
<dc:subject>JICA草の根技術協力</dc:subject>
<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/">
<![CDATA[<p><img alt="S6001965.JPG" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/S6001965/S6001965.JPG" width="256<br />
" height="192" /><br />
（建設中の一次加工施設）</p>

<p><strong>あけましておめでとうございます。</strong></p>

<p>昨年はメキシコに5回、東ティモールに1回。今年も1月はタンザニア、2月、3月にはまたメキシコに行きます。すべてコーヒーのフェアトレードの研究と実践のためです。この活動については、研究室ＨＰ（http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/FTP/index.php）のほか、関連授業をインタ―ネットで公開しています（http://gc.sfc.keio.ac.jp/class/2007_26709/slides/11/）。今後の目標は、メキシコと日本に、生産者と連帯したフェアトレード・コーヒーショップを作ることです。いつまでも夢を追い求める人生です。</p>

<p>さて、その夢の実現に向けて、JICAの草の根技術協力事業も最終段階に入ってきました。<br />
いつものように四半期ごとにＪＩＣAに提出する報告書を作成しましたので、貼付します。これでもおわかりのように、支援対象であるマヤビニックも、顧問のルイスに過度に依存しない体制づくりに着手するなど、徐々に自立度を高めています。ただし、最終的な自立のためには、１）損益分岐点である年産１００トン以上の生産・販売体制を長期的に確立すること、２）焙煎などの技術が組合員の間で移転される仕組みが構築すること、３）中長期的な経営計画を立案、実行できるだけの能力を身につけることが不可欠であり、そのためには四半期報告書でも少し言及したように、第２段階の技術協力が必要であり、ＦＴＰ自身もスタッフを充実させ、ＮＰＯ化したいと考えています。</p>

<p>今後ともご声援をお願いいたします。</p>

<p>（添付資料：草の根技術協力事業　２００７年第３四半期報告書）</p>

<p>1．対象国名・事業名	メキシコ国チアパス州チェナロー区マヤビニック生産者協同組合に対するコーヒー技術支援計画<br />
2．事業実施団体名	慶應義塾大学山本純一研究室フェアトレードプロジェクト<br />
3．事業実施期間	平成19年10月1日～平成19年12月25日</p>

<p>プロジェクト目標：マヤビニックのコーヒー生産・販売による現金収入向上の機会が創出される。</p>

<p><strong>●活動１</strong>　グループメンバーに対し、既存設備を使った果肉除去から乾燥までの一次工程に関する研修を行なう。研修にあたっては、グループメンバー自らの活動に対する動機付けを重視する。<br />
　1－1　当プロジェクトの技術顧問（川越貞夫）とグループメンバーとの間でお互いの意見交換・技術交換を行なう。これをもとに、どのようにしたら一次工程の効率化とパーチメント豆の品質改善を行なうことができるか、話し合う。<br />
　1－2　川越貞夫による、グループメンバーを対象とする果肉除去と乾燥方法に関する研修を行なう。<br />
　成果１：生産者の果肉除去・乾燥技術ならびにパーチメント豆の品質が向上する。<br />
　指標１：マヤビニックの高級豆であるGourmetタイプの豆の生産量が生産者一人当たり3割以上増加する（事業終了時）。</p>

<p><strong>●活動２</strong>　グループメンバーに対し、コーヒーの鑑定方法および等級に関する研修を行なう。<br />
　2－1　当プロジェクトの技術顧問（岩田斉）とグループメンバーとの間で「美味しいコーヒー」に関する意見交換を行なう。<br />
2－2　岩田斉がブラジルで習得したコーヒーの鑑定方法およびコーヒー豆の等級評価に関する研修を行なう。<br />
成果２：消費者が求め、高価格で購入する豆についての知識を生産者が得る。<br />
指標２：品質向上によって焙煎豆１kgあたりの平均販売単価が55ペソから60ペソに上昇するとともに、焙煎豆の売上高が3倍近くになる（事業終了時）。</p>

<p><strong>●活動３</strong>　グループメンバーが集まって作業できる果肉除去設備を１基建設する。設備の建設にあたっては、グループメンバーとよく話し合う。必要な土地はマヤビニックから提供される予定である。<br />
　3－1　果肉除去設備の設置場所を選定する。<br />
　3－2　必要な資機材を購入する。<br />
　3－3　川越貞夫の指導の下、建設業者およびマヤビニックのメンバーが果肉除去設備を施工する。<br />
　成果３　果肉除去設備が１基整備される。<br />
　指標３　果肉除去設備が事業開始1年後に１基建設される。<br />
　なお、果肉除去設備が１基では不足するかもしれないが、本事業ではその場合、マヤビニックが自前の資金と獲得した技術で建設する、つまり、彼らが自力で生豆の品質向上に取り組むように指導し、支援に依存する体質の改善（自力更生）をめざす。</p>

<p><strong>●活動４</strong>　既存の焙煎設備を改善し、マヤビニックの焙煎およびマーケティング担当者2名に対して日本での焙煎技術研修を行なう。<br />
　4－1　日本（名古屋）で１週間の焙煎技術研修を行なう。<br />
　4－2　焙煎設備を、その能力が十全に発揮できるように改善する。<br />
　4－3　岩田斉が現地に赴き、焙煎設備を改善するとともに、改善された焙煎設備を使用した焙煎方法を指導する。<br />
　成果４　焙煎設備が整備され、焙煎技術が向上する。<br />
　指標４　焙煎能力が現在の月1.2トンから月３トンにアップし、専任の焙煎担当者がその技術を非専任者に移転する仕組みが構築される。</p>

<p><strong>●活動５</strong>　マヤビニックの焙煎およびマーケティング担当者２名に対して、日本でのコーヒーのマーケティングに関する研修を行なう（指導を担当するは川越顧問と岩田顧問の両名）。<br />
　5－1　日本（首都圏）で3日間の研修および実地訓練を行なう。<br />
　5－2　川越貞夫と岩田斉が現地を訪問し、マヤビニックのマーケティングが改善されたかどうかを調べ、さらなるアドバイスをする。<br />
　成果５　現在よりもマーケティング技術が向上する。<br />
　指標５　マヤビニックの総売上が1.5倍以上に増加する</p>

<p><strong>活動実績</strong><br />
11月13日～14日、山本、川越、小谷（ＪＩＣＡメキシコ事務所）、川崎（同）、田上（ゼンショー）、戸倉（同）がBatsil Maya(BM)を訪問。焙煎工場とコーヒー畑を視察。ＢＭは品質の高い焙煎豆を高価格で国内市場で販売する戦略をとっている。ただし、米国と日本への輸出には高い関心を示す。また、山本から提案のあった、ＢＭの焙煎工場でのＭＶアントニオの研修に同意。これが実現できれば、ＭＶ内で焙煎技術が移転される仕組みが構築できる。<br />
11月15日、上記メンバー（小谷氏を除く）で、午前中ＭＶ事務所を訪問。焙煎機はバーナーを追加することによって焙煎時間を30分から18分に短縮（これで焙煎能力は目標の月3トンに達する）。ただし、実際の売上は10月で月1トン強。焙煎にムラがあるので、量を少なめにし、冷却効果を上げるため、詰まっている空気穴を開けるように指示。同日午後、アクテアル訪問。1週間前に着工した一次加工施設の建設状況を見る。施工監督と川越顧問が話し合い、建屋の寸法は施工監督の判断で７ｍｘ５ｍｘ２．５ｍ（高さ）にしたことなどの説明を受け、川越顧問はこれを了承。ただし、着工したばかりなので、ある程度工事が進んだ段階での写真を日本に送るようアルバレス顧問に依頼する。</p>

<p><strong>特記事項（計画通りにいかなかった理由・問題点・注目点）</strong><br />
<strong>活動３について</strong><br />
果肉除去施設を現在建設中（添付写真参照）で、来年2月の訪問時には完成し、試運転を行う予定である。</p>

<p><strong>活動５について</strong><br />
山本プロマネ、川越顧問、岩田顧問によるアドバイスの結果、ＭＶ事務所営業担当のアントニオを、ＭＶと提携関係にあるＣＥＤIAC（Batsil Maya）の焙煎工場・事務所で研修することがＭＶ役員会で決定された。ただし、研修時期と期間については未定。</p>

<p>イメージ図どおりに施設が建設されていないが、これはイメージ図作成者が外部の建築家で、実際の建築には携わっていないため。実際の建築は、ＭＶが外注した施工業者が請け負っている。</p>

<p><strong>四半期振り返りコメント</strong><br />
<strong>一次加工施設建設について：</strong><br />
11月の訪問時以降現地からメールで送られてきた物件の写真（建築状況）を見て（既に着工前のイメージ図とは、程遠い物になっているが→特に屋根）、貯水タンクは建屋に添うよう地面に置くしかないので、十分流量が出るような高さの土台をつくり、マウントすることをＭＶ側には提案してある。また、下記の点に留意することもＭＶ側にはメールで伝えてある。<br />
１）	雨水を屋根で集め、それをタンク上部に誘導可能な、タンク上部の上限（高低差）を忘れないこと。<br />
２）	タンクは４０００Ｌ程度なら、少なくとも２基、屋根の頂点を境に左右それぞれから集水、給水管を配し、２基のタンクで交互に水の使用ができるようにすること。<br />
３）	水洗槽については、高さの上限を７０ｃｍ程度とし、あまり深くしないように。容積については、実地の条件もあるでしょうから、一基の容量を１０００Ｌ以下にし、2基造ること。用途は1基目が、粗洗い、２基目で仕上げ洗いを試してみたい。（果肉除去機の性能を見越して、フルウォッシュではなく、セミウォッシュかパルプドナチュラルを試すべきと考えている。）<br />
上記の点については、2月の訪問時にモニタリングし、必要に応じて修正のためのコメント・アドバイスをする。このコメント・アドバイスが適切に実現されるか否かは、メールでのやり取りのほか、3月の最終検査時に確認する。</p>

<p><strong>ＭＶの組織について：</strong><br />
1月からＭＶ事務所の中心的人物であったルイス顧問が半日勤務となり、その代り、アントニオとビクトリアーノという組合員が常勤スタッフとしてマネージャー役となる。この組織改革は、ルイス顧問からアントニオとビクトリアーノへの技術移転と事務引き継ぎが滞りなく運べば、組合員による組合運営という意味で、ＭＶが自立に近づくものと考えている。</p>

<p><strong>プロジェクト終了後の米国・日本への輸出について：</strong><br />
米国への焙煎豆の輸出と日本への生豆の輸出に関する話し合いを11月の訪問時に行ったが、ＭＶには現在輸出余力がほとんどなく、ＢＭと共同でこれに対応することを検討する。日本への輸出はトライアルとして1コンテナ（18トン以下）を2008年度中に実現したい。米国への輸出は最終的には年100トンという大規模なものになる予定なので、2009年度からスタートして徐々に輸出量を増やすことを目標とする。また、最終的には米国と日本の有機認証を受け、有機栽培豆として輸出できるようにする。</p>

<p><strong>本プロジェクト終了後の第2段階について：</strong><br />
上記輸出とメキシコ国内におけるアンテナショップ的コーヒーショップの設立・運営を目標とする第2段階（パートナー型で予算総額5000万円）を2008年6月に申請できるよう、準備を進める。</p>]]>

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<title>自立支援の道は遠く、険しい</title>
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<modified>2007-10-15T05:13:26Z</modified>
<issued>2007-10-15T04:30:32Z</issued>
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<![CDATA[<p>　昨年に続き、2回目の日本研修（9月8日～20日）を行いました。今回はMV（Maya Vinic)から3名、MVのメキシコ市販売店から1名、MVと協力関係にある別の組合（BM＝Batsil Maya)から1名の計5名が参加しました。しかも、来日前にメキシコ市でメキシコ各地にいるMV販売代理店の方々との集会を開くこともしましたので、大忙しでした。というわけで、久しぶりのブログです。（お許しください）</p>

<p>　活動の詳細については、下記ファイルをダウンロードしていただければ、JICAに提出した四半期報告書（H19年8月～9月）と写真がご覧いただけます。</p>

<p><a href="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/03%E6%A7%98%E5%BC%8F1%E3%83%A2%E3%83%8B%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%88H19%E5%B9%B4%E7%AC%AC2%E5%9B%9B%E5%8D%8A%E6%9C%9F.pdf">Download file</a></p>

<p>　実は、今回のメキシコ訪問と日本研修の前に、東ティモールで展開されているコーヒー生産者のための別のJICA草の根技術協力事業の模様を視察してきました。比較検討するためです。結論を単純化して言えば、MVのためのプロジェクトのほうが「進んでいる」、だが、その「進んでいる」MVのためのプロジェクトにしても自立支援のためには道は遠い、つまり、それほど自立支援の道は険しい、ということです。</p>

<p>　たとえば、今回、責任者が来日したBMを例にあげます。その母体となっているNGOのCEDIAC（先住民人権センター）は10年以上の歴史があり、さらにその母体であるイエズス会のミッションは当該地域に49年前に入っています。そして、先住民の教化と組織化を図り、10年ほど前から生産者組合、それにBMという技術支援組織を作り、生産者に対する支援を行っています。その活動はこれまでのフェアトレード支援団体とは全く異なり、輸出を目指すのではなく、高品質の豆を作り、より付加価値の高い焙煎豆として国内で販売する、そしてそのための技術指導と環境保全活動を徹底させるというものです。</p>

<p>　実際にBMの生産農家も訪れましたが、川越顧問は「土が生きている」と驚嘆し、さらにわれわれをびっくりさせたのは、コーヒー畑は無論のこと、村にゴミが落ちていないこと、プラスチックゴミなどは、村の中に捨てるごみ箱がおいてあり、そこで管理している事でした（こんな先住民の村を私も見たことはありませんでした）。</p>

<p>　焙煎工場についても、密閉性を確保した衛生的な工場で、今回来日した責任者はドイツ人から1年かけて焙煎技術を習得したとのことです。そして、このBMの方針として、まず売り先（市場）を確保してから、開発を行う、つまり売れる見込みがたってから、新しい地域での組合員を募集し、新たなグループづくりをする、という堅実な方法で開発支援を行っています。そのため、生産量はやっと40トン（生豆）になろうかという段階です。</p>

<p>　以上のように、自立支援の道は遠く、険しいものです。東ティモールのように、緊急人道支援的な活動から入った場合、自立のためには相当の年数が必要で、JICAのプロジェクトのように3年で終わる、継続してもせいぜい2期6年では、とても自立のロードマップを描くことはできません。</p>

<p>　JICAメキシコ事務所で開かれたミーティングでは、次のような質問を受けました。<br />
「JICAプロジェクトの目標は自立支援（つまり、支援が必要でなくなることを目指す）だが、それを実現させるために必要なことは？」</p>

<p>　私は次のように答えました。<br />
「東ティモールそしてBMの事例からも明らかなように、日本のNGOが単独で入って、自立支援を成功させるためにはその土地に根付いて活動する必要があり、それこそ数十年の年月が必要です。FTPにはそのようなことはできない。できるのは地元のNGO、たとえばBMと協力して、MVの自立を促すことです。」</p>

<p>　というわけで、今後の課題はFTPとBM＆MVの協力・提携関係をいかにして構築するかだと考えております。その第一歩として、今回日本研修に参加したMV事務員のアントニオを、BMで半年間研修させることをMV役員会に対して提案しました。</p>]]>

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<title>JICAプロジェクト1年目の総括：「地獄への道は善意で舗装されている！」</title>
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<modified>2007-04-03T09:05:29Z</modified>
<issued>2007-04-03T08:40:58Z</issued>
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<summary type="text/plain">　JICA草の根技術協力プロジェクトの1年目が終了しました。このプロジェクトでは...</summary>
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<dc:subject>JICA草の根技術協力</dc:subject>
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<![CDATA[<p>　JICA草の根技術協力プロジェクトの1年目が終了しました。このプロジェクトでは四半期ごとに成果報告書を提出するのですが、その報告書に記載した目標の達成状況と問題点をもとにして1年間（06年8月からスタートしたので、正確には8ヶ月間）の総括をし、今年度の活動に備えたいと思います。</p>

<p>１）	一次加工施設を建設する。</p>

<p><img alt="一次加工施設建設予定地(web用）.JPG" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/%E4%B8%80%E6%AC%A1%E5%8A%A0%E5%B7%A5%E6%96%BD%E8%A8%AD%E5%BB%BA%E8%A8%AD%E4%BA%88%E5%AE%9A%E5%9C%B0%28web%E7%94%A8%EF%BC%89.JPG" width="308" height="231" /><br />
（アクテアル倉庫前の一次加工建設予定地）</p>

<p>　マヤビニック（ＭＶ）に担当のチームがやっと編成されました。しかし、3月末までという期限付きで依頼してあった建設見積書は提出されず、5月末まで待つことになりました。この原因として、第一に、先住民社会を基盤とするＭＶでは重要事項の決定には各村（共同体）と全体（代表者会議や総会）のレベルでの討議と承認が必要で、合意形成に時間のかかることがあげられます。そして、もうひとつには、品質改善に占める一次加工の重要性の認識不足のため、建設意欲に欠ける点があったと思います。技術協力プロジェクトを実施するには、たとえ一方から他方への支援型であれ、相互理解と共通認識がいかに重要かを再認識させられる結果となりました。ただ、ＭＶから生豆を輸入しているバイヤーから品質に伴う価格のインセンティブが付けられるようになったため、今後、品質改善意欲が高まることが期待されます。また、FTPとしても今夏はなるべく多くの幹部を日本研修に招待し、市場で高品質コーヒーがいかに価格面でも優遇されているか、その実態を知ってもらいたいと考えています。それから、こういった「箱モノ」は、使う側（被支援者）がその意義を十分に理解した上で主体的に建設に関与しない限り、使用されず野ざらしになるか、本来の使用目的とは異なる形で使われ、意図した成果が十分にあげられないことを過去の事例から学び、肝に銘じております。だからこそ、ＭＶ側に設計と見積を依頼し、こちらはアドバイザーに徹すること基本方針にしています。</p>

