夏期フィールドワーク

【基調講演「沖縄の風土と景観づくり」沖縄の景観シンポジウム】 東京大学大学院工学系研究科教授 篠原修氏―慶良間赤橋・古宇利橋のデザインを担当

1.「美しい国づくり政策大綱」と「景観法」をどう受け止めるか

❖都市計画と都市景観施策に関する法令の流れ

・1919年:風致地区制度(景観特区)制定―京都東山・北山・東京表参道などを対象

同時に美観地区制度として建物をコントロールして美しいまちをつくるはずが、反対が多く皇居周辺などにしか適応できなかった

・1931年:国立公園法―日本の景観整備は都市よりも、国立公園などの自然地域において確立されていった

・2004:「景観法」制定

日本の景観政策=英・仏・米を手本 産業革命によって一時期都市の環境が劣悪になり、人間らしい生活というものを考えさせられた結果、 20世紀の始めには、“景観は都市計画の柱である”という考え方を持っていた。

「アメニティ」=人間が人間らしく暮らすことのできる環境 (「快適性」のみでなく場所と目的に合った環境)

例)住宅地 …仕事から帰って家族と夕食を共にする、週末はゆっくりと過ごすという生活環境を実現させるために、広告看板の禁止、緑が多い、日当たりが良い、静けさが保たれているなどといったアメニティが必要となってくる。

欧米でこのような考えが広まったのは、産業革命によって一時期都市の環境が劣悪になり、人間らしい生活というものを考えさせられたからである。 現在、日本の都市景観に関する考えも、政策も、現在欧米に遅れること100年だといわれている。

日本では40年ほど前から各地で景観条例が整備。 各地が「地域性」を重視している。

高度経済成長期に作られたシステムでは、“早く・安く・効率的に”という点が重視されていた。しかし、それを“何を造れば地域のためになるのか”、“どのように使えばみんなが喜ぶのか”という点を重視するシステムに変える必要性がある。

❖「景観法」の内容

「手順・プラン・規則」は定められたが、都市でどのような景観を整備するのかということについては記されていない。「日本が目指すべき風景がどのようなものなのか」、「沖縄が目指すべき風景がどのようなものなのか」、それを考える必要がある。

❖「政策大綱」と「景観法」が触れていない部分について

各都市がどのような風景を目指すべきなのか

一つ、「新しい風景」を求めるのではなく、「長持ちする風景」を作る。

二つ、「専門家が認める風景」よりも、「大衆の支持を得る風景」=「人間の琴線に触れる風景」を目指す。

三つ、「土地の気候風土に適した素材」、「土地に根ざし、生活の必要性から生まれてきた風景」=各地の「原風景」を的確に把握する。

❖規範風景=基本は「なる」風景

良い風景を造ろうとしてできたわけではなく、気候風土の中で営まれる人間の生活の中で自然と生まれてきた風景=「なる」風景=「琴線的風景」

’逝蕊景:

田畑の土地利用は同じ。循環型・省エネ・省資源の風景に戻すことは可能である。

典型的な「琴線的風景」=防風林・屋敷林

江戸の風景:   ・都市の中から富士山や海が見えた日常風景

・城、町屋の風景  「地元の魅力は何か」、「原風景は何か」⇒冷静に認識する必要がある。

❖人材育成とデザイン体制づくり

良いものが残るまち→それを守っていく

良いものを造るまち→造る人間の問題。 誰が考え、構想し、デザインするのか。腕のいい人間がどのくらいいるのか。どのくらい協力してもらえるか。

「良い人材を育てる」+「良い人材が育ち、良いものが出来るシステム」を作る必要性


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Last-modified: 2006-02-06 (月) 16:55:52 (4914d)