豪華客船の寄港地リサーチ

総合政策学部3年 塩入加奈子 環境情報学部3年 深田恭子
 

■はじめに

私たちは富裕層向け観光の研究の一環として豪華客船による船旅に着目した。はじめは「富裕層=豪華客船」という少々安易な考えではじめたリサーチだったが、調査を進めるうちに豪華客船が寄港することで寄港地に大きな経済効果が生まれることが分かった。しかし、現在日本は豪華客船にとってメジャーな寄港先ではない。客単価が高いといわれる富裕層が多く乗船する豪華客船が日本に来ることは日本の観光産業に大きなプラスになると考えた私たちは、日本に豪華客船を呼ぶことを目標とした研究を進めていくことにした。

■今学期の進捗状況

前述のように、現在日本に立ち寄る豪華客船は少ない。それは何故なのかという疑問を明らかにするために、私たちは世界中にある豪華客船の寄港地となっている都市にどのような魅力があるのか(これらの都市にあって日本にはない要素は何か)、そして豪華客船の寄港地は誰がどのように決めているのかということについて調査を進めていくことに決めた。まず、世界の豪華客船たちに人気の寄港地がどこであるのかを視覚的に理解するためにGoogle Maps上にアイコンを置いたデータベースを作ることにしたのだが、Google Mapsはアイコンの他にも様々な情報を載せることが可能である。そこで、アイコンをクリックするとその寄港地の観光案内や写真を表示させて寄港地の地図とパンフレットが一体になったようなコンテンツを作ってみることになり、それが今期の研究の中心となった。今のところは6隻の世界一周豪華客船の寄港地がアイコン表示としてデータベース化してあるが、そのうち特に人気の寄港地であることが分かったニューヨークやドバイをはじめ数ヶ所の寄港地に関する観光案内を見ることが出来るようになっている。

寄港地データベース

アイコンの色船名所有船籍乗客定員備考
水色飛鳥日本郵船横浜720名日本最大の豪華客船。2006年春にデビュー
オレンジ色ぱしふぃっくびいなす日本クルーズ客船大阪696名比較的安価な旅を提供し、家族連れや若年層にも人気
ピンク色Queen Elizabeth2キュナードライン(英国)サザンプトン(英国)1015名世界でもっとも有名な、歴史ある豪華客船
黄色Queen Mary2キュナードライン(英国)サザンプトン(英国)1253名2006年デビューのフリーダムオブザシーズに続く世界第2位の大きさを誇る豪華客船
黄緑色Crystal Serenityクリスタルクルーズ(米国/日本郵船の子会社)バハマ1080名豪華さが売りのラグジュアリークルーズ。評判も高い
青色Amsterdamホーランドアメリカオランダ1380名130年の伝統を誇る会社による運行。シップオブザイヤーに選ばれたこともある。

■考察

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6隻分しかデータベース化していないため、まだ必ずしもそうだと言い切れる段階ではないかもしれないが、予想以上に各地に点在しており、密集している場所はそれほど多くはない。この結果を元に寄港地が分散している理由を調べてみたのだが、おそらくそれぞれの客船が一定のテーマのもとに寄港地を決定しているためだと思われる。たとえば、オレンジ色のアイコン・ぱしふぃっくびいなすは「北欧・北極圏の旅」をテーマに設定し、他の客船が立ち寄っていないようなデンマーク・ノルウェー・アイスランドといった国々をめぐっている。また、テーマ設定されていると明言されていなかったが、黄緑色のアイコン・クリスタルセレニティ号は南米・アフリカ諸国を多くめぐり、青色のアイコン・アムステルダム号は島々を多くめぐっているという特徴が見られた。

定番の寄港地は存在する
寄港地が思っていたよりも各地に分散している事実について前述したが、それでもやはり定番の寄港地というものが存在するようである。以下に複数の豪華客船が立ち寄っている寄港地を挙げ、その特徴を簡単に述べていきたいと思う。

  • ニューヨーク
    世界的な文化・商業・金融などの中心地であり、知らない人はおそらくいないニューヨーク。自由の女神・エンパイアステートビルをはじめとする有名な建造物、タイムズスクウェア、ブロードウェイなどの人気の場所など観光資源に恵まれた街でもある。犯罪率も低く、比較的安心して楽しめるのも魅力的である。
  • フォートローダーデール
    フロリダ州南東部、マイアミの北約40kmに位置する保養都市。運河沿いには多くの別荘が立ち並び、そこを行き交う船はヨットやクルーザーなど自家用・娯楽用のものがほとんど。大西洋岸に大衆的なビーチがあることから、家族連れにも人気が高い。また、リベラルで開放的な街の雰囲気も人気のある理由のひとつだろう。
  • チビタベッキア
    地名そのものは聞きなれないかもしれないが、ローマの北西にある港町である。この港から上陸した乗客たちはオプショナルツアーでローマへと足を運び、有名な観光名所をめぐる。ローマにいくための寄港地と言ってしまってもいいだろう。余談になるが、チビタベッキアはガイドブックに名前がほとんど出ないような町のようだが、血の涙を流すマリア像といったちょっとした名物も存在するようである。
  • ドバイ
    ヨーロッパのセレブたちに人気の中東屈指のリゾート地。アラブ首長国連邦(UAE)の中にある市だが、ドバイだけを独立させてUAEと区別する場合もある都市。「中東の香港」とも呼ばれ、中東における貿易・商業・金融の中枢である。また、ドバイには数多くの免税ショッピングモールが存在し、高級ブランドの商品も安価で購入できるため、買い物客でにぎわっている。
  • フランス
    1つの寄港地に立ち寄る客船の数はそれほど多くはないが、国内にある寄港地の数が非常に多いのが特徴。寄港地にはマルセイユ・ボルドー・オンフルール・カンヌなどがある。

ルートの特徴
これまでに挙げられたものの他に、豪華客船がたどるルートにいくつかの特徴が見られた。

  • 地中海には寄港地が密集している
    →地中海クルーズ専門の会社もあるように、地中海は人気クルージングスポット。人気の秘密はどこにあるのか。(ヨーロッパのクルーズ人口が多い・観光資源が豊富であるetc.)
  • アフリカ・オーストラリアの西側・アジア・寒冷地への立ち寄りが少ない
    →なぜか?治安・言語・文化的な隔たりの影響。氷により物理的にクルージング不可?
    →フィリピン・プーケット・グアム・サイパンなどのリゾート地に寄航せず、タヒチに寄る理由は?何かこれらの土地を区別する要素があるのか?

■寄港地の決定基準に対する仮説

以上の 銑の考察をもとに、私たちは寄港地決定における重要な要素は以下のものであるという仮説を立てた。

1)人気の観光地の最寄港(チビタベッキア→ローマなど)
2)その土地特有の観光資源がある(ノルウェーのトロイソ→白夜・オーロラ)
3)島など海に面した人気観光地
4)食料や燃料の補給地

■今後の予定

寄港地のデータベース化は続行する。それと同時進行でヒアリング調査を行う。ヒアリング内容は“誰がどのように寄港地を決めているのか?”ということを中心に日本国内の船会社へは実際にアポをとって話を聞きに行く。また海外の船会社へはメールで質問する。
データベース化やヒアリング