<p>２）	マーケティング技術が向上し、適切な生産・販売計画が作成できるようになる。<br />
　この点に関し具体的には、①生豆を年100トン生産する、②売上の１／３を焙煎豆にする、③売上を1．5倍以上にする、という目標があります。①については昨年120トンの生豆を生産したので目標はクリアしました。ただし、収入は1．2倍程度で、目標には達していません。その原因は、焙煎豆の売上が伸び悩み、②の目標に遠く及ばない１割弱にとどまったことにあります。そして、その伸び悩みの原因は、第一に、最大の市場であったカンクンがハリケーンの影響で顧客のホテルが閉鎖、ＭＶの焙煎豆が販売できなくなったため、第二に、ＭＶの焙煎機が故障し、1ヵ月半ほど稼動できかなったこと、第三に、焙煎担当者の能力・勤労意欲不足にありました。このため、ＭＶは焙煎担当者を交代させ、新任者に、協力関係にある他団体（後述するCEDIAC）での技術研修を受けさせました。この結果、焙煎能力は月1．２トンから1．8トンに向上しました。ただし、この焙煎能力の上昇に見合った注文の増加がありません。この背景には、それまで積極的に顧客開拓をしてこなかったという経緯があります。そこで、ＦＴＰとしてはＭＶと相談し、今年度は国内市場での焙煎豆販売を拡大するための研修会をメキシコ市で開催する予定です。これまでＭＶでは顧客の獲得も価格の交渉もすべて受け身で、客が来るのを待つ、値段は先方が提示するのを待つという取引をしていました。それが彼らの置かれた現実だったからだとは思いますが、「値段の交渉をしたことがない」「コーヒーを売りに行ったことがない」というＭＶが、メキシコ市と日本での研修を経て、どう変わるのか変わらないのかに注目したいと思います。</p>

<p>３）	焙煎設備が整備され、焙煎技術が向上する。</p>

<p><img alt="焙煎機とハビエル(WEB用）.JPG" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/%E7%84%99%E7%85%8E%E6%A9%9F%E3%81%A8%E3%83%8F%E3%83%93%E3%82%A8%E3%83%AB%28WEB%E7%94%A8%EF%BC%89.JPG" width="308" height="231" /><br />
（修理改良された焙煎機と新任の焙煎担当ハビエル君）<br />
（このハビエル君は組合員の息子で１８歳の高校生。将来は教員になりたいそうです。このような若者がＭＶの将来を担えば、明るい未来が開けると思うのは私だけではありません）</p>

<p>　前述した焙煎能力を最終的には月3トン以上にすることのほか、他組合員への焙煎技術の移転の仕組みが構築され、焙煎豆１kgあたりの平均販売単価が60ペソに上昇する、焙煎豆の年間売上高が200万ペソ以上になることを目標にしています。現在のところ、焙煎豆の平均単価は52．45ペソで、売上も47万5000ペソと、目標を大幅に下回っています。ただ、技術移転については、ＭＶと協力関係にある団体（CEDIAC）を訪問した結果、その技術や設備は日本より劣るものの、しっかりとした専門家がおり、その専門家を日本研修で指導することによってさらなる技術と指導体制の向上が期待されます。そのCEDIAC（Centro de Drechos Indígenas, A.C.先住民権利センター）ですが、イエズス会のNGOで、この地域で10年以上、その前身を含めると30年以上活動しています。ある幹部は「神学校を出て、この地域に派遣された。35年前だ。ザビエルのように、日本に行きたかったのだけどね（笑）」と、冗談半分（だと思いますが）で話していました。日本では想像しにくいのですが、メキシコ（だけではありませんが）における宗教および宗教団体（そして筋金入りの活動家）がもつ意味と凄さを実感しました。</p>

<p>４）	生産者の果肉除去・乾燥技術ならびにパーチメント豆の品質が向上する。<br />
　具体的な数値目標は、ＭＶの高級焙煎豆であるGourmetタイプの売上が焙煎豆売上全体の3割になること。現在はこれが18．8％（1．7トン／年）で、まだ目標に達していません。このような数値目標をかかげることに疑問をもつ人もいます。事実、ＭＶの焙煎豆をメキシコ市で販売している方々とは、この点に関し激論を交わしました。「われわれは単なる商売人ではない。ＭＶの人々が可哀想だから支援しているのだ。数字で割り切るようなやり方には反対だ」といった具合です。その気持ちは尊いし、理解できますが、ＦＴＰとしては、販売および品質管理における数字の重要性、「客観的な指標」の有用性を訴えています。たとえば、品質管理についていえば、ＭＶはパーチメント豆（果肉を除去し、乾燥させた殻付豆）を組合員から買い取るさい、その水分を手で揉んで感覚的に水分を計って（？）います。パーチメント豆の水分が重要なのは、水分が多すぎると輸送・保管中に腐りやすい、水分が少なすぎると品質面で悪影響が出るからです。このように感覚的に水分を計測していた結果、ＭＶの生豆は理想とされる水分12％を大幅に上回る13．5％という検査結果が昨年の日本研修で示されたのです。「水分が1．5ポイント多いということは、100トンの生豆を輸入する場合、バイヤーは1．5トンの水を余計に買うことになるんだよ」と言ったＦＴＰ顧問の言葉が私には忘れられません。これでは顧客の信用を失い、慈悲にすがる取引しかできないでしょう。これでは本プロジェクトの最終目標であるＭＶの経済的自立にはつながらないでしょう。「地獄への道は善意で舗装されている」。この格言のもつ深い意味をどれだけＭＶ（そしてフェアトレード）関係者は理解しているでしょうか。慈善がいけないとは言いません。慈善に終始していては被支援者の自立は永遠に望めない、だから、慈善の割合を徐々に減らし、良い意味でビジネスライクに取引をする必要があると思うのです。サパティスタのマルコス副司令官も、支援に依存しすぎるとシンデレラ症候群（白馬の王子待望症候群）になると警告しています（BOLETINES  de CIEPAC No.534 http://www.ciepac.org/boletines/chiapasaldia.php）。</p>]]>

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<title>無知は自立を妨げる</title>
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/2007/01/post_13.html" />
<modified>2007-01-17T01:40:23Z</modified>
<issued>2007-01-17T01:12:39Z</issued>
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<summary type="text/plain"> （マヤビニックの新事務所：サンクリストバル市の近郊に建設中で、ほぼ完成していま...</summary>
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<name>J.Yamamoto</name>
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<dc:subject>JICA草の根技術協力</dc:subject>
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<![CDATA[<p><img alt="MV new office v.2.JPG" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/MV%20new%20office%20v.2.JPG" width="615" height="461" /><br />
（マヤビニックの新事務所：サンクリストバル市の近郊に建設中で、ほぼ完成しています）</p>

<p><br />
今年の賀状には次のような挨拶を書きました。</p>

<p>　あけましておめでとうございます。<br />
昨年は三月までメキシコで暮らしていたため、新年の挨拶もできず失礼いたしました。今年も元旦から五日までメキシコに行きます。私が支援しているチアパスのコーヒー生産者協同組合に対する技術協力のためです。私はこのプロジェクトのコーディネーターで、資金は国際協力機構、専門技術はゼミの顧問二人が提供しています。プロジェクトの目的は品質向上による組合（員）の収入増ですが、品質改善には組合の組織と組合員の意識を改革する必要や、私たちではなく彼らが主体的に取り組むことの重要性が見えてきました。プロジェクトは来年三月まで続き、前途多難ではありますが、いずれ皆様の食卓にもメキシコ先住民のつくった美味しいコーヒーを届けることができればと、夢見ております。末筆ながら、皆様のご健康とご多幸を遠いチアパスの地からお祈り申し上げます。		二〇〇七年元旦</p>

<p>　今日は、この賀状で詳述できなかった協同組合の組織改革や組合員の意識改革について記述し、プロジェクトの途中報告とさせていただきます。</p>

<p>　組織改革については、昨夏の日本研修の結果、組合顧問が出した結論です。すなわち、コーヒーの品質改善には各生産工程の管理が重要であり、従来の組織では対応できないことがわかったのです。具体的には、それまで不明確であった責任体制を明確にし、各農家から送られてくるパーチメント（果肉を除去し、乾燥させた、殻付きのコーヒー豆）を受け取り、生豆（パーチメントを脱穀した、焙煎前の状態）にする担当者を２名、倉庫兼工場に常駐させること、そしてこの生豆を国外向けにはそのまま輸出、国内向けには焙煎して販売する部門を増員、強化することが、役員会、（各村の）代表者会議、総会の議決を経て決定されました。しかしながら、重要事項の意思決定はボトムアップ式で合議制のため、この組織改革には半年ほどの時間がかかり、現在でも生豆部門の担当者は暫定的です。ここに一般企業との大きな違いがあり、よくいえば民主的ですが、意思決定にスピードが要求されるビジネスの世界では利益を失うことにつながると思われます。</p>

<p>　次に意識改革ですが、こちらのほうがより重要な問題を含んでいます。というのも、協同組合といいながら、協同（協働）の精神が醸成されておらず、組合の共同の利益のためではなく、私的な利益を優先させる傾向のあることが明らかとなってきたからです。具体的には、品質改善に欠かせない共同作業よりも各家庭単位での作業のほうが楽なので、なかなか共同作業の重要性を理解してもらえないことや、組合幹部の使途不明金や不明朗な会計処理などモラルハザードの問題があります。要するに、協同組合の大原則である互助互恵の精神が欠如しているのです。そして、それは私たち支援者の責任でもあるといえます。マヤビニックという協同組合は、その母体である団体の組織員が悲劇的な虐殺事件（1997年12月）にあっているため、国内外から様々な支援の手がさしのべられ、援助に対する依存体質が強まり、自助努力による組合経営の健全化、合理化が遅れたと思われるのです。一例を挙げます。昨年8月の訪問時のことです。外国からの寄付で購入、設置した立派な加工設備を紹介された直後、組合幹部が私のところに歩み寄り、「この施設には、欠陥豆を自動的に選別する光学式の機械がまだ足りないのだけど、日本から資金提供を受けれらないか」と言うのです。私は専門家ではないので、さっそく横にいた技術顧問に聞いてみました。彼の答えは次のようなものでした。「この設備ですら十分使いこなしているとは思えない。たとえば、生豆の大きさを選別していない。生豆の大きさを揃えることは価格交渉力を上げるのに重要なのに、その初歩的な作業もしていない。ただ機械を買ってもらっただけで、その使い方を十分に知らないのだろう。ましてや、自動選別機を入れると、今の前処理が不十分なので、良い豆まではじく可能性があり、歩留まりが悪くなる。つまり、かえって収益が悪化する可能性がある。必要なのは、選別機を買うことではなく、手選別することだ。機械よりも人間の目で選別する方が確かだし、雇用の創出にもつながるから」</p>

<p>　このプロジェクトの究極の目的は自立支援にあります。つまり、お金にしろ、技術にしろ、支援が必要でなくなるようにするための協力です。単にモノを買って与えることは厳に慎まなければならなりません。そこで、本プロジェクトのコーディネーターとしては、物品の購入よりも技術支援、具体的には日本での研修を重点的に行うことを考えています。生産者が消費者のニーズ、品質要求、消費国のコーヒー文化、コーヒー産業の動向を知ることによって、彼らがどのように自分たちの生産方法や販売方法を変えたらよいと思うのか、思わないのか、それを考えてもらえればと思います。なぜなら、先住民の生産者が飲んでいるコーヒーは輸出できない屑豆、しかも煮立てるという作り方です。これでは、消費者がどのようなコーヒーを評価し、望んでいるかはまったくわからないと思うからです。無知は商機を逸し、自立を妨げるのでは…</p>

<p>　最後に、前述した不明朗な会計処理については外部監査が導入され、使途不明金については責任追及が始まっています。また、今後の組合経営の健全化、合理化のため、国際協力機構に対してシニアボランティアの派遣を要請することが決まっています。自立支援の実現には、そのためのロードマップを敷くことが必要だと肝に銘じています。<br />
</p>]]>

</content>
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<title>草の根技術支援は大変、でも．．．</title>
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/2006/10/post_12.html" />
<modified>2006-10-23T13:07:19Z</modified>
<issued>2006-10-23T08:15:55Z</issued>
<id>tag:web.sfc.keio.ac.jp,2006:/~llamame/viewpoint/2.31</id>
<created>2006-10-23T08:15:55Z</created>
<summary type="text/plain"> （マヤビニック代表者会議で改革案の説明をするアルバレス顧問、2006年9月8日...</summary>
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<name>J.Yamamoto</name>
<url>http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/</url>
<email>llamame@sfc.keio.ac.jp</email>
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<dc:subject>JICA草の根技術協力</dc:subject>
<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/">
<![CDATA[<p><img alt="ReunionDelegados060908.jpg10.jpg" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/ReunionDelegados060908.jpg10.jpg" width="500" height="400" /></p>

<p>（マヤビニック代表者会議で改革案の説明をするアルバレス顧問、2006年9月8日）</p>

<p><br />
　夏休みは1ヶ月の間に、日本とメキシコを２往復し、日本にいる間も首都圏と名古屋を動き回りました。2005年11月28日付けの本欄で紹介したＪＩＣＡ（国際協力機構）草の根技術支援事業が8月からスタートしたためです。9月末からは新学期に入り、授業とＪＩＣＡへの活動・収支報告の作成に追われました。というわけで、「視点」を書く時間も気力もありませんでした。</p>

<p>　こういった状況の中、先週末（10月20日）やっとＪＩＣＡ横浜への四半期報告を済ませましたので、今日はみなさんにその報告書を公開いたします。これは、国民の税金を使って行なうプロジェクトである以上、当然のことと、今後も原則として3ヶ月ごとに報告いたします。</p>

<p>　以下、ＪＩＣＡ横浜センターに提出した原文をコピー、掲載します。ただし、写真は同一のものではありません。</p>

<p><br />
草の根技術協力事業（草の根協力支援型）に係る<br />
四半期活動報告書<br />
平成18年8月～9月</p>

<p>　　　　　　　　　　　　　　　慶應義塾大学山本純一研究室<br />
　　　　　　　　　　　　　　　　　フェアトレード・プロジェクト<br />
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　会長　山本純一</p>

<p>１）	四半期中の主な活動</p>

<p>１－１）海外活動（8月14日～8月23日）<br />
①	マヤビニック（ＭＶ）での焙煎設備の改善と焙煎技術指導<br />
②	ＭＶでの一次加工施設建設予定地の検分と図面作成準備<br />
③	果肉除去機の購入<br />
④	他協同組合見学<br />
⑤	メキシコ市での研修（大手スーパー・コーヒーショップ・Expocafe見学）<br />
⑥	メキシコ市日本大使館領事部でのＭＶコーヒー試飲会の実施<br />
参加者：山本、川越顧問、岩田顧問、アルバレス顧問、ＭＶ役員および組合員</p>

<p>１－２）国内研修（8月23日～9月4日）<br />
①	首都圏大手コーヒー工場の見学<br />
②	都内自家焙煎店でのコーヒー講座受講<br />
③	都内自家焙煎店・コーヒーショップ見学<br />
④	都内大手スーパー見学<br />
⑤	名古屋でのコーヒーの焙煎・品質管理・販売および経営全般に関わる研修<br />
参加者：山本、川越顧問、岩田顧問、アルバレス顧問</p>

<p>１－３）海外活動（9月4日～9月16日）<br />
①	メキシコＪＩＣＡ事務所での研修成果報告<br />
②	ＭＶでの研修成果報告および組合組織改革提案<br />
③	他協同組合の一次加工および二次加工施設の見学<br />
参加者：山本、アルバレス顧問、ＭＶ役員および組合員</p>

<p><br />
２）	活動の成果・問題点など</p>

<p>２－１）海外活動（8月14日～8月23日）<br />
①	ＭＶが所有している焙煎機の３つの大きな問題点（火力不足、焙煎度合を目視する器具の故障、冷却用受け皿の穴の目詰まりと穴の大きさ不足）を指摘した。ただし、焙煎機が故障中であったため現場での焙煎技術指導はできなかった。<br />
②	一次加工施設建設予定地を検分、水源等の環境に問題のないことを確認したのち、図面および建設費の見積もりを12月までに作成するよう依頼した。ただし、一次加工施設の責任者が未定のため、12月までに作業が完了するかどうか不安である。<br />
③	一次加工施設用の果肉除去機については、当初の見積を大幅に上回る金額を業者から提示されたため、購入できなかった。<br />
④	同じチアパス州にあるサンフェルナンド協同組合（イオンで販売されているフェアトレード有機コーヒーの生豆生産者）を訪問し、同組合の組織・生産体制・品質管理・販売体制などについて学ぶ。生豆の品質も含めて、ＭＶとの違いは明らかで、組織については有給専従スタッフが充実（役員も3年交代の有給）、品質管理・販売についてはカップテースティングルームをもち、ブラジル方式の生豆欠点数を計測、バイヤーの品質要求に応じた販売を行なっている。<br />
⑤	メキシコ市がコーヒー関係者にとって非常に魅力的な大市場であることを確認した。可能性が大きいからこそ、世界規模のExpocafeが開かれたのであろう。<br />
⑥	8月21日の試飲会には在墨日本人の方を中心に30名ほどが出席。共同通信と現地新聞社Reforma紙の記者も参加し、Reforma紙には当日の模様が紹介された（8月28日付）。これによってメキシコ市での販売促進が期待されるが、現地ディストリビュータの販売体制については、ＭＶから焙煎豆ではなく生豆が提供されていること（付加価値の高い焙煎豆ではないため、ＭＶの大幅な売上げ増にはつながらない）、ディストリビュータが営業のプロではない点が懸念される。</p>

<p>２－２）国内研修（8月23日～9月4日）<br />
①	南船橋のキーコーヒー関東工場と厚木のUNICAFE神奈川総合工場を見学し、合理的かつ効率的な生産工程と品質管理・衛生管理の厳しさを学習した。大工場なので、生産工程をそのままMVに移植することはできないが、工程の明確な区分けと品質管理・衛生管理は部分的にMVにも適用可能と思われる。また、バイヤーが要求する生豆の品質基準（水分含有量、欠点数など）を実体験することができた。<br />
②	スペシャルティコーヒーといわれる高級コーヒーについて、その品質要求が厳しく（毎年サンプルを取り寄せ、納得しなければ継続して購入しない。自らの手でハンドピックして欠点豆を取り除く、など）、また抽出方法（ネルドリップ、カリタ、メリタ、コーノ式、フレンチプレス）や焙煎後の鮮度（焙煎後1週間以内に飲みきる）にも非常にこだわっていることを学ぶ。これによってアタカ通商との取引がなぜ失敗したのかをアルバレス顧問はよく理解することができた。将来的には、MVの豆をスペシャルティコーヒーとして日本で販売できるのほどの品質にすることをめざしたい。<br />
③	自家焙煎店での対面式販売方法（産地別特徴の宣伝、顧客の好みにあったコーヒーの推奨）、コーヒー専門店での抽出方法（スペシャルティコーヒーにはネルドリップのほか、フレンチプレス式がよい）とバラエティのある商品構成（産地別コーヒーはいうまでもなく、夏用のブレンドなど、季節感のあるコーヒー提供）を学ぶ。<br />
④	イオンなどのスーパーで販売するには、多くの規格・基準に合格しなければならないことを学ぶと同時に、有機商品を含むその品揃えの豊富さ、販売力の大きさに驚く。<br />
⑤	名古屋の斎藤コーヒー（株）での研修は4日間で、初日が中規模ロースターとしての会社説明、研修プログラムの説明、工場見学、ISO9001にもとづく運営説明（記録保持、文書管理、食品としての取り扱いなど）。2日目は生産工程の説明（生豆原料受入検査、精選、焙煎、粉砕、充填、出荷）、実際の焙煎研修（焙煎機の構造・操作説明、焙煎豆見本と計測器を使用した焙煎度の管理、目視と聴覚で焙煎度合を判断し、釜を開けるタイミングを決断する重要性など）、カップテースティングの目的と方法、生豆の欠点数の数え方、焙煎度の異なる同じ産地の豆を使用したブレンド方法など。3日目は午前中に営業会議にオブザーバーとして出席（地域別に営業担当がいて、毎月の目標達成率が100％未満の場合には、社長自らがその営業担当者に未達成の理由とその対応策を問いただすといった厳しいノルマ管理を目の当たりにする）、午後は営業担当者といっしょにルートセールス（ホテル、飲食店などの得意先回り）。4日目は午前中に粉砕・充填工程にて異物混入検査、充填・梱包手順、配送管理を学び、午後から研修全体に関する質疑応答。岩田顧問からは顧客満足と収益向上をめざすには、MV生豆の等級別基準化（高級豆、スタンダード豆、国内用）が必要で、そのために欠点数評価方法とスクリーンサイズを組み合わせるように指導を受ける。アルバレス顧問の主な質問とそれに対する岩田顧問の回答は以下のとおり。<br />
Q：MVは生豆の電子選別を行なうよりも、手選別したほうがよいか？<br />
A：MVやアクテアル住民の収入アップを考えることが第一で、手選別によって周辺住民の雇用創出が期待できるほか、どのくらいのコストがかかるかを計算し、それに見合った価格をバイヤーに要求すべきだ。<br />
Q：改善のポイントは？<br />
A：日々の記録と検査結果を分析し、改善のための対策を講ずること。だから記録、データが重要だ。そして、PLAN（企画）-DO（実行）-CHECK（評価）-ACTION（対策）の流れをつくることだ。</p>

<p>２－３）海外活動（9月4日～9月16日）<br />
①	9月5日、アルバレス顧問が内村所長以下、JICAメキシコ事務所職員に対して日本研修の内容を報告し、MVの組織改革案を提示（研修内容についてはすでに記述したので、アルバレス顧問が重視した点とＭＶの組織改革ポイントを列挙する）。<br />
日本で学習した重要ポイント<br />
各社<br />
・	顧客に対するケア（何が生産できるではなく、顧客が望むことは何かを追求）<br />
・	色による識別（生産ラインを緑は生豆の選別、赤は焙煎、茶色は充填ラインといったように区分け）<br />
・	分野別の作業チーム（買付チーム、営業部隊など）<br />
・	斎藤コーヒーはFT以上の「生産者と消費者の直接的な関係」を重視<br />
・	自家焙煎と斎藤コーヒーは鮮度を重視<br />
・	コーヒーは食料品であり、衛生管理が重要<br />
・	よいコーヒーは浅煎りで、質の悪いコーヒーは深煎りが基本<br />
・	幅広い商品ライン<br />
・	付加価値を高める高品質少量販売<br />
スーパーマーケット<br />
・	日本では焙煎豆の輸入は限られ、ほとんどを生豆で輸入<br />
・	高品質に重点をおき、メキシコのように安さにはこだわらない<br />
・	日本のコーヒーの5割はスーパーで販売<br />
・	スーパーで商品を販売するには、多くの要件をクリアしなければならない<br />
・	有機商品や無農薬に重点<br />
コーヒーショップ<br />
・	専門店（こだわりの店）<br />
・	レストランのコーヒーも食事に適したものが求められている<br />
生豆部門<br />
・	分野別管理（豆の種類別管理、棚を活用した整理整頓）<br />
・	生豆の保存管理<br />
・	一次加工の重要性<br />
・	水分管理<br />
・	大きさの管理<br />
・	欠点数の管理<br />
焙煎部門<br />
・	コンピュータ管理（MVの場合、手動で管理）<br />
・	焙煎豆の色度合いの管理<br />
・	袋詰め製品検査（水につけて空気が漏れていないか、酸素の含有量のチェック）<br />
・	ロットごとに検査<br />
・	受注後1週間で納品<br />
・	安全管理、衛生管理<br />
・	帽子、ユニフォームの着用<br />
・	埃や虫、髪の毛が入らないように注意<br />
・	消火器の設置<br />
・	仕切りの壁（焙煎ラインと充填ラインを分けるなど）<br />
営業部門<br />
・	地域別に営業担当を配置<br />
・	週に1度の営業会議<br />
・	販促用品の充実<br />
・	MVの販路の可能性としてエル・トリート<br />
組織<br />
・	実践的で柔軟な組織<br />
・	単純化された手順<br />
・	Plan-Do-Check-Actionの重要性<br />
・	充填ラインには女性を多く雇用<br />
・	品質管理部門の重要性<br />
ＭＶの組織改革のポイント<br />
生豆部門<br />
・	水分計測器の購入<br />
・	二次加工での豆の分類<br />
・	手選別<br />
・	小規模企業として<br />
・	棚による区分<br />
・	内部での品質管理とカップテースティング<br />
・	納期については顧客と交渉<br />
焙煎部門<br />
・	バルブ付きの袋<br />
・	受注生産<br />
・	焙煎豆のストックをなるべく減らす<br />
・	袋詰め直前での粉砕<br />
・	袋、ロット、焙煎の色などの管理<br />
営業部門<br />
・	受注管理、出荷管理<br />
・	1週間ごとの顧客訪問（電話）<br />
・	顧客・ディストリビュータとの意思疎通改善<br />
・	マーケティングと販促物の充実<br />
・	顧客の信頼獲得<br />
組織<br />
・	専門化<br />
・	女性による品質管理（生豆部門と焙煎部門）<br />
・	2大ニッチ市場（サンクリとメキシコシティ）<br />
・	上記市場での重点地域の設定<br />
・	品質管理部門の設置<br />
・	MVのロゴの統一<br />
・	研修（シティと日本）<br />
・	組織改革<br />
結論：一言で言えば、改善が重要。つまり、大掛かりな投資ではなく、日常的なこと、できることからよりよい生産・販売体制をめざす。ただし、アルバレス顧問ひとりでは困難な課題である。<br />
②	9月8日、アクテアルで開催されたMV代表者会議でアルバレス顧問が組織改善案を、山本がそれに対する補足提案を説明。その概要は以下のとおりだが、最終的な決定は組合員総会で行なわれる。<br />
アルバレス顧問の提案：<br />
・	アクテアル（生豆）部門、サンクリストバル（輸出、焙煎、営業）部門、メキシコシティ（販売）部門の3部門に分け、それぞれに専従者2名をおく。<br />
・	アクテアルとサンクリの責任者（コーディネータ）および役員会で統括本部（General Coordination）を設置し、総会、代表者会議、役員会での意思決定を執行する実務機関とする。<br />
・	従来の倉庫番、支払い係、（パーチメント）受取係、運転手は廃止する。<br />
山本の提案：<br />
・	新理事長、アクテアル部門（生豆）の代表者1名、サンクリ部門（事務、焙煎）の代表者1名、DF販売部門の代表者1名の計4名を来年の日本での研修（10日間）に招待したい。<br />
・	役員会と各部門が話し合って、各部門を統括する責任者のGeneral Coordinatorを選出してほしい。<br />
・	MVが希望するならば、JICAは経営担当のシニアボランティアを派遣する用意がある。<br />
③	9月10日にはチロン（サンクリストバルから北東に車で3時間）にあるバツィルマヤ協同組合、9月12日にはサンフェルナンド協同組合の一次加工センターを訪問した。<br />
バツィルマヤは複数の協同組合を束ねるアンブレラ組織で、組合員数は100名、生産量は年間20トンと小さいが、パーチメント乾燥機も備えた立派な一次加工センター（写真参照）や、ＭＶよりも品質管理の行き届いた焙煎工場を保有している。ＭＶとは友好関係にあるので、技術提携・情報交換など、今後の提携の可能性を検討すべきである。<br />
サンフェルナンドの一次加工センター（アグロエコロヒコ）は栽培訓練センターも兼ね、宿泊施設もつくる予定。裏手にコーヒー畑と苗床があるほか、周辺の組合員がチェリーを持参し、果肉を除去する。担当技術者の説明によると、品質に厳しくしなければならないのは消費者（欧州と日本）からの要求に応えるため。どの生産者の豆を輸出したかは記録があり、問題が起きればトレースバックできるようになっている（ただし、25年間そのような問題は起きていない）。<br />
アグロエコロヒコでは集中的な果肉除去（電動機付のディスク式）のみで（ぬめりとりもしない）、パーチメントの乾燥は別の場所で行っている。（雨が多いため）</p>

<p>３）	問題点などへの対応策<br />
①	焙煎機の問題点については現在修理中で、12月の再訪問時までには稼動できる予定。</p>

<p><img alt="tostadora.jpg" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/tostadora.jpg" width="500" height="400" /></p>

<p>（修理中の焙煎機）</p>

<p>②	一次加工施設の建設責任者と作業チームの編成については、11月末、別件で山本がチアパスを訪問するので、そのさい、アルバレス顧問と直接話し合う。<br />
③	果肉除去機については、寄付によってＭＶが現場に所有、未使用のコロンビア製果肉除去機を利用することを検討する。<br />
④	メキシコシティのディストリビュータへの焙煎豆販売については、12月末の訪問時に焙煎機の状況をチェックし、来年から焙煎豆を販売できる体制をつくる。<br />
⑤	組織改革については、すでに役員会の承認を得ているので、来年から実施可能かを11月または12月の訪問時に確認する。<br />
⑥	生産体制の強化と販売促進のための経営改革については、JICAメキシコ事務所に工場経営経験のあるシニアボランティア派遣を要請、MV側からも内諾を得ている。<br />
 <br />
４）	次四半期の計画概要<br />
①	11月21日～23日、山本が現地訪問し、一次加工施設建設とMV組織改革についてアルバレス顧問と話し合う。<br />
②	12月28日～1月6日、山本と川越顧問が現地訪問し、生豆品質管理方法（栽培、収穫、一次加工、二次加工）に関する研修会を2日間にわたってアクテアルで開催する。<br />
</p>]]>

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<title>亡霊が出た！？</title>
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/2006/05/post_11.html" />
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<summary type="text/plain"> （2006年5月3日　メキシコ市三文化広場にて） 　サバティカルから大学に復帰...</summary>
<author>
<name>J.Yamamoto</name>
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<email>llamame@sfc.keio.ac.jp</email>
</author>
<dc:subject>サパティスタ</dc:subject>
<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/">
<![CDATA[<p><img alt="MarEn.jpg" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/MarEn.jpg" width="256" height="192" /></p>

<p>（2006年5月3日　メキシコ市三文化広場にて）</p>

<p></p>

<p><br />
　サバティカルから大学に復帰後多忙をきわめ、落ち着いてコラムを書く時間がなくなってきました。毎月1回は何かを書こうとは思っていますが、確約できません。お許しください。</p>

<p>　さて、そんな中にあって、ゴールデンウィークを利用してメキシコに行ってきました。目的は、「もうひとつのキャンペーン」（2006年1月9日付「視点」を参照）がメキシコ市で行なわれるので、5年前、憲法改正を求めてサパティスタ代表団がやってきた時と比較をするためです。</p>

<p>　大統領選とは「別の」キャンペーンをサパティスタが計画、実施した背景には、代議制民主主義に対する不信があると思います。それは、キャンペーン中にマルコス副司令官（キャンペーンでは「代表ゼロ」と名乗っています）が、かつては友好的な関係にあったPRD（民主革命党）を含むすべての政党と大統領候補を、現在の資本主義を擁護するものとして非難していることからも明らかかと思います。実際、憲法改正時にPRDに裏切られたサパティスタは、政治社会にはもう期待できないと考え、市民社会と直接的な関係を構築しようとしているのでしょう。ただし、今回は反資本主義を明確に打ち出し、これまで抑圧、排除されてきた人々の意見を聴取し、最終的には憲法を改正し、「もうひとつのメキシコ」「もうひとつの世界」を構築することをめざすと言っています。「下から左へ」の改革を訴えています。</p>

<p>　代議制民主主義が機能不全に陥っているのはメキシコだけでなく、日本にも当てはまることでしょう。イラク戦争問題や教育基本法に対する政府の対応は、国民の多くの意見を反映しているとは思えないからです。主権者たる国民が主権を行使できるのは、選挙時の一票だけに限られているようにみえるからです。そして、メキシコでも日本でも、テレビを中心とするマスメディアが「劇場型政治」（大半の国民は視聴者＝傍観者にしかすぎない）を日々再生産しています。</p>

<p>　本題に入ります。5月1日から3日まで、3日間にわたって「もうひとつのキャンペーン」の行進や集会に参加しました。1日はメキシコ市の米国大使館からソカロ（中央広場）までのデモ行進とソカロでの集会、2日と3日は、それぞれメキシコ国立自治大学と三文化広場での集会です。1日のデモに参加したのは、２～3万人ぐらいだと思います。同じ日に行なわれたメーデーの労働者の集会や米国ヒスパニック（ラティーノ）移民を支援するデモよりも少ない数字です。量的には10万人をソカロに集めたといわれる5年前とは比べようもありません。その要因については、あくまでも推測にすぎませんが、以下のように考えています。<br />
１）5年間メディアで大きく取り上げられることもなく、他方、サパティスタ自身、おそらく内部固めのためでしょうが、長期間沈黙を守ってきたため、サパティスタ運動そのものに対する一般大衆の関心が薄れてしまった。<br />
２）今は大統領選挙キャンペーンの真最中であり、その「熱気」「思惑」の中に埋没してしまった。<br />
３）反資本主義を打ち出し、左翼勢力の結集を呼びかけたため、無党派層的な人々が近寄りがたくなった。<br />
４）PRDの有力大統領候補である前メキシコ市長ロペス・オブラドールを非難しているため、かつてはサパティスタ支持であった「左寄り」の人々が離れた。<br />
５）今回のキャンペーンは抑圧された人々の声を聞くことが主眼で、「もうひとつのメキシコ」に関する具体的なビジョンや代替案を提示していないので、国民の関心が高まらない。</p>

<p>　3日の集会では、政府が住民との合意形成を経ずにいきなり発表した新空港建設計画に強硬に反対、政府案を撤回させて全国的に有名になった（そして1日の行進にも参加し、サパティスタを支援していた）アテンコのグループに対する警察による人権を無視した弾圧が始まり、若者が一人死亡、幹部・活動家が多数逮捕されたため、マルコス副司令官は、今後の遊説をすべて中止し、不当に逮捕された人々が釈放されるまでメキシコ市に留まると、アテンコ支持を表明、皮肉なことにこの結果、マルコス副司令官の言動を大手マスコミが取り上げるようになり、5月8日には久しぶりにテレビに出演、インタビューに答えることになりました。このインタビューで注目されるのは、7月大統領選でロペス・オブラドールPRD候補が勝つと予測したことです。PRDと断絶関係にあるマルコス副司令官の意図はどこにあるのか？</p>

<p>　米国のジャーナリストJohn Rossによると、ロペス・オブラドールが僅差で負けた場合、不正選挙だということで、選挙後にサパティスタとPRDが共闘するための布石を打ったという見方もあるとのことです。確かなことはわかりませんが、マルコス副司令官が、意図したか否かは別として、政治の表舞台に再登場してきたことは間違いないでしょう。</p>

<p>　時間がないのでまとめます。今行なっている「意見聴取」をふまえ、今年後半から具体的な提案があると思われますので、現時点でサパティスタのキャンペーンを評価するのは時期尚早でしょう。ただ、少なくともメキシコ市に限った場合、持続的経済成長を謳歌している中産階級以上および7月の大統領選の熱気に包まれている大衆の反応は、5年前と比べようもないことが（残念ながら）確認することができました。また、メキシコ市のデモや集会には、さまざまな思想傾向をもつグループが参加したと思われますが、写真にもあるように、マルクス、エンゲルス、レーニン（ここまではわかりますが）、スターリンの写真を掲げたグループがいたことにはビックリしました。彼らの機関誌では、若き日の毛沢東の写真を掲載し、文化大革命を礼賛しているのです。毛沢東主義で「成功」したと喧伝された南街村の実態（新自由主義的な市場主義に寄生する似非共産主義―詳しくは田島英一『中国人、会って話せばただの人』PHP新書をお読みください）を目の当たりにした私にとっては、毛沢東主義や共産主義をナイーブに理想とすることはできません。サパティスタはこられの左翼の人々と共闘しようというのでしょうか？</p>

<p>　5月3日、三文化広場でマルコス副司令官がアテンコ支持を表明したときには、上記4人の写真が高々と掲げられていました。それを見て、マルコス副司令官は何を考えたのでしょうか？　彼にインタビューできれば、ぜひそれだけでも聞いてみたいと思いました。<br />
</p>]]>

</content>
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<title>グローバル・ナショナル・ローカルの現在</title>
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/2006/04/post_10.html" />
<modified>2006-04-17T09:38:18Z</modified>
<issued>2006-04-17T08:51:01Z</issued>
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<created>2006-04-17T08:51:01Z</created>
<summary type="text/plain"> 　総合政策学部教授・野村亨先生との共編著『グローバル・ナショナル・ローカルの現...</summary>
<author>
<name>J.Yamamoto</name>
<url>http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/</url>
<email>llamame@sfc.keio.ac.jp</email>
</author>
<dc:subject>グローバリゼーション</dc:subject>
<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/">
<![CDATA[<p><img alt="GNL_jacket.jpg" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/GNL_jacket.jpg" width="140" height="206" /></p>

<p><br />
　総合政策学部教授・野村亨先生との共編著『グローバル・ナショナル・ローカルの現在』を慶應義塾大学出版会から上梓いたしました。</p>

<p>　この本は、（財）高橋産業経済研究財団から研究助成を得、慶應義塾大学東アジア研究所の研究プロジェクトとして3年間にわたって現地調査や議論を重ねてきた成果です。編著は前作の『外国語教育のリ・デザイン―慶應SFCの現場から』（慶應義塾大学出版会）に続き、2冊目です。</p>

<p>　メキシコでのサバティカル（研究休暇）中に日本の編集者・執筆者と密度の濃いやりとりを何度もメールで交わした結果でもあり、私にとっては思い出深い作品になりました。内容は、本の帯にもあるように、日本を含むアジアとラテンアメリカを中心に、「グローバリゼーションと市民社会との関係」、「グローバリゼーションと農村社会との関係」、「グローバリゼーションと共犯関係にあるナショナリズムの諸相」を事例に即して読み解き、「＜ナショナル＞を超えるガバナンスの可能性」、つまり21世紀の共生の可能性と課題について考えたものです。</p>

<p>　全体の概要を紹介した拙稿「グローバル化のトポロジーとトポグラフィー」の一部は慶應義塾大学出版会ホームページの立ち読みコーナー（http://www.keio-up.co.jp/np/detail_browse.do?goods_id=1041）で拾い読みすることができます。ただ、各部、各章の概要にはふれておりませんので、以下、ご紹介します。ご興味をもたれたらぜひ本物を手にとっていただければと願っております。</p>

<p>　<br />
第1部　グローバリゼーションと市民社会</p>

<p>　最初に、グローバリゼーションと市民社会の関係を取り扱う。対象とする地域はBRICsの一員としてその経済発展が注目されている中国とブラジル、そしてこの両国とは対照的に経済危機が喧伝されたアルゼンチンである。</p>

<p>　第1章「インボランタリーからボランタリーへ―「愛国主義」時代の中国で宗教系慈善団体が持つ意味」（田島英一）は、中国で勃興しつつある社会団体、特に宗教系団体が市民社会の成熟において果たす役割につき、アンケート調査をふまえて評価、考察する。その前提となるのは、毛沢東の死後、新自由主義的グローバリゼーションの影響を受けた中国が改革開放路線に転換する中、「中華民族」を中心とするナショナリズムが復活するとともに、貧富の格差が拡大し、企業経営者やホワイトカラーを中心とする新中間層を取り込む必要に迫られた中国共産党が階級党から民族党への転身を図ったため、特に都市部の大衆労働者が文化的、経済的、政治的な三重の周縁化を受けたという認識である。このような状況にあって、「官」と大衆をつなぐ中間組織である宗教系団体の慈善福祉活動は、多元的世論の形成につながるという意味において、市民社会の成熟に貢献する可能性がある。ただし、公的領域から宗教が排除される現状が続く限り、宗教系団体には「官」との整合性や距離をどのようにとるかというジレンマが常に存在する。</p>

<p>　第2章「中国の地域社会近代化への模索―コミュニティNPOの創出」（沈潔）は、中国都市部における社会福祉サービスの供給をめぐり、国家、地域社会、住民の関係がどのように変化したかを、1950年代の社会主義国家創設期、1960～80年代の「単位社会」建設期、80年代以降の市場経済導入後の3つの時代に分けて考察する。そのさい、特に改革開放以後に誕生したコミュニティNPOに重点をおき、新たな公共性の構築に果たすその役割・機能を問う。そして、共産党主導による地域社会づくりをもとにした手厚い保護体制から、「単位社会」の解体、リストラ、急速な人口移動、都市化などを経て、政府が多様な福祉ニーズに対応できなくなり、この分野への民間の参入を認めざるをえなくなった現在、地域社会を基盤とするNPOに、福祉社会を支える市民や新たな公共性を生み出す原動力と可能性を見る。</p>

<p>　第3章「アルゼンチンにおける市民社会の政治化―ピケテーロス運動に焦点を当てて」（廣田拓）は、グローバリゼーションがもたらすマクロな構造変化と地域社会の日常生活空間におけるミクロな変容の関係を、アルゼンチンの失業労働者が幹線道路をピケット封鎖して州政府や国家に対して権利の要求を行った運動を事例にして考察する。そして、グローバリゼーションによる国民国家の枠組みのゆらぎや、エコロジー、ジェンダー、エスニシティなどに関するグローバルな社会運動を背景とする「新しい市民社会論」の分析視角から見た場合、このピケーテ運動は、正面きっての「もうひとつのグローバリゼーション」でも最低限の生存維持戦略でもなく、普遍主義的な自由や平等にもとづく市民権概念を、差異や多様性にもとづく権利として独自に読み替え、利用しようとするしたたかな戦術的志向が伺われ、既存の代表制の外にある政治的意思決定の回路としての存在意義が大きくなっていると結論する。</p>

<p>　第4章「ブラジルにおける多元的経済制度創造への挑戦」（小池洋一）は、国家と市場の失敗を抑制するための（市民）社会の役割に注目し、国家を社会に埋め込む役割を果たしている参加型民主主義（参加型予算）、公的部門でも民間部門でもない第3のセクターとしての連帯経済、そして市場を社会に埋め込む機能を果たす企業の社会的責任を分析する。この問いの背景には、国家対市場という二元論を脱却し、国家と市場によって蚕食されている社会を再生、国家と市場と社会の緊張かつバランスのある関係を築かなければ、雇用のインフォーマル化、貧富の格差、金融危機、地球温暖化といった現代社会の諸問題を克服できないという強い意識がある。取り上げられた活動は、まだ初歩的な段階にあり多くの課題を抱えているが、社会を強化する手段であり、多元的な経済、社会を創造する試みである。</p>

<p>第2部	グローバリゼーションと農村社会</p>

<p>　第1部の市民社会（都市部）との対照で、第2部ではグローバリゼーションと農村社会の関係を問う。対象とする地域はアジアから中国、タイ、カンボジア、インドなど。ラテン・アメリカからは1994年のNAFTA（北米自由貿易協定）締結以降、世界有数の自由貿易協定ネットワークを持つようになったメキシコを取り上げる。</p>

<p>　第5章「現代中国農村における村民選挙と権力構造の変容―江西省の村落を事例として」（鄭浩瀾）は、市場メカニズムの浸透によって国家権力が衰退し、ローカルな権力構造が再編成されているという「通説」を、中国江西省の村落を事例として検証する。綿密な文献調査とインタビューによって得られた結論は、１）村民委員会は鎮政府の末端行政組織として機能している、２）村の内部には村民委員会および鎮政府の幹部の活動を監視・牽制する力や利益集団が欠如しているという2点で、このような権力構造のあり方は、一方で、人民公社体制から「村民自治」体制への転換が単なる名称変更であったという歴史的背景とつながり、他方で、村内部の諸関係からも影響を受けていることを示している。したがってこの村の場合、市場メカニズムの浸透によって農村社会の多元化や貧富の格差拡大といった変化はもたらされたが、多元的な利益集団を形成するまでには至らず、村内部の権力構造は「外的な要因」によっては容易に変容しないといえる。</p>

<p>　第6章「コーヒーのフェアトレードの可能性と課題―メキシコ・チアパス州の２つの生産者協同組合を事例として」（山本純一）は、南北問題を象徴する貿易財であるコーヒーを通して、「南」の生産者に対するグローバルな自立支援活動であるフェアトレード（FT）の可能性と課題を検討する。具体的には、FTの「先進国」であるメキシコ最大の生産州において活動している、FT経験が豊かなマホムット協同組合と新規参入を果たしたマヤビニック協同組合を取り上げ、その沿革・組織・運営・生産・販売・輸出の実態を比較する。幾度にもわたるフィールドワークの結果、FTを発展させるには、前者の場合、組合員に対するFTの目的・理念の指導および経営の透明化を通じた内部体制の強化＝組合員離れの阻止が、後者については、加工技術の向上によるコーヒー豆の品質改善と経営体制の合理化が必要であるとの結論を得る。また、コーヒー産業全体の課題としては、大手が支配する一般市場へ好条件で参入するとともに（「市場との接合」）、関連政府機関との連携強化、つまり構造調整（自由化・民営化）政策によって弱体化した国家および地方政府の役割を再検討、再構築することが求められていると指摘する。</p>

<p>　第7章「グローバル危機と社会行動仏教による人間の安全保障―アジアのローカル文化復興によるオルタナティブ発展」（野田真里）は、人々の安全を守るナショナルな機関である国家がグローバリゼーションによって相対化される中、国家による安全保障の限界を乗り越えるものとして注目されている「人間の安全保障」をグローバルな課題として捉え、この難問(アポリア)に挑戦する社会行動仏教の思想と実践を検討する。言及される事例は、物的豊かさのみを追求する開発のあり方を問うタイの「仏教ルネッサンス」運動や「心の開発(かいほつ)に根ざした社会開発」、森林保護のための「木の出家」運動、グローバルポリティックスに翻弄されたカンボジアにおける草の根（ローカル）からの人間の安全保障運動、インド「指定カースト（不可触民）」の解放をめざす新仏教運動など多岐にわたるが、ローカルな文化にもとづき仏教本来の姿を再生しようとする社会運動が国境を越えて連帯しつつあることは特筆に値する。</p>

<p>第3部	ナショナリズムの諸相</p>

<p>　グローバリゼーションとナショナリズムは、表層的には対立関係にあると見られるが、その深層は互いが互いを（必要として）高めあう共犯関係にあるといわれるようになった 。そこで第3部ではこれまでと視点を変え、日本における食の問題、米国におけるエスニシティの問題を事例にしてグローバリゼーションとナショナリズムの関係を分析したのち、大国のはざまにあるブータンという小国の「生き残り戦略」を考察する。</p>

<p>　第8章「食とナショナル・アイデンティティ―日本のコメ輸入反対論を事例として」（小嶋亜維子）は、1980年代後半から90年代初めのコメ輸入反対論を取り上げ、グローバル化社会における人々の食の選択とナショナル・アイデンティティの関係を考える。そのさい、国産米への固執を食品のグローバルマーケット化に対する文化ナショナリズムに過ぎないとする見方は不十分であるとし、そもそもなぜ「食」に関する事象が人々にとって問題となるのかという点から考察を始める。次に、「食べる」という行為がきわめて個人的であると同時に、個人をとりまく社会の慣習や規範、関係企業・生産者の供給・販売体制、国家の経済政策や食糧管理制度に規定されるという意味で社会性をあわせもつ行為である点に注意を払う。そして、日本におけるコメという食品の特殊性を確認したうえ、コメの輸入反対が「私たち」という集合アイデンティティを容易に具体化させるため、「私の食」の問題が共有されて「私たちの食」の問題となり、さらにその過程で「日本人としてのわれわれ」が共鳴することによって、具体的な食の問題が、「国民の食」という排他的なイデオロギー性を帯びる言説に転化することを明らかにする。</p>

<p>　第9章「反捕鯨問題をめぐるグローバリズムとナショナリズム」（安田涼）は、1970年代以降に湧き上がった反捕鯨問題を通して、イデオロギーとしてのグローバリズムとナショナリズムがどのように相互補完的に形成されてゆくのかを分析する。導き出されるのは、社会的アクターたちの個別具体的な利害関係であったものが、互いの立場を再解釈する過程において対立的なイデオロギーへと変質していった、という点である。すなわち、捕鯨は“未開”の地を開拓し、人・物資を送り、獲得された鯨油は都市の街灯や精密機械の潤滑油等に利用されたという意味で、近代以降のグローバリゼーションの展開を象徴する産業であったことを歴史的に概観したのち、捕鯨反対と反-捕鯨反対運動は当初、各国、しかもローカルな個別の事情であったものが、国際的な争点として成長していく過程において、ヒューマニズムとか文明、動物愛護、環境保護といった普遍的な価値が付与されて「反捕鯨問題」として再編されると同時に、捕鯨や鯨食文化は日本固有の伝統であるといった「実相から乖離した」反論を生むことになったのである。そこに現代社会におけるグローバリズムとナショナリズムの1つの典型的な構図を見い出すことができる。</p>

<p>　第10章「コミュニティを基軸にしたチカーノ・ナショナリズムの構築―1960年代のロス・アンゼルスで生まれたポリティクス」（桑野真紀）は、「すべてが集まる場所」といわれるグローバル都市ロス・アンゼルスにおいて、「コミュニティ」という言葉に団結の意味を付与して「ナショナリズム」を構築してきたチカーノ（メキシコ系アメリカ人）たちの言動を分析する。焦点はチカーノ・ナショナリズムの原点といわれる1960年代で、当時の激動するアメリカ社会を素描したのち、コミュニティを基軸にしたナショナリズムがいかにして生成されたのかを明らかにする。そして、「空間」ではなく「思想」としてのコミュニティ概念は、運動家や大学教員といった知的エリートたちが先導して民衆に訴えかけたことによってローカルな現場や地域に広まり、階層を超えてコミュニティに対する意識の高まりが生まれていったと結論する。</p>

<p>　第11章「ブータンの国家戦略―両大国のはざまで」（野村亨）は、北に中国、南にインドというアジアの2大国にはさまれる小国そのものの「存続(サステナ)可能性(ビリティ)」を考える。実情がほとんど知られていない同国の概況を説明したのち、国家統一のプロセスを古代史にまで遡って概観し、生き残りのための戦略を問う。同国は、帝国主義の時代には主としてヒマラヤ山脈という天然の要害と孤立政策によって独立を保持していたが、グローバリゼーションの時代にそのような政策は不可能で、チベットのように中国に侵略、併合されるのを防ぐには、かつて隣国であったシッキムと現在その存続が危ぶまれているネパールの教訓から学ぶ必要がある。前者は、後者からの移民が人口の過半数を占めるようになって政情不安が増大し、治安回復とインドへの併合を求める世論によって独立を失ったのである。他方、後者は、国王一家虐殺とゲリラ活動にともなう政治不安が広がっており、中国がチベットへの混乱波及を食い止めるとの口実で併合しようとする動きを見せる危険性が大である。これに対してインドはパキスタンとの関係に手一杯といった状況にある。生き残りの鍵は、最悪の「パートナー」を選ばず、地政学的な立場を生かすことにあろう。</p>

<p>第4部　＜ナショナル＞を超えるガバナンスの可能性</p>

<p>　ピーター・シンガーは、「（20世紀は宇宙の征服によって）この星を１つの世界として見ることを可能にした。そして、今、21世紀は、この1つの世界を統治する適切な形態を発展させるという課題に直面している」と論じている 。このチャレンジングな課題に立ち向かう第1歩として、本書では政策論（第12章）と理念（第13章）の面から、ローカルやナショナルなものを超えるガバナンスの可能性を考えてみた。</p>

<p>　第12章「マルチレベル･ガバナンスの有効性－バルト海の環境問題を事例として」（市川顕）は、1989年から始まる体制移行を経験し、EU加盟をめざしてきたポーランドにおいて、バルト海における多層化した環境協力がいかに有効であったかを論証する。分析視角はマルチレベル・ガバナンスである。この概念は、特にEUの政策立案・決定に関して、国家の枠組の中で発展してきた政党や労働組合といった組織のみならず、環境保護団体や消費者団体のように地方を拠点したものやヨーロッパ全体のネットワークの中で発展してきた組織が、欧州委員会や欧州議会を通じ、国家の枠組みを超えて直接的あるいは間接的にEUの意思決定に関与する現在の状況に適合する。分析対象は、垂直関係においては超国家(スプラナショナル)レベル、国家(ナショナル)レベル、準国家(サブナショナル)レベルの３段階、水平関係においては公・私のネットワークすべての行為主体である。70年代冷戦期からの協力の歴史、環境汚染による利害の一致、環境問題の解決に熱心な国家および地方自治体の存在、環境改善のための財源の整備などの背景が有効に作用したため、本事例は成功と考えられる。ただし、これを一般化するにはさらなる事例の検証が必要とされる。</p>

<p>　第13章「イスラームとグローバル・ガバナンス」（奥田敦）は、イスラームの「教えのレベル」の視角から、現在のグローバリズム、ナショナリズム、ローカリズムを批判するとともに、グローバル・ガバナンスとイスラームの関係を明らかにする。イスラームの教えは、ナショナルやローカルな多元性・多様性を否定するものではないが、その基底にあるのは唯一神や種としての人間といった普遍性・包括性であり、偏狭なナショナリズムやローカリズムを志向するものでは断じてない。また、個人と社会の行動に関する最終的な根拠を提供するものであるからこそ、法律と道徳、物質性と精神性といった二律背反を統合、解消する次元も開かれる。この意味において、イスラームの教えは全地球的（グローバル）であると論ずる。そして、ムスリム社会の現実は「教えのレベル」からほど遠く、具体的な方策にも乏しいと認めながらも、現行のグローバリゼーションに抗するイスラームの教えの普遍性・包括性によってしか、人類全体を幸福へ導く道がないことを示唆する。</p>

<p>『グローバル・ナショナル・ローカルの現在』の序章「グローバル化のトポロジーとトポグラフィー」より</p>]]>

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<title>アタカ通商とマヤビニックジャパンの自称「フェアトレード」を問う</title>
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<dc:subject>フェアトレード</dc:subject>
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<![CDATA[<p>　現在、私はコーヒーのフェアトレードの研究をしています。この研究については、「コーヒーのフェアトレードの可能性と課題――メキシコ・チアパス州の２つの生産者協同組合を事例として」を野村亨・山本純一編『グローバル・ナショナル・ローカルの現在』の中の1章として慶應義塾大学出版会から近々刊行し、その成果を世に問います。</p>

<p>　ただ、ひとりの研究者として、人間として、政治的・経済的・社会的・文化的に抑圧されてきたメキシコ先住民の生産者と直接関わっていると、考えさせられること、学ぶことが多く、彼らの自立を支援するため、いずれ独自のNPOを設立してメキシコのコーヒーの品質改善、国内市場の開拓、日本への輸入促進をしたいと考えています。2005年11月28日付の本欄で紹介した「MV協同組合に対するコーヒー技術支援計画」はその一環として位置づけています。</p>

<p>　さて、そのMV（マヤビニック生産者協同組合）ですが、長年彼らとつきあい、現場にいると、ときには「知りたくなかったこと」も含め、さまざまなことが見えてきます。アタカ通商株式会社（以下、ATC）がMVから輸入、販売しているコーヒー豆やその「フェアトレード」についても実態が徐々にわかってきました。もともと同社がMVの豆を輸入するようになったのは、私のゼミに所属していた学生がマヤビニックジャパン（以下、MVJ）というグループを組織してATCに働きかけた結果なのですが、その「フェアトレード」の理念・目的は、最後に述べる「寄付金」のように、私が考えているフェアトレードとはかけ離れ、また、ゼミの顧問がMVJの1年間の活動の総括を求める意見書で指摘かつ糾弾したとおり、事実誤認につながる誇大な広報宣伝活動等にも問題があったので（誇大広告の一例としては、日本経済新聞2004年12月12日付「ガイアの夜明け」を参照。以下のサイトに掲載されています。http://www.specialtycoffee.jp/mayavinic/mayavinic2.html）、私はMVJとは袂を分かち、ATCと関わることも一切避けてきました。ただ、日本のフェアトレードの将来を考えた場合、彼らが自称している「フェアトレード」がいかに本来のフェアトレードの理念・精神から離れたものであるのかを明らかにしておく必要があると、フェアトレードの推進者のひとりとして思うようになりました。ここにATCとMVJが行なっているMVとの取引（フェアトレード？）の問題点を指摘します。</p>

<p>　フェアトレードをどのように定義するかはむずかしい問題です。定義によって、その立場、理念が決まるからです。国際的には、さまざまなフェアトレード推進団体があり、それぞれが定義をしており、相違があります。詳しいことは、近畿大学・池上甲一氏の「拡大するフェアトレードは農産物貿易を変えるか――その意義とパースペクティブ」『農業と経済』2004年4月号を読んでいただきたいのですが、おおざっぱに言って、フェアトレード・ラベル運動の統合機関であるFairtrade Labelling Organizations International (FLO)と、それとは理念・目的を異にする団体に分かれ、FLOに批判的な立場をとる団体・個人はそれぞれの定義を設け、貿易の名称についても、フェアトレードとは自称せず、民衆交易等、独自の名称を用いている団体もあります。ただいずれにしても、今日のフェアトレード運動の原点には、「南」の貧しい生産者から「北」の輸入業者ははたしてその労働の対価に見合った「公正」な価格で購入しているのか、「南」の恵まれない生産者の経済的社会的自立を支援したい、そしてより広いパースペクティブからは「南北問題」といわれる格差問題を解決したい、この理不尽な世界の仕組みを変革したいという問題意識や理想がありました。ちなみに、FLOのフェアトレードは、コーヒーの場合、主な基準は以下のとおりです。</p>

<p>１）生産者は、小規模で家族を基盤とすること。<br />
２）生産者は、政治的に独立した民主的な組織に編成されていること。<br />
３）生産者は、天然資源を保護し、化学肥料の投入を制限することによって生態系の保全に努めること。<br />
　<br />
　他方、輸入業者は次の主な基準を満たさなければなりません。<br />
１）複数の収穫期を対象とする（長期的な）購入契約を生産者組織と直接締結すること。<br />
２）FLOの最低価格（メキシコ・中米・アジア・アフリカの水洗式アラビカ豆で1.21㌦/㍀） もしくは世界の市場価格のうち、いずれかより高い価格を保証し 、加えて生産者組織に対するソーシャル・プレミアム（共益支援金）0.05㌦/㍀を支払うこと。<br />
３）生産者組織から要望があった場合、契約金の60%に相当する前渡し金を支払うこと。</p>

<p>　なお、私は、大きな枠組みでフェアトレードを捉えたいので、前述の池上（2004）に倣って「WTO流の貿易に対置するもうひとつの貿易装置であり、同時に経済の仕組みを問い直して新しい枠組みを作り出そうという社会的経済的な運動」と考えています。</p>

<p>　さて、批判対象のATCですが、同社はFLOに加盟せず、独自路線をとっています。そして、そのホームページに（http://www.specialtycoffee.jp/beans/7.html）よると、彼らがめざす「フェアトレード」とは、</p>

<p>「生産者、中間業者、消費者にとって相互にメリットのある[フェア]な取引関係」 <br />
・生産者： 生産コストに見合うだけの価格設定、長期契約による安定した収入の実現<br />
・中間業者：情報開示によるトレーサビリティの実現、生産者への直接の評価・提案による商品価値の向上 <br />
・消費者： 充分な生産者・商品情報の提供と、生産者へのフィードバック可能な関係<br />
その”メリット”を皆様により感じていただくために、私たちは「ふれあい」を大事にしていきたいと考えています。</p>

<p>とあります。なお、この文言はMVJのHP（http://mayavinic.sfc.keio.ac.jp/ft.html）上のものと同一で、MVJはATCよりも早くこの「理念」を謳っていることから、MVJがATCに働きかけ、ATCがこれを採用（そのまま引用）したものと思われます（この点にも、フェアトレードに対するATCの理念のなさが窺われます）。</p>

<p>　そして、ページの最後には、<br />
1)商品・生産地の情報を不明な点も隠さず公開いたします<br />
2)カップ品質でロットを選び取っていますので商品名の後にロット番号の最終末尾を明記しています。例)CAMPO ALEGRE1436 <br />
3)日本に入荷した時期や保管方法も開示いたします</p>

<p>と但し書きをつけ、説明責任と透明性を確保することを約束しています。</p>

<p>　一般に、フェアトレードは生産者の自立支援が目的で、生産者支援に軸足があり、同社のように、生産者、中間業者、消費者すべてにとってメリット（利益）のある関係をうたうのは珍しいことで、そこに大きな意義、ただし、これからみるように、問題もあるのではないかと私は考えています。</p>

<p>　まず、生産コストに見合うだけの価格設定とありますが、同社はMVの生産コストを把握しているのでしょうか。これを調べるのは、研究者の私にとっても難しい問題です。なぜなら、生産者農家は会計帳簿をきちんとつけているわけではなく、子どもを含む家族全員で行なう収穫や加工作業などの労働の対価はほとんど考えられていません。したがって、多くのフェアトレードの場合、「生産コストに見合うだけの価格設定」というのは「お題目」であって、実際は、FLOが定めている最低保証価格を基準としています。ATCの場合も、FLOが定めた最低保証価格に、最終工程で手作業による豆の選別を行うための人件費を上乗せした金額です。</p>

<p>　次に、最終工程での手作業による豆の選別ですが、MVと取引をしているフェアトレード団体でこのような要求をしているところはほかにありません。MVの担当者自身、これが非常に煩雑であり、ATCの要求は非常に厳しいと愚痴をこぼしています。これは、MVの豆をフェアトレードというよりも、同社が「売り」にしている「スペシャルティ・コーヒー」として位置づけているためだと思われます。実際、MVの豆は、同社のスペシャルティ・コーヒー検索用サイト（http://www.specialtycoffee.jp/beans/search.html）にその商品のひとつとして現れるのです。</p>

<p>　第三に「長期契約」ですが、ATCの場合、その取引は年度単位であり、長期的な契約を結んでいるわけではありません。しかも、MVの担当者の話によると、単年度契約といっても正式の契約書を交わしたものではなく、メールでのやり取りにすぎないというものです。この文言が出てきたのは、おそらく前述したFLOの基準をふまえたからではないかと推察されます。もともとFLOがこの基準を定めたのは、生産者の自立を支援するには、生産者が目先のことでなく、長期的な視野に立った生産・経営ができるように配慮する必要があると考えたからだと思います。しかし、ATCの場合は、HP上で「長期契約」と公表し、社会――MVもこの社会に含まれると私は思いますが――に約束しているにもかかわらず、前述したように実際は単年度契約で、しかも今年の買い付けは、僅かな量のピーベリー（１つのコーヒーの果実から1粒しかとれない豆で、貴重でおいしいといわれている。通常の果実からは2粒の豆がとれる）だけで、普通の豆（フラットビーンズ）の取引は中止するとMV側に通知しているのです。</p>

<p>　普通の豆の取引を中止するという背景には、後述するＭＶ以外の豆の混入問題のほか、豆の品質問題があります。ATCのHP（http://www.specialtycoffee.jp/beans/7.html）上では、次のようにMVの豆を紹介しています。</p>

<p>　マヤビニックのコーヒーは、生産者の手で、完熟した豆だけを丁寧に摘み取る最高品質のコーヒーです。大規模農園で作られたコーヒーは機械でいっせいに収穫するため、熟していないコーヒーや、熟しきって駄目になったコーヒーまでも一緒に収穫してしまいます。しかしマヤビニックのコーヒーは、生産者の手で、完熟した豆だけを丁寧に摘み取る最高品質のコーヒーです。<br />
スゥイートな香りのなかにほど良いボディとコクがあって、酸味は少なく、クリーンでアフターティストに程よいビターを感じました。フルーティさも感じられ、とってもナチュラルで飲みやすい珈琲。</p>

<p><br />
　コーヒーは嗜好品ですので、味の評価およびそれをどう表現するかは、主観的な要素が入ります。だからここではその適否を論じません。ただ、手で摘み取っているというのは事実ですが、完熟した豆だけを摘み取るというのは違います。MVの豆の収穫は通常3回に分けて行なわれますが、3回目にはすべての豆を摘み取るので、熟しきっていない豆や熟しすぎた豆も入ります。いちばん問題なのは、自ら最高品質と広告しておきながら、昨年度輸入した豆について、同社はMVに対して品質のクレームを出していることです。出荷前のサンプルと違うという趣旨で、実際に出荷された豆の一部をMVに送ってもいます。私も自分の目でその豆を見ましたが、たしかに豆の緑色がバラバラでつやもなく、粒も欠けているものが入っている状態でした。おそらく、このことが原因で普通豆の輸入を中止したのだと思われます。</p>

<p>　それでは、なぜこのような品質問題が出てきたのでしょうか。私は大学でフェアトレードプロジェクト（FTP）という研究会（ゼミ）を立ち上げていますが、専門家に依頼した品質分析では、MVの豆には、一部発酵臭が出ていたり（これは果実からパーチメントという殻付きの豆の状態に加工する工程に問題があると思われます）、乾燥状態にバラツキがあるという評価を得ていました。他の機関での評価もあわせて考えると、10点満点で7点程度の良質な豆なのですが、最高級という評価は与えられていませんでした（だからこそ私は、より高い価格で販売できるための品質改善プロジェクトをJICAの草の根技術協力事業として提案したのです）。</p>

<p>　しかも昨年は、コーヒーの国際価格が急騰し、MVの生産者の中でも、組合に売らず、より高い買取価格を提示した、コヨーテと呼ばれる仲買人に売る事態が起き、組合は豆の買い付けに困っていました。それをフィールドワークで知った私はゼミで、MVJメンバーを含む学生に対して、MVおよび現地の生産者のことを考えるならば、今回（昨年4月の時点で）はMVの豆を日本に輸入するのはやめたほうがよい、とハッキリ言いました。そのときは、生産者がコヨーテに売って満足ならばそれでよいし、良質の豆を確保する必要に迫られたMVの苦労を考えてのことでした。次のような別の問題が起きることを予期していたわけではありません。</p>

<p>　別の問題とは、昨年MVがATCに輸出した普通の豆（フラットビーンズ）のうちの7割近くが、組合員以外の生産者から買い上げられたものだとわかったことです。「マヤビニックの手摘み完熟豆」として売られているにもかかわらずです。MV側の事情としては、前述のように、組合員から買い付けられる豆の量が限られていたので、FLOの枠組みに入っていないATC向けには非組合員の豆が入っても問題はないと判断したのです（日本でどのような「宣伝文句」でMVの豆が販売されているかについて、彼らは十分な情報をもっていません）。そして、FLOの枠組み外ではこのような取引はよくあるとのことでした。実際、MVはATCを、フェアトレードをともに推進する友好的な取引先とは位置づけておらず、「単なる顧客」であると私に明言しました。</p>

<p>　これが「ふれあい」を大切にする「フェアトレード」の実体です。MVからはATCに対し、昨年出荷した豆には、価格の高騰による買付状況の悪化によってMV生産者以外の豆が大量に含まれていた旨、すでにお詫び方々連絡が行っています。</p>

<p>以上のように、MV側にも問題はありましたが、ATCはこのことをHP上でいっさい公表せず、突然、MVのフラットビーンズの販売を中止してしまいました。これで消費者に対して「トレーサビリティ」を確保し、生産地と商品に関する情報を「隠さずに公開する」と自ら明言した社会的責任を果たしていることになるのでしょうか。</p>

<p>　また、MVJは2006年2月15日付けのメールマガジンで読者に対して、フラットビーンズの販売を中止する旨のお知らせとお詫びをしていますが、その説明は生産者の立場を十分に理解したものとはいえませんので、事情をよく知る者として補足説明し、今回の件についてMVJを批判します（MVに明らかな非があることは私も認めますが、フェアトレードでは、生産者としての彼らの「弱い立場」や事情があることも考慮しなければならないと私は考えていますので）。</p>

<p>１）「背景」として説明されているコーヒーの国際価格高騰によって多くの組合員がMVではなく一般市場（コヨーテ）に販売したという事実は、前述したように、実際に輸入される前からMVJにも分かっていたことなのに、なぜ前年よりも多い量の輸入注文を破棄もしくは減量しなかったのかの説明がいっさいありません。</p>

<p>２）「契約した量の輸出が不可能であるならば、その事実を早急に伝えなければならない」というのは日本のビジネス感覚からすれば当たり前なのですが、これは、メキシコの文化や生産者の弱い立場を踏まえた指摘・非難ではありません。メキシコでは、道を尋ねてもよく「でたらめな道」を言われることがありますが、これは、メキシコの人は「知らない」と言うことによって相手をがっかりさせてはいけないという「親切心」の表れ、もしくは無知を知られたくないためだといわれることがあります。今回の場合、MVの担当者に私が聞いたところ、「（相手のことを考え）契約を履行するのが第一だと考えたので、とりあえず、同じ地域の非組合員（ただし、MVには加盟していないが、その上部組織である団体には加盟している先住民で、今後MVに加盟してほしいと考えている人々）の豆を買って送った」と弁解していました。この背景には、前述したメキシコ人の「親切心」のほか、もし今年輸出できなかったらもう注文が来ないのではないのかといった、弱い立場の生産者の危惧も加味されていたかもしれません。いずれにしても、このような重大な事実を事前に知らされないような「パートナーシップ」は、「顔の見える関係」や「ふれあい」を標榜するフェアトレードの名前にふさわしいものとはいえないでしょう。</p>

<p>３）「事前に約束していた手選別を実施せず、より正確に選別する、という彼らの判断から電子選別機で4回選別した」ことを非難していますが、前述したとおり、MVがFLOの枠組みでフェアトレードを行なっている他の団体は、このような手間のかかる作業を要求していません。私が知る限り、フェアトレードを名乗ってこの手選別を要求した事例はペルーでありましたが、それは、手選別によって品質を高めることに重点があったのではなく、低賃金と失業を配慮し、わざと人手を使わせる雇用対策でした。ペルーよりも賃金水準が高く、経済的に「中進国」といわれるメキシコでは、このような人手を確保すること自体が非常に困難になっていることを、フェアトレードを自称する団体であれば知り、配慮すべきでしょう。</p>

<p>４）「2年目の取引で、フェアトレードの難しさを改めて感じました。私たちMVJは、今後は、今後同様の事態が起こらぬよう、生産者との十分なコミュニケーションを約束します」とありますが、今回の事態は、FTP顧問が1年前に指摘した問題点を十分に反省かつ解決しなかった結果でもあるのではないのでしょうか。自称「フェアトレード」の中身（宣伝や販売方法、生産者との関わり方など）に問題があったためではないのでしょうか。生産者の立場・事情も考えたフェアトレードだったのでしょうか。十分なコミュニケーションを成り立たせる大前提である「信頼の醸成」が本当にできているのでしょうか。年に数回現地を訪問する私でも、生活環境や文化・習慣、考え方の異なる先住民と「心を通わす」ことや「信頼の醸成」は、いまだに発展途上の課題です。それを知っている私には「生産者との十分なコミュニケーション」をお詫びの印として安易に第三者に約束することなど、到底できません。</p>

<p>５）このような重大なお知らせとお詫びはメールマガジンではなく、その公式HPのトップページできちんと行なうのが「筋」ではないでしょうか。</p>

<p>　最後に、ATCがMVJの働きかけによってMVに対して2004年に贈った「寄付金」の問題を取り上げます。ATCのHP（http://www.specialtycoffee.jp/mayavinic/mayavinic3.html）によると、1900米ドルの「支援金」を11月16日に送金した。その主旨は、MVが取り掛かっていた「ハチミツ製造プロジェクト」を支援することで、その原資として、MVの豆を販売する際に1kg当たり30円余計に上乗せしたと、と明確に記載されています。</p>

<p>　フェアトレードが真に自立支援を目的とするのであれば、金銭をただ贈与することは厳に慎まなければなりません。それは、依存体質を助長するばかりでなく、人間としての尊厳にもかかわるからです。人道的な緊急支援ならば話は別ですが、かれらの誇りを傷つけるような行為をしてはならないのです。彼らは「物乞い」ではないのですから。百歩譲って、よく開発援助でいわれるように、具体的なプロジェクトに資金を出すのだから「魚の釣り方を教える」自立支援（？）に等しいとの反論があるかもしれません。しかし、この「支援」の現在の結果は、たしかに「ハチミツ製造プロジェクト」は立ち上がったが、その売り先に困り、プロジェクトの責任者は私に対して日本で販売できないかと打診してきたという有様です。魚がいるかどうかわからないのに、魚の釣り方を教えたことになります。前述したFTP顧問は、「（フェアトレードであっても）売る力なくして、生産者と出会うべからず」と学生、そして私にはっきりと釘をさしました。売るあてもないハチミツの生産を支援することは、かえって彼らの期待感だけを高め、実際には困難、問題を増やすだけの結果になるからです。</p>

<p>　私も心配なので、1ヶ月ほど前、MVの顧問に会って、このハチミツ・プロジェクトのことを尋ねました。<br />
　「このプロジェクトを立てるとき、マーケティングはしたのか。売り先のあてはあったのか」</p>

<p>　彼の答えは、「ハチミツは需要が多いから、売れると思った。でも、具体的な売り先は考えていなかった」というものでした。</p>

<p>　だからこそ私は、JICAの草の根技術協力の枠組み（資金）を使って、MVの人びとに品質改善のための加工技術だけでなく、マーケティングの技術・知識も身につけてほしいと願っています。</p>

<p>　そして、ATCのことについては、<br />
　「ATCの要望は非常に厳しいもので、MVはATCと取引できるほどにはまだ成長していなかった。だが、いろいろと勉強になった」<br />
と、謙虚に失敗を認め、次のステップに踏み出そうとしていました。</p>

<p>（追記）ATCとMVJの方から異論・反論があれば、ぜひコメント欄に投稿くださるよう、お願いいたします。<br />
</p>]]>

</content>
</entry>
<entry>
<title>連帯経済に関する小論を『月刊オルタ』に掲載</title>
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/2006/02/post_8.html" />
<modified>2006-02-18T22:34:13Z</modified>
<issued>2006-02-18T19:39:56Z</issued>
<id>tag:web.sfc.keio.ac.jp,2006:/~llamame/viewpoint/2.27</id>
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<summary type="text/plain"> （『月刊オルタ』2006年2月号　http://www.parc-jp.org...</summary>
<author>
<name>J.Yamamoto</name>
<url>http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/</url>
<email>llamame@sfc.keio.ac.jp</email>
</author>
<dc:subject>連帯経済</dc:subject>
<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/">
<![CDATA[<p><img alt="alter2cover.JPG" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/alter2cover.JPG" width="410" height="308" /><br />
（『月刊オルタ』2006年2月号　http://www.parc-jp.org/main/a_alta/alta/2006/02/cover）</p>

<p><br />
　アジア太平洋資料センター（PARC)の編集者の方から依頼を受け、連帯経済に関する小論を同センター『月刊オルタ』2月号に掲載しました。</p>

<p>　連帯経済は、サパティスタ研究と並んで私のライフワークにしたいテーマであり、何年先になるかはわかりませんが、とくにメキシコとブラジルの連帯経済を比較する単著を出版したいと考えています。その第一歩としてこの論文を書きました。私としては思い入れのある題材ですので、『月刊オルタ』からの許可を得て、その全文を下記に転載いたします（脚注の番号については技術的な問題があるので省略）。</p>

<p>　『月刊オルタ』2月号には拙稿以外にも、以前この「視点」でも紹介したDESMI（メキシコ先住民経済社会開発市民連合）の前コーディネータ、ホルヘ・サンティアーゴ氏に対するインタビューやサパティスタ自治区に関する記事が掲載されています。このコラムに興味をもたれた方は、ぜひご一読ください。</p>

<p>　『月刊オルタ』についてのお問い合わせは下記のとおりです。<br />
PARCホームページ：　http://www.parc-jp.org/main<br />
PARC住所・電話・メールアドレス：　 〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-7-11 東洋ビル Tel:03-5209-3455 Fax:03-5209-3453 Email:office@parc-jp.org</p>

<p>　また、同じPARCが主催する「自由学校」において、この連帯経済に関する「講義＋質疑応答」を、5月25日（木）午後7時から私が担当することになっています。聴講希望の方は、これについても上記にお問い合わせください。</p>

<p></p>

<p><br />
連帯経済――人間中心の経済の再生をめざして</p>

<p>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　山本純一</p>

<p>　連帯経済の歴史と概念</p>

<p>　最近、連帯経済（Solidarity Economy, スペイン語でEconomía Solidaria）という言葉がよく聞かれるようになった。市場原理に基づく新自由主義的グローバリゼーションに反対する世界社会フォーラムが「もうひとつの世界」を構想するため、具体的なオルタナティブとして提示している 。本号で特集するチアパスの連帯経済もその典型的な事例のひとつである。だが、連帯経済の歴史はもっと古く、根が深い。<br />
　そもそも連帯経済（Economie Solidaire）という言葉が使われるようになったのは1980年代のフランスが最初だと思われる 。フランスには――フランスに限ったことではないが――利潤そのものを目的としない民間の企業・組織、つまり社会的経済（Economie Sociale）そして連帯の伝統が1789年のフランス革命以降あった。革命のスローガンのひとつであった友愛（fraternité）は同業者組合における連帯を意味していた （生成期）。そして20世紀後半までにこのような社会的経済＝伝統的な協同組合・共済組合は、確固たる経済的・政治的・社会的地位を築き上げた（第2期）。だが、第二次大戦後の経済成長に赤信号が灯った1970年代以降、経済的・社会的な要因によって増加しているにもかかわらす、行政や社会的経済では十分に対応しきれないか、まったく対応できない新しいニーズに応えるため、地域密着型で小規模な一群の企業・組織が生まれた （第3期）。これが連帯経済で、社会的経済と同様、営利企業や政府によっては提供されない、人間が生きるうえでもっとも基本的なニーズに応えるものとして展開されている 。具体的には、労働市場から排除された元アルコール中毒患者、前科者、障害者、移民等を社会復帰させるための教育訓練や、児童福祉・高齢者福祉を担っている企業・組織などである 。そして、80年代から90年代にかけては社会的経済とライバル関係にあり、その活力と政治的・社会的な意義を失いつつあった後者に対して非常に批判的であった。前者が、協同組合員だけの利益を求めるのではなく、社会全体の利益＝公益を求め、その活動も互酬や非貨幣的手段による交換などの非市場性を中心としていたからだ。ところが近年になってこの両者は接近し、社会的連帯経済と言い表すことが多くなっている 。古い社会的経済はその活性化のために連帯経済の革新的インパクトを必要とし、他方、後者の側からみれば、連帯経済の運動を広げるためには、社会的経済に参加する金融機関の資金的サポートが必要であるといった切羽詰った事情もある 。<br />
　市場経済、そして政府が管轄する公共経済との関連で、社会的経済と連帯経済をもう少し概念的に整理すると、表１のようになろう。（表１省略）</p>

<p>　表に示したように、この３つのセクターにはそれぞれの長所と問題点があり、経済そして社会が正常に発展するためには、この三者がつながりあい、調和のとれた機能を発揮する必要があると考えられる。だが、市場原理を重視する現在のグローバリゼーション下にあっては、「小さな政府論」が唱えられ、公共経済が見捨て、市場経済が見向きもしない分野については、たとえば前述したような、市場と行政から排除された人びとについては、その支援を連帯経済が担わなければならないといった状況にある。小泉政権は「官から民へ」「民にできることは民に任せる」と叫んでいるが、実際には、官にも民にも相手にされない「市場の空隙」が大きく広がっている。</p>

<p><br />
チアパスでの試みと４つの特徴</p>

<p>　チアパスの連帯経済は、地元のNGOであるDESMI（メキシコ先住民経済社会開発市民連合）が先住民共同体の経済社会発展のため、資金貸与と技術支援によって小規模な協同組合を育成する運動である。その活動の9割がサパティスタ の自治区で展開されている 。<br />
DESMI設立の背景については、本号での同顧問（前コーディネータ）サンティアーゴ氏に対するインタビューに詳しい記述があるのでここでは省略するが、チアパス州が天然ガスや水、バイオ資源に恵まれた州でありながら、その生活環境や所得水準でみた場合、メキシコでもっとも貧しい州であることを忘れてはならない。まさにメキシコの「南」なのである（図１を参照）。そして州人口400万のうち、1／3ほどが政治的・経済的・文化的に抑圧されてきた先住民である。だからこそチアパスは、メキシコでも有数の開発および人権NGOが存在することでも知られている。DESMIもそのひとつである。</p>

<p> <br />
図：メキシコ合州国とチアパス州（省略）<br />
（出所）http://www.ciepac.org/images/maps/mex-chis.gif（2006.01.18）</p>

<p>　さて、このDESMIが推進する連帯経済であるが、石塚秀雄氏（非営利・協同総合研究所）が紹介しているシャニアルとラビル による連帯経済の４つの特徴に照らしてみるとその性格が明らかになる。<br />
（１）	公正経済：生産コストや労働の対価に見合った公正な取引を求める点で、公正経済としての性格を有しているが、チアパス州の有力商品作物であるコーヒーのフェア･トレードを推進するといった大規模な活動は展開していない。自給および販売用のトウモロコシやインゲン豆、トルティージャ（トウモロコシの粉を練って煎餅状にして焼いた主食）、鶏・豚などの家畜の飼育、牧畜といった生命維持に関わる基礎的な農業経済が中心である。<br />
（２）	連帯的財政機関：NOVIB（オランダOXFAM）など、外国のNGOから資金供与を受け、その資金をもとに、先住民が組織した小規模な協同組合の策定する（１）に関連する事業に1年単位で低利の融資を行なっている。この意味で、まさに連帯的財政機関（倫理銀行）の役割を果たしており、その融資も、原則として、組合が50％の自己資金を用意するマッチングファンド方式を採用し、過度な依存体質を生まない自立支援をモットーとしている。<br />
（３）	非貨幣交換方式（地域通貨など）：地域通貨は行なっていないが、連帯経済のワークショップにおける「連帯市場」（フリーマーケット）において、開始当初の一定時間は貨幣での購入を禁じ、物々交換を求めていることからもわかるように、非貨幣交換方式の重要性を認識している。<br />
（４）	地域起業活動組織：起業活動については、小規模な協同組合（家族単位は不可で、原則として10名以上の組合員から成る）作りを推進し、組合員間での民主的な意思決定と全員参加を原則とする協働（協同労働）方式を採用していることから、経済民主主義の実現をめざしているといえよう。</p>

<p><br />
　地域間で異なる連帯経済の性格――ブラジルとの比較</p>

<p>　ブラジルと比較すると、チアパスの連帯経済の特徴がさらに明確になる 。<br />
たとえばブラジルでは――フランスもそうであるが――、政府内部に連帯経済の関連部署をつくり、官が積極的に連帯経済を支援している。これに対してチアパスの場合、官民の良好な関係は存在していない。集票マシン化される恐れと政治的対立があるのだ。このためもあるが、連帯経済の規模に大きな差があると思われる。規模に関する統計資料はないが、メキシコではDESMIが孤軍奮闘の状況にあるのに対し、ブラジルにおける連帯経済を支援する機関は民間だけでも、キリスト教団体カリタス、全国自主管理企業・株式参加労働者協会（ANTEAG）、サンパウロ州協同組合連合・連帯（UNISOL）、土地なし農民運動定住者協同組合システム（SCA）、連帯経済行動調査センター（NAPES）など、多様なアクターが存在する。<br />
　第三に、資金面についても、DESMIは国際的なNGOから資金を得ているのに対して、ブラジル、たとえばカリタスの場合、国内外からの幅広い資金提供者をもっている。DESMIの活動は国際的な支援団体に大きく依存しており、よい意味ではナショナルなレベルを超えたグローカルなネットワークを形成しているが、ネガティブな意味では財政的な脆弱性を抱えているといえよう。<br />
　最後に、ブラジルの連帯経済が80年代初頭の経済危機で倒産した企業を労働者が自主管理で再生したことに端を発していることからわかるように、ブラジルが工業＝都市中心型であるのに対し、チアパスは前述したように農業＝農村の開発が専らである。もっともブラジルの場合も、土地なし農民運動による土地獲得後の協同組合化が図られているが、農家間の経済的利害関係の調整がむずかしく、思ったような成果が挙げられていない。DESMIが推進している農村における協同組合化にも「フリーライダー」や不明朗な会計等の問題はあるが、地区別に担当者を割り当てた細かい地域密着型の支援・指導体制と毎年開催されるワークショップの結果、サンティアーゴ氏がインタビューで語っているように、その協働意識は高まり、確かな手ごたえをつかんでいる。</p>

<p><br />
連帯経済の可能性とこれからの課題</p>

<p>　現状では、連帯経済は貧者の生存維持戦略の側面が強く、「もうひとつの世界」を構想する人びとが期待するように、圧倒的な市場経済を変える、もしくはこれに代わることは難しいだろう。あるいは、経済成長や市場経済の「恩恵」が周縁にまで行き渡り、公共経済が方向転換をして弱者救済に目を向ければ、縮小もしくは雲散してしまう存在なのかもしれない。だが、少なくともチアパスの連帯経済をみる限り、それまで幾度も行政側の甘言に騙されたという経験が生き、政府や支援機関に過度に頼るという依存体質を脱却し、自立の道を歩み始めている。そして、それは不可逆な道のように筆者には思われる。連帯経済は、市場に対してはフェア･トレードや企業の社会的責任を求めることによって競争原理による利潤の極大化や経済効率至上主義の再考を求め、国家に対しては社会正義と参加型の民主化を要求し始めている。それは、サパティスタが現在行なっている「もうひとつのキャンペーン」（左翼勢力の結集を呼びかる全国行脚）の主張からも明らかであろう。<br />
　また、伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎氏が喝破したように、私企業（株式会社）の歴史は人類の歴史からみればたかだか数世紀の「短い期間」であり、本格化したのは19世紀に入ってからにすぎない 。超長期的に考えれば、これからの経済の中心となる主体は株主や社員の利益を第一に考える株式会社ではなく、社会全体の利益と社会的使命に即した再投資を念頭におく連帯経済の主力アクターであるNPOになる可能性が高い。そうならなければ環境問題ひとつとっても、地球と人類は破滅に向かう恐れがある。だが、NPOのような株式を市場で公開しない協同組織が株式会社に代わるには、丹羽氏が主張するように、透明性を確保するための情報開示と説明責任を果たし、社会からの信頼を得ると同時に、経営マネジメントを学び、「ビジネスのプロ」にならなければならないであろう。<br />
　最後に、原理的にいえば、連帯経済が資本主義に代わる真のオルタナティブになるには、資本をもたない大多数の生産者が、資本家によって雇用、働かされるのではなく、自らの労働の「主人」となり、生産手段を管理、保有するとともに、持続可能な社会を前提とし、協議メカニズムを通じた商品生産に取り組むことが求められる。連帯経済が現在の資本主義の修正をめざすのか、あるいは資本主義を否定し、これに代わるものをめざすのかは議論の分かれるところであろうが、いずれにせよ、変革の第1歩は、フェア･トレードなどを通じて現在の市場に公正という倫理的価値観を埋め込むとともに、企業の社会的責任を強く求め、従業員とも連携して企業のあり方を変えることだと思う。株式市場に5％ルール があるように、5％のシェアを占めると市場に大きな影響を与えることができると思われる。連帯経済やフェア･トレードが、社会的意識の高い消費者や企業と連帯して通常の市場での販売を伸ばし――別の言い方をすると、市場経済を侵食し――、市場の5％を占めることが当面の目標となろう。</p>

<p><br />
（注）<br />
  北沢洋子『利潤か人間か―グローバル化の実態と新しい社会運動』コモンズ、2003年やウィリアム・Ｆ・フィッシャーほか編（大屋定晴ほか訳）『もうひとつの世界は可能だ―世界社会フォーラムとグローバル化への民衆のオルタナティブ』日本経済評論社、2003年を参照。<br />
  石塚秀雄「フランスの地域雇用創出と社会的連帯経済」『協同の発見』2003年12月号。ブラジルでも同時期に連帯経済の実践はすでに行なわれていたが、連帯経済(Economia Solidária)という言葉が使われていたかどうかは定かでない。<br />
  石塚前掲論文<br />
  北島健一「フランスにおける社会的経済と連帯経済」『社会運動』292号（2004年7月号）。<br />
  粕谷信次「社会的経済の促進・世界の動向―初めての社会的経済の世界大会・モンブラン会議に出席して」大原社会問題研究所雑誌、2005年1月号。<br />
  蔦谷栄一「ヨーロッパの社会的経済等動向が我が国協同組合組織に示唆するもの―地域通貨等ヨーロッパのあらたな取組事例を踏まえて」『農林金融』2005年1月号。<br />
  粕谷前掲論文<br />
  北島前掲論文<br />
  1994年にNAFTA（北米自由貿易協定）や新自由主義に反対するとともに、先住民の文化と権利の擁護、自由・民主主義・正義を求めて武装蜂起した先住民組織。詳しくは、拙著『インターネットを武器にした＜ゲリラ＞―反グローバリズムとしてのサパティスタ運動』慶應義塾大学出版会、2002年を参照されたい。<br />
  チアパスの連帯経済の具体的な活動については、本号の紹介記事および拙稿「連帯経済の構築と共同体の構造転換―メキシコ最貧困州チアパスの経験から」内橋克人・佐野誠編『ラテン･アメリカは警告する―「構造改革」日本の未来』新評論、2005年を参照されたい。<br />
  P. Chanial et J-L. Laville, “L’économie sociale et solidaire”, Movements No.19, 2002.1.2., La Decouverte.<br />
  ブラジルの連帯経済については、小池洋一「ポルトアレグレがつくる新しい世界」『オルタ』2005年3月号とPaul Singer, “The Recent Rebirth of the Solidary Economy in Brazil”, http://www.ces.fe.uc.pt/emancipa/research/en/ft/difusao.html (2006.01.15)を参考にした。<br />
  日本経済新聞2005年12月5日付「領空侵犯」<br />
  上場企業の発行済み株式総数の5％超を保有している株主（＝大量保有者）は、所定の書式にしたがって、保有することとなった日から5日以内に内閣総理大臣に「大量保有報告書」を提出しなくてはならないというルールで、大量の株式が特定の第三者に買い占められたような場合、株価が予想外の値動きをする可能性があることから定められた。（http://www.nomura.co.jp/terms/english/other/5percent.html）</p>

<p><br />
（アジア太平洋資料センター（PARC）『月刊オルタ』2006年2月号に掲載）<br />
</p>]]>

</content>
</entry>
<entry>
<title>サパティスタの村の協同組合事業</title>
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/2006/02/post_7.html" />
<modified>2006-02-16T20:58:53Z</modified>
<issued>2006-02-04T16:05:53Z</issued>
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<created>2006-02-04T16:05:53Z</created>
<summary type="text/plain"> （アグア・デ・レオンにある木工製作所） 　サパティスタを支援しているサンクリス...</summary>
<author>
<name>J.Yamamoto</name>
<url>http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/</url>
<email>llamame@sfc.keio.ac.jp</email>
</author>
<dc:subject>サパティスタ</dc:subject>
<content type="text/html" mode="escaped" xml:lang="ja" xml:base="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/">
<![CDATA[<p><img alt="carpinteria.png" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/images/carpinteria.png" width="256" height="192" /><br />
（アグア・デ・レオンにある木工製作所）</p>

<p>　サパティスタを支援しているサンクリストバルのNGO、メキシコ先住民経済社会開発市民連合（以下、DESMI)の人たちに同行して、立て続けにサパティスタの村に行ってきました。目的は、DESMIが融資している協同組合事業の活動評価および新規申請にともなう会議に出席するためです。</p>

<p>　サパティスタの村の経済活動については、大きな協同組合事業、たとえば、コーヒーの生産販売をしているMut Vitzなどについては国際的なフェアトレード団体が支援をしており、その活動や商品に関する情報に接した方も、あるいは購入した方もいると思います。今回取り上げるのはごく小さな組合活動で、あまり知られていないと思います。取り上げるのは２つの事例だけ、しかも問題のある事例なのでこれを一般化することはできません。ただし、サパティスタの支持基盤といわれる村の経済活動が抱える問題の一端を知ることにはなると思います。</p>

<p>　サパティスタの村といっても、よく報道される「善き統治委員会」のある本部（「巻貝」）ではなく、そことは離れている村です。</p>

<p>　最初の村は、サンクリストバルから南へ車で２時間ほどのところにあるアグア・デ・レオンという村です。途中から舗装されていない山道になりますが、車で村まで行けるだけ楽です。さて、このアグア・デ・レオンという村は、１９９４年の武装蜂起時に政府空軍によって爆撃されたサパティスタが逃げてきて作った村です。ガス・上下水道はありませんが、電気は使えます。もっとも、サパティスタとそれを支持する人びとは政府に抗議するため、電気代は払っていませんが。そして、この村は地図に記載されていません。なぜなら、政府の見解によればここに村はなく、人が住んでいることにはなっていないからです。</p>

<p>　ここでは１年前に設立された「木工製作協同組合」の会議に参加しました。サパティスタの村でこういった協同組合事業（プロジェクト）を開始するには、前記「善き統治委員会」の承認が必要で、ここに届け出なければなりません。ただ、DESMIの場合には、サンクリストバルの北部と南部に「開発委員会」というサパティスタとの協議機関を設置してあり、実際にはこの「開発委員会」で各案件の審議が行なわれます。</p>

<p>　さて、その会議ですが、冒頭から書記が不在でどうしようかという話になりました。DESMIが融資する協同組合には、代表、書記、財務という三役を必ずもうけなければならず、これが会社でいう「取締役会」を形成します。話をよくきくと、任命された書記は１回も役員会に出ず、役職を放棄しているとのこと。書記の仕事は、すべての会議の記録をつけること、重要な書類の保管などです。さらに驚いたのは、この組合自体、活動が休眠状態になっていることです。会議は組合が所有する木工製作所で開かれました。そして、そこにはこんな都会から離れた村にはめずらしい立派な木工製作用の機械が何種類も、そしてノコギリやカンナが整っているにもかかわらずです。</p>

<p>　私の母方の祖父は「建具屋」をしており、私の実家はその祖父の隣の家でした。子どものころはよく祖父の仕事場に出入りしていたので、木工機械や道具についての知識は多少あります。また、木の削り方ひとつで、どのくらいの腕なのかもわかります。たしかに立派な機械や道具はおいてあるけれども、削られた木材をみると、職人の仕事ではありません。あくまでも日曜大工に毛のはえた程度です。それもそのはず、１年間の活動についてDESMIの人がたずねると、「診療所の人が椅子やテーブルを作るので、機械・道具を借りに来たことはあるが、仕事はなかった」、つまり収入ゼロで、組合員に対する職業訓練も行なっていないという。</p>

<p>　木工組合はこの村だけでなく、近隣の数ヶ所の村を対象にして立ち上げられました。ところが現在までのところ、その投資は無駄になり、運転資金として貸し付けられている現金もまったく使われていない状態にあります。そこで、この組合の活動をどうするか、善後策が話し合われたのですが、私の目には、役員にはやる気もないし、そもそもなぜこのようなプロジェクトがつくられたのか、その収入や成果の見込みがあったのかどうか、はななだ疑問に感じました。そして問題の根幹には、支援を受ける側に「お金はくれるのだから」という甘えがあったのではないかと思いました。きちんとした事業計画を立てて申請、許可されたプロジェクトではないことは明らかです（このことは次の事例の場合、申請段階にあるだけ、より明確になります）。</p>

<p>　最終的に、この組合については、事業の建て直しを図るため、早急に開発委員会と相談し、新たな書記を任命し、どのように再建するのか、次の会議で改めて議論することになりました。</p>

<p><br />
　次の事例は、新たに養豚協同組合をつくるというプロジェクトです。場所は、サンクリストバルから南東へ車で１時間弱のところにあるアマテナンゴという村の一角です。われわれが到着すると、すでに何人かが集まっていました。長老格の人に話を聞くと、先祖代々から住んでいる土地（エヒード）とのこと。ただし、人口が増えているので、新たな家族はだんだんと坂の上のほうの土地に家を建てている。水源は豊富で、電気もある。もともと暖かく、土地も肥えているので北部のチアパス高地よりも恵まれている。ただ、この村はサパティスタと非サパティスタがいっしょに住んでいる村だという。</p>

<p>　さて、世間話をしているうちに人も増えてきたので、会議が始まりました。各自の自己紹介をした後（私はいつものように、大学の教員で連帯経済の研究している。DESMIとは数年前からの付き合いで、今日はオブザーバーとしてやってきた。研究以外にもコーヒーのフェアトレードの推進活動をしている。日本は狭い国土で人口が多いので、メキシコにいることが多いと挨拶）、本題に入りました。</p>

<p>　この地区のサパティスタの政治責任者という人が提出した事業計画書は、ノートの用紙２枚に手書きで書かれたものでした。また、その説明では、２０００年にも養豚協同組合を設立したが、このときは餌のトウモロコシが自前で供給できず、うまくいかなかったとのことです。これをもとに、DESMIの担当者が事業計画について、質問をします。DESMI内部では各プロジェクトについて全員で討議し、担当者はそのプロジェクトの妥当性について説明し、合意を取り付けなければならないのです。</p>

<p>　最初に、組合の三役候補と構成員全員の氏名、出欠を確認しました。組合を構成する予定の１８名のうち、１０名が出席、構成員の多くは姻戚関係にあるか、友人とのことでした。</p>

<p>　さて、申請書では不明な部分が多いので、養豚事業の具体的なことについて尋ねると、事業は子豚を飼育し、大きくして販売することで、最初に必要な資金は以下のとおりでした。</p>

<p>	子豚450ペソｘ10匹＝4500ペソ<br />
	餌（トウモロコシ）800ペソｘ10匹＝8000ペソ<br />
	餌（配合飼料か？）400ペソｘ10匹＝4000ペソ<br />
	小計		16500ペソ</p>

<p>　ほかに豚小屋の建築費があるが、この明細がまったくわかりませんでした。豚小屋の大きさを示すような記述もなし（おそらく、共同で飼育するのではなく、各家庭で飼育することを考えているのであろう。だが、これでは協同組合にならないのではないかと思う）</p>

<p>　そこで担当者が大雑把ではあるが、豚小屋の建設費用として1000ペソを計上するように提案しました。<br />
これで融資金額は半額の13250ペソですが、上記16500ペソをDESMIが融資し、豚小屋の建築費を組合が負担するという形でもよいと担当者は言う（大雑把である。おそらく豚小屋をきちんと建設するかどうかわからないのを見越しているのではないのか）。</p>

<p>　この間の話し合いの内容を書記の女性がまったく記録していないので、DESMI担当者が記録するように促す。書記の女性はノートもボールペンももっていなかったので、仲間から借りる。</p>

<p>　　その後、事業目的は子豚を大きくするだけだが、子豚を生産することも視野に入れてはどうかと担当者が提案。そして事業は最低3年間は続けるように指導しました。建築費の明細については担当者が枠組みをつくり、書記の女性に教える。ほかに、豚小屋を作る土地の所有者の同意書(最低3年間は土地を利用できるように同意を求めておくこと)と、協同労働に関する組合員の同意書が必要だと説明。利益が出たときの配分方法、利益を内部留保して再投資もしくは別のプロジェクトを立ち上げることを考えるようにとも付け加えました。</p>

<p>　以下は、担当者との一問一答です。</p>

<p>Q：協同労働はどのようにするのか？<br />
A：ひとりが1週間に1回豚の面倒をみるようにする。<br />
Q：豚の売値は？<br />
A：大きさによる。相場は15ペソ／kg<br />
（収支予測はまったく立てていない。豚の飼育に関する知識はあまりない。）</p>

<p>　最後に私もコメントを求められたので、<br />
１）コストと予想される収入を計算すること。コストが収入を上回るようであればこのプロジェクトは続けられないから<br />
２）豚の飼育の経験がないのだから、よく知っている人にアドバイスを求めること。お互いに助け合う、それが連帯だ<br />
　と、意見を述べました。</p>

<p>　そして、最後に私から質問しました。<br />
「以前うまくいかなかった養豚をなぜまたやろうとするのか？　成功する見込みは？」<br />
　その答えは、<br />
「以前は3人だったけれど、今回は18人いる。」<br />
　というものでした。</p>

<p>　けれども、６ヶ月ほど飼育して、６０kgから８０ｋｇになる豚を売っても、１匹あたりの収入は、１５ペソｘ６０または８０＝９００ペソ～１２００ペソにしかならず、これでは１匹あたりの餌代（８００＋４００＝１２００ペソ）も賄えないのでは？　（餌代自体、確かかどうかもわかりませんが）<br />
　</p>]]>

</content>
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<title>サパティスタの行進にちょっと参加して</title>
<link rel="alternate" type="text/html" href="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/2006/01/post_6.html" />
<modified>2006-02-16T21:21:25Z</modified>
<issued>2006-01-08T17:37:36Z</issued>
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<created>2006-01-08T17:37:36Z</created>
<summary type="text/plain"> （サパティスタ自治区「ラ・ガルーチャ」の壁画） 　遅ればせながら、明けましてお...</summary>
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<name>J.Yamamoto</name>
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<email>llamame@sfc.keio.ac.jp</email>
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<dc:subject>サパティスタ</dc:subject>
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<![CDATA[<p><img alt="La Garucha.JPG" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/image/La%20Garucha.JPG" width="384" height="288" /><br />
（サパティスタ自治区「ラ・ガルーチャ」の壁画）</p>

<p><br />
　遅ればせながら、明けましておめでとうございます。</p>

<p>　昨年末から「第２の根拠地」サンクリに戻ってきました。日本にいる間は前から約束していた仕事を片付けるのに忙しく、本欄に投稿することもままなりませんでした（もしこのコーナーに期待している方がいましたらご寛恕のほどを）。だからサンクリに帰ってから、いざと思っていたのですが、すでにお知らせした「サパティスタの行進」が１月１日からここサンクリで始まることもあり、その取材のために飛び回り、そして無理がたたったのか食あたりで３日ほどダウンし、やっと元気を取り戻してきたという今日現在であります。</p>

<p>　以下、サパティスタの行進（今年のメキシコ大統領選とは別の運動という意味で、彼らは「もうひとつのキャンペーン」と呼んでいます）にちょっとだけ参加した個人的記録、感想、雑感を書きます。なお、この行進は、大統領選挙が行われる７月２日の直前まで、つまり半年間にわたり、メキシコ全国を「行脚」し、市民との集会を開くという一大イベントであり、行進も始まったばかりの今は、非常に限定的な情報・体験にもとづく記述にならざるをえず、行進の全体を論じたり、断じたりするものではありません。どうかその点をご了解のうえ、読んでいただければ幸いです。</p>

<p>　１２月３１日、日もとっぷりとくれた午後７時半、行進が開始されるサパティスタの自治区「ラ・ガルーチャ」での模様を取材するために同自治区にメキシコの友人３人と到着。途中、車（フォルクスワーゲンのカブトムシ）がエンコし、サンクリから７時間以上もかかってしまった。ラ・ガルーチャの広場ではすでに大晦日のフィエスタの真っ最中で、楽隊が陽気な音楽をかなで、踊っている人たちもいる。安全上の理由により、行進への外国人の参加は控えるようにとのマルコス副司令官のコミュニケも発表されていたが、報道陣は別として、サパティスタシンパの外国人もちらほら。新年を迎えるカウントダウンの１時間ほど前には自治区の役員による挨拶が行われた。マルコス副司令官の登場する気配はまったくなし。私はその後、民族衣装を製造販売する先住民女性協同組合の事務所兼工場（こうば）で、その組合関係者と新年を迎える乾杯（自治区は禁酒なので、なんとコカコーラで）をし、葡萄を食べたあと、それぞれの新年の抱負を語ることに。２０人近く人がいたので、一回りするのに時間がかかり、私と、同行したメキシコ人のカメラマンは午前２時ごろそこを抜け出し、寝場所を確保するため学校の教室にもぐりこみ、午前３時就寝。</p>

<p>　１月１日　午前６時　同行のカメラマンから起こされる。まだ眠いが、出発準備に入る。８時からは自治区の教会で出発前のミサが行われる。行進の安全祈願のためか。（サパティスタと宗教というテーマも非常に興味深い研究にはなるのだけれど、宗教に疎い私にはまだハードルが高すぎる）１０時ごろには広場で前夜の楽隊のメンバーが、マルコスが登場し、挨拶するようなことをマイクで発言、報道陣と人が集まるが、一向に現れる気配がないので、手持ち無沙汰になった楽隊は音楽を演奏し始める。私は眠いので、簡易宿舎のベンチでごろ寝をする。すると１１時過ぎに突然、マルコスが出てくるという話が広まり、一同は広場の前をとおる一本道に集まる。道の両側に列をつくるようにとの指示があり待っていると、マルコスがバイクにのって颯爽と登場し、挨拶もせず、先頭を切って走る。それに続いて、サパティスタを乗せたバス数台、報道陣やシンパの車が後を追う形に。（このバイクでのスタートは、ゲバラのモーターサイクルダイヤリーズを想起させるもので、それを揶揄した論調もあった。ただ、サパティスタシンパのメキシコ人によると、襲撃の恐れがあるので、マルコスはわざと「単独行動」をして、回りの人の安全を確保したのだという）</p>

<p>　１月１日　午後６時　われわれの「カブトムシ」は帰路でもエンコし、やっと下宿に帰宅。午後５時からサンクリ市内での行進が始まると聞いていたので、急いでサンクリ郊外のマキラドーラ工場の前にかけつける。おそらく大動員をかけたのであろう、チアパス高地からのサパティスタが集結していた。シンパも含めると万単位の人が集まっている。ここサンクリではこの行進についてさまざまな噂が飛び交っていた。サパティスタが襲撃するというデマもあり、１日前からシャッターを下ろす店もあったらしい。もっとも、コレートと呼ばれる「サンクリっ子」の間ではサパティスタ＝反政府ゲリラ＝恐怖の対象という見方が多いという。それが後述する３日の集会の模様にも反映しているかもしれない。行進はゆっくりと２時間ほどかけて行われ、最終目的地の大聖堂前広場に到着。私はお腹が減ったので、お祭り気分の会場から離れ、近くの中華料理店で新年を祝うビールで乾杯、焼き飯を食べた。９時ごろ会場にもどってみると、もう集会は終了、その場で寝ているサパティスタもいる。サパティスタグッズの露店が出ていたので、そこでブーツを見ていたら、知り合いのサパティスタから声をかけられる。いつもはスキーマスクをしていないので最初誰だかよくわからなかったが、「明日以降の予定は？」と尋ねると、「今日は本部からの指令で動員がかかった。明日以降のことは、まだなんの命令もない」とのこと。拍子抜けした私は、ブーツを買い、広場で落ち合ったカメラマンと下宿に帰る。</p>

<p><img alt="otra en SCC.JPG" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/otra%20en%20SCC.JPG" width="526" height="351" /><br />
（サンクリストバル大聖堂前の集会）</p>

<p><br />
　１月２日　午前１１時からサンクリ郊外北のＣＩＤＥＣＩ（先住民のための職業教育訓練センター）という場所で市民との対話集会が開かれていたが、私は疲労のため寝過ごし、午後の部から参加。午前中は参加者（組織）の自己紹介があり、マルコスも、誰がリーダーということではなく、協力して左翼勢力の結集を図ってほしいと挨拶したとのこと。参加者は３６０人ほどで、主催組織メンバーの話によると、地元チアパスからの参加者が少ないという。午後は、午前中に申し込んだ参加者が、「ラカンドン第６宣言」で明記されたメキシコでの左翼勢力の結集について、具体的にこのチアパスでどのような行動・活動をするのかを提案すると聞いていた。ところが、予定より３０分遅れの午後４時半から開始された午後の部では、最初のうちは、行動・活動についての提案があったが、途中から、それぞれの発言者の主義主張やサパティスタ運動とどう関わっているかといった「意見・態度表明」になり、マルコスをはじめとするサパティスタはただ黙ってこれを聞いているだけであった。（これでは、対話ではなく「公聴会」だ）　それもそのはず、総勢５０名ほどにも上った発言者の多くはチアパス以外の人で（フランス、米国、ボリビアなどの外国人も何人か）、チアパスでの活動について語ることはできるはずもなかったのである。というわけで、マルコスが最後に何かを言うだろうという私の期待もはずれ、主催者側の最後の挨拶をもって午後８時過ぎに集会は終わり、マルコスはボディガードのサパティスタに囲まれ会場を後にした。帰り際、地元ＮＧＯの知り合いの女性から「あなたも連帯経済についてマルコスの前で話したらよかったのに」と言われたが、そういう場だったのかなと思ってしまった。</p>

<p><img alt="Marcos en CIDECI.JPG" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/Marcos%20en%20CIDECI.JPG" width="509" height="340" /><br />
（市民との対話集会でのマルコス副司令官）</p>

<p><br />
　１月３日　午前１１時ごろ、サンクリのサパティスタ支持者が集まって、翌日の大聖堂前での集会をどのように運営するのか協議をしている場にふらりと寄ってみる。一般の方に知らせるため、ビラを配り、ポスターを作ることが決まったようで、突然私は「ポスターの原案がここに書いてあるから、これをデジカメでとってすぐに担当者にメールで送ってほしい」と頼まれる。なんのことやらよくわからないまま、要望に応えるが、なんとも泥縄式でメキシコらしい。でも、午後６時ごろ、ミニシアターでサパティスタの記録映画を見ようと待っていたら、若い女性がやってきて翌日の集会に関するチラシを配った。泥縄式でも機能はするのだと感心した。でも、そのちらしのタイトルは「もうひとつのキャンペーンのためのフェスティバル」で、音楽あり、ダンスあり、食べ物もあり、そしてマルコス副司令官も登場する、というお祭りの案内でした。（ちなみに、サパティスタの記録映画とは、フランス人スタッフによる『マルコス副司令官の真の伝説』（９５年）という、私が未見のものでした）</p>

<p>　１月４日　朝から発熱と下痢で起きられず。午後４時からの集会にも参加できず。よって記述することなし。残念。</p>

<p>　１月５日　この日以降、行進（キャラバン部隊）はチアパス州都のトゥクストラグティエレスから沿岸部を周って北上し、ユカタン半島に向かうはずであったが、以前から病気が伝えられていたラモーナ司令官がサパティスタ自治区で亡くなったため、マルコス副司令官らはサンクリを経由して自治区に急遽戻ることに。（前途波乱の展開を予想させる）</p>

<p>　最後に、雑感を書きます。今回の行進で私が注目していたのは、その本来の目的である既成政党とは異なる「真の」左翼勢力をどれだけ結集できるのか、サパティスタにその力があるのかということでした。この背景には、有力な次期大統領候補で、中道左派といわれる前メキシコ市長ロペス・オブラドールとサパティスタとの離反があります。ロペス・オブラドールが所属する民主革命党（ＰＲＤ）がサパティスタの反対する憲法「改正」案に最終的に賛成に回ったため、その間に亀裂が入り、ＰＲＤを裏切り者とすら呼ぶサパティスタも出ました。そして、ロペス・オブラドール自身の選挙チームにも与党と関係が深かった人がおり、その改革には期待できないとの結論をサパティスタが導き出した結果でもあります。ロペス・オブラドールをどう評価するかはしばらくおいておくとして（私自身、テレビのインタビュー番組での彼の受け答えを聞いた限り、調整能力にはすぐれているかもしれないが、たとえ大統領になっても、議会で多数派を占められず、前述の彼の能力のことを考えると、たいした改革は期待できないかもしれないとの印象をもちました）、今回の行進にちょっとだけ参加してみて思ったのは、前途多難という一言です。というのも、前述したように、サンクリでは地元の参加者（支持者）が少なく、また、熱烈なサパティスタ支持者であった私の友人の顔も見えなかったからです。そのひとりが、ＣＩＥＰＡＣ（サンクリのＮＧＯで、新自由主義的グローバリゼーションに反対する研究機関・社会運動組織）の実質的なリーダーであるグスターボ・カストロです。彼は、拙著にも登場してもらったことがある親サパティスタでしたが、今回の大統領選に関しては、ロペス・オブラドール支持を表明し、サパティスタとは袂を分かつことになりました。この意味で、今回の大統領選そして「もうひとつのキャンペーン」は、左翼勢力の分裂をもたらすものであり、だからこそサパティスタは「真の」左翼勢力の結集を呼びかけざるをえないという事情があるのでしょう。サパティスタにとってまさに「外交上」の正念場だと思います。</p>]]>

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<title>マヤビニック協同組合に対するコーヒー技術支援計画</title>
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<modified>2006-02-16T21:01:30Z</modified>
<issued>2005-11-28T01:32:10Z</issued>
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<summary type="text/plain"> （マヤビニック協同組合総会の模様） 　今、日本に一時帰国しています。いくつか用...</summary>
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<name>J.Yamamoto</name>
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<email>llamame@sfc.keio.ac.jp</email>
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<dc:subject>JICA草の根技術協力</dc:subject>
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<![CDATA[<p><img alt="MVAsamblea04.JPG" src="http://web.sfc.keio.ac.jp/~llamame/viewpoint/archives/MVAsamblea04.JPG" width="490" height="368" /><br />
（マヤビニック協同組合総会の模様）</p>

<p><br />
　今、日本に一時帰国しています。いくつか用事があったのですが、そのうち最大の仕事は、私を代表とするSFCのゼミ（フェアトレード研究プロジェクト：Keio FTP)がJICA（国際協力機構）横浜国際センターに申請していたマヤビニック協同組合（以下、MV）に対する草の根技術協力事業（支援型）に関する打ち合わせでした。メキシコにいるときからやり取りをしていたのですが、このたび無事内定をいただき、正式にゴーサインが出ましたので、これについて雑感を書きます。</p>

<p>　支援事業の内容については、JICAに提出した申請書の一部を最後に貼付しますので、そちらをお読みいただきたいのですが、そもそもの発端は、サパティスタの調査をしているとき、当時のMV理事長と個人的に知り合いになったことにあります。その経緯については拙著『メキシコから世界が見える』（集英社新書）に書きましたので、繰り返しません。同書で「研究者よりも、社会運動家のほうが性に合っている」と態度表明（？）したこともあり、MVに対する支援にはかなりの思い入れがありました。その後、これは、学生主導によるMVコーヒー豆の日本への輸入支援という形で発展するわけですが、輸入を担当し、事業の当事者となった商社がフェアトレードの理念を理解しているとは言い難いこと、また、学生による広報活動にもフェアトレードの精神に反する誇大宣伝が散見されるようになり、私およびゼミ（Keio FTP)の顧問がその問題点を指摘し、解決の道を探りましたが、最終的にはこの活動を継続する学生メンバーはゼミから離れ、独立することになりました。また、私としては、MVのビジネスを研究対象として分析した場合、ただ単に輸出入をするだけでなく、彼らが生産するコーヒー豆の品質を上げ、より高い価格での国内販売と輸出を実現しない限り、生産量を増やすことができない彼らの収入増には結びつかないとの結論を得ていましたので、コーヒー専門家による技術協力を軸とした支援が最良の道であろう考え、JICAに草の根技術協力事業の提案をするに至った次第です。</p>

<p>　社会運動に携わっている方の中には、JICAという「官」に資金援助を仰ぐことに抵抗感をもつひともいると思います。現に、私が関わっているチアパスのNGO「メキシコ先住民経済社会開発市民連合」（DESMI）は、サパティスタ支持を表明し、サパティスタ同様、（メキシコ）政府からのいっさいの支援を拒否しています。メキシコと日本では事情が異なりますが、この点につき、私は次のように考えています。</p>

<p>　現在の新自由主義的グローバリゼーション（市場原理を絶対視するグローバリゼーションや構造改革）に反対する人々（私もそのひとりです）が望む「もうひとつの世界」を構想、実現するには、国家（官）の「退場」によって切り捨てられ、市場（民）が関心をもたない問題・空隙を社会（公）が埋めるだけでなく、社会が国家に対しては社会正義の実現を、市場に対しては、公正な取引と企業の社会的責任を要求し、３つのセクターの望ましい関係を構築するようにしなければならないだろう、と。</p>

<p>　この支援事業の場合には、JICAが資金を提供するとともに（その資金とは税金の一部です）、JICAメキシコ事務所も支援体制をとり、メキシコ政府やチアパス州政府にも働きかけ、協力を依頼する予定です。そして、メキシコ国内での販売、日本への輸出促進という形で市場（民）への働きかけを行ないます。Keio FTPは、この官と民をつなぐ中間組織として活動することになります。</p>

<p>　今後、事業を推進する過程でさまざまな問題に直面するだろうと思います。研究者としては、複雑な問題があるからこそ、興味深い研究ができるのであり、「歓迎」すべきことではあります。ただ、社会運動家としては、望ましい世界の実現がいかに困難であるかを思い知り、挫折もあるかもしれないが、希望を失わない覚悟が求められるだろうと...</p>

<p>　いずれにしても、JICAの支援事業は3ヵ月ごとの成果報告が求められますので、その成果、そして失敗があればその失敗も包み隠さず公開し、望ましい官と民と公の関係を考える一助にしたい、一助にしていただければと思います。</p>

<p></p>

<p><br />
JICA草の根技術協力事業（支援型事業）提案事業の概要</p>

<p>1．対象国名	メキシコ国<br />
2．提案事業名	メキシコ国チアパス州チェナロー区マヤビニック生産者協同組合に対するコーヒー技術支援計画<br />
3．事業の背景と必要性・妥当性<br />
（1）背景、現状、問題点<br />
　メキシコ国チアパス州は、識字率や教育程度、電気・水道の有無、住宅の質、所得などをもとにして同国政府が算出したマージナル（疎外）指数で全国1位という最貧州である。とくに同州人口392万人（2000年現在）の3分の１を占めるといわれる先住民の困窮ぶりはさまざまなメディアで紹介されている。その困窮度に拍車をかけたのが、1994年1月1日に武装蜂起した「サパティスタ国民解放軍」と同国政府との対立で、国内難民となった先住民も数多い。<br />
　他方、1989年以降、ＩＣＯ（国際コーヒー機関）の輸出割当調整失敗によってコーヒーが自由貿易化、即供給過剰となり、国際価格（ニューヨーク相場）が暴落したことをきっかけとする「コーヒー危機」の影響も大きい。チアパス州チアパス高地に住む多くの先住民にとって、コーヒーはほとんど唯一ともいえる商品作物であり、その現金収入の7割以上がコーヒーによるとの調査結果も出ているからである。<br />
　さらにこの状況を悪化させたのが、それまで政府保証価格での買い上げや技術指導をしていたメキシコ・コーヒー公社の業務停止・解散であった。このような苦境下にあって、1990年代以降、生産者の中には協同組合を結成し、独自の販路作りや品質改善に取り組む動きが活発化した。一般に、メキシコのコーヒー生産は「先住民コーヒー生産システム」と呼ばれているが、これは、ⅰ）コーヒー生産者の7割弱を先住民が占め、そのほとんどが2ヘクタール以下のコーヒー畑しか所有していない小規模生産者で生産性が低い、ⅱ）前述したように、コーヒーが生産者にとって中心的な商品作物である、ⅲ）基礎的な生産設備・社会資本が欠如している、ⅳ）共同体意識が強く、その意識があらゆる生産活動・組織に浸透しているからである。最後の点は、皮肉なことではあるが、「貧者の連帯」としての協同組合運動が発展する下地になったといえよう。<br />
　本事業の対象とする「マヤビニック・コーヒー生産者協同組合」（以下、マヤビニック）の組合員の中にも、自分の村に帰れず、難民村や新天地での生活を続けている者がいる。このマヤビニックは、マヤ系ツォツィル族の先住民共同体「ラス・アベッハス（蜂の意）」に所属するコーヒー生産者が中心となって1999年に組織した協同組合である。彼らは、前述した内乱状態から自分たちの生活を守るため、そして、「コーヒー危機」から立ち直るため、安く買い叩かれる仲買人（現地では「コヨーテ」と、敵意をもって呼ばれる）に売るのではなく、独自の販路づくり、つまり卸売販売員を通じた焙煎豆の国内販売とフェアトレードを通じた生豆の輸出に努めている。<br />
　しかしながら、十分かつ適切な生産設備をもたないことや、販売経験の浅さから来る数々の問題を抱えている。主な問題を列挙すると、<br />
①	収穫した豆（チェリー）から果肉を除去し、乾燥させてパーチメント豆にするまで（一次加工）の生産設備の容量が十分でないため、収穫した豆すべてを直ちに加工することができない。ここで問題なのは、収穫した豆は直ちに加工しないと品質が劣化すること、また、十分な加工設備がないために収穫を遅らせると、熟しすぎた豆になり販売できなくなることである。<br />
②	果肉を除去した後の豆を速やかに水洗できないため、豆に発酵臭が出る。<br />
③	果肉を除去、水洗したあとの乾燥場（コンクリート製）が十分広くないため、乾燥状態にバラツキが出る。<br />
④	パーチメント豆から生豆にするための機械を保有していないため、倉庫から車で3時間以上もかかる遠隔地の工場に運搬・外注しなければならず、そのための費用と手間がかかると同時に、長時間倉庫に保管するため品質面でも悪影響が出る。<br />
⑤	国内では生豆より付加価値の高い焙煎豆を販売しているが、専門の焙煎技術者を養成できないこと、そして焙煎設備の処理能力も低いため、品質向上と販売＝収入の伸びが期待できない。<br />
⑥	ビジネス経験およびビジネス感覚に乏しいため、販売員および輸入業者が要求する品質・量の豆を納期どおりに納品できない。<br />
⑦	生産地から車で2時間ほどのところにあるサンクリストバル市内のマヤビニック事務所の管理・事務体制が質量ともに不十分である（英語および会計事務のできる専従スタッフが一人のほか、そのアシスタントしか常駐していない）。<br />
などである。</p>

<p>（2）事業の必要性・妥当性<br />
　マヤビニックを本事業の対象にしたのは以下の理由による。<br />
①	難民となって新天地で生活を始めた組合員が多く、もともと経済的に恵まれていないうえ、コーヒーの作付け面積も、大半が0.25ha以下と非常に少なく（通常、この地域での同業組合の生産者の作付け面積は0.5ha～1ha）、他の組合の生産者よりも困窮度が高い（２００４年度の一家族あたりのパーチメント豆生産量は約200ｋｇで、４万円ほどの年収にしかならない）。<br />
②	コーヒーの作付け面積を増やせる可能性はほとんどなく、高品質の生豆を高価格で輸出すると同時に、単価の高い焙煎豆の販売量を増やすことによって収入を拡大する必要がある。<br />
③	2000年に生豆販売で詐欺にあって多額の損失を被ったほか、2003年までその収支は赤字を記録し、経営および販売戦略の立て直しが必要である（下記販売量と損益計算書を参照）。<br />
④	2003年から生豆よりも単価（付加価値）の高い焙煎豆を国内で販売しているが、需要（月3トン）に応えるだけの供給能力がないため、技術支援によって供給能力の増大を図る必要がある（現在の供給能力は月1.2トン）。<br />
⑤	生豆よりも付加価値の高い焙煎豆を販売することは多くの組合にとって望ましいことであるが、マヤビニックのようにその生産量の２割以上を焙煎豆として販売している中小組合の事例はまれで、技術支援によってこの比率を上げ、収益の拡大を図ることができれば、他の組合の模範とすべきモデルになりうる。<br />
⑥	焙煎豆の販売増大は、マヤビニックがその生産量を増やす、つまり、組合員を増やすか、他組合からパーチメント豆もしくは生豆を購入する必要が生じることを意味し、周辺地域に対する波及効果が期待できる。<br />
⑦	マヤビニックは、焙煎技術担当者の専任化と有給化、営業担当者の専任化と有給化に取り組んでいるが、このような専任化・有給化は、先住民の中小組合では珍しく（通常は無給の有期制）、この意味でも、マヤビニックの経営・販売が成功すれば、他の組合のモデルとなりうる。</p>

<p>（中略）</p>

<p><br />
　（１）で指摘した問題点、とくに生産設備と焙煎技術に関わる事柄は、マヤビニックの人的資源および資金力を考えると、自力では解決不可能と思われる。そこで本事業では、<br />
①	一次加工（果肉を除去し、パーチメント豆にするまでの）生産設備の整備ならびに一次加工に関連する技術指導<br />
②	既存の焙煎設備の改善・改良指導および日本での焙煎技術の指導と現地での適用<br />
③	世界でもっとも品質に敏感といわれる日本のコーヒー市場の理解<br />
を通じて、マヤビニックの生豆および焙煎豆の品質改善、販売促進（収入拡大）を提案するものである。<br />
　事業の①については、世界のさまざまなコーヒー生産地の事情に詳しい元㈱オルタートレード・ジャパン川越貞夫氏（現デイモンワールドワイドジャパン）の、②については焙煎技術と品質に詳しいコーヒー鑑定士岩田斉氏（齊藤コーヒー株式会社副社長）の、③については、両氏の協力を得て、現地および日本での技術指導および研修によって実現する。<br />
　なお、国内販売については、前述したように、供給が需要に追いつかない状況にある。そして、メリダの販売員の営業努力により、ユカタン半島リゾート地のホテルでのさらなる需要増加が見込まれている。<br />
　また、本事業の目的ではないが、日本での販路拡大についても、2004年8月に輸入した生豆（6.9トン）の売れ行きから見て、今年はこれを10トンに増加するとともに、より高い価格の実現を期待できる状況にある。<br />
　以上のように、本事業は、作付け面積の増大ではなく、生豆の品質向上による輸出単価のアップと焙煎豆国内販売の増大によって収入の拡大を図るモデルである。</p>

<p>4．事業の目標と達成をはかる指標<br />
（1）-①　事業終了時の達成目標（事業目標）：<br />
　マヤビニックのコーヒー生産・販売による現金収入向上の機会が創出される。<br />
（1）-②　達成をはかる指標：<br />
　マヤビニックの収入が、事業開始時に比べ3割以上向上する。この数字の根拠は、以下の収支の試算にもとづく。なお、本事業ではケース２の実現を目標とする。</p>

<p>Maya Vinic収入予測 </p>

<p>2004年度実績（概算）</p>

<p>生豆輸出量 　６６,０００kg　ｘ　30.5ペソ ＝２,０１３,０００ペソ<br />
焙煎豆販売 　１４,４００kg 　ｘ　55ペソ　＝　 ７９２,０００ペソ<br />
合計			　　　　２,８０５,０００ペソ</p>

<p>2008年度（本プロジェクト終了後）予測 </p>

<p>ケース１：焙煎豆の需要に応えるため生豆輸出を減らした場合<br />
生豆輸出量　３９,０００kg ｘ　37.5ペソ ＝１,４６２,５００ペソ<br />
焙煎豆販売　３６,０００kg  ｘ　60ペソ ＝２,１６０,０００ペソ<br />
合計			　 　３,６２２,５００ペソ<br />
			　　　（収入1.29倍）<br />
ケース２：生豆の輸出量は04年度と同じとし、他組合から生豆を購入することによって焙煎豆販売を需要に応じて増やした場合<br />
生豆輸出量　６６,０００kg　ｘ　37.5ペソ＝２,４７５,０００ペソ<br />
焙煎豆販売　３６,０００kg　ｘ　60ペソ ＝ ２,１６０,０００ペソ<br />
合計		　　　　　　　　　　４,６３５,０００ペソ<br />
			　　　（収入1.65倍）</p>

<p>（中略）</p>

<p>　目標とするケース２が達成された場合、その純利益は年間40万ペソ（400万円）以上となり、焙煎機等の機材の維持管理費用をカバーしたうえ、新規機材を即時購入もしくは購入資金を積み立てることが可能になる（たとえば、新型15kg焙煎機の価格は7万ペソ）。<br />
組合の運営体制については、先住民共同体の習慣にもとづいて役員（無給）が2年ごとに交代する仕組みを変えることは難しく、また、現在の実質的な事務所責任者である会計経理兼営業責任者は非組合員のボランティア（有給）で、近い将来、退職する可能性もある。この点については、実務的に一番重要な、事務所常駐の営業担当者（現在のアシスタント）を専任化（有給化）するとともに、同担当者を本事業期間中に日本とメキシコで研修指導し、運営体制の強化を図る。研修については、日本人専門家（川越、岩田）とチアパス州COMCAFEの協力・支援を求める。<br />
また、会計経理業務については、上記利益が確保されれば、公認会計士に外注することも可能になる。最後に、一次加工技術の維持発展については、本事業期間中にCOMCAFEとマヤビニックが協力する体制を、また、焙煎技術の維持発展については、専任焙煎担当者による非専任担当者に対する技術指導を日本人専門家（岩田）がチェックし、技術移転が滞りなく行なわれる体制を構築する。</p>

<p>（2）-①　事業終了後、将来的に達成したい目標（上位目標）：<br />
　本事業を成功させたあかつきには、同様の事業をチアパス州の他のコーヒー生産者協同組合にも収入向上・品質改善のビジネス・プランとして提案し、チアパスコーヒーのブランド化を図りたい。このため、2005年2月、チアパスコーヒーの輸出促進とブランド化を目指しているチアパス州政府コーヒー生産振興委員会（COMCAFE）で同委員会幹部とのミーティングを行ない、同委員会から本事業に対する協力を取り付けている。そして、提案団体は、本事業終了後、日本にチアパスコーヒー販売促進のためのNPOもしくは株式会社を設立する用意がある。ほかに、消費者の選好を知るためのコーヒーショップを近郊の都市に出店し、生産から販売・消費までの一貫した垂直統合事業を展開することも考えている。また、蜂蜜など、より収益性の高い他の商品にも投資、商品を多様化し、コーヒー豆の販売だけに頼らない事業展開をしたい。<br />
（2）-②　達成をはかる指標：<br />
　当然のことながら、上記事業を実現することが達成をはかる指標となる。そしてそのためには、この分野で経験豊かな他の協同組合から学ぶ必要がある。垂直統合事業については、ラ・セルバ協同組合やサン・フェルナンド協同組合、蜂蜜事業についてはツェルタルツォツィル協同組合が豊富な経験を有しており、本事業期間中に提携そして事業化の可能性を検討する。</p>

<p>（以下、省略）</p>]]>

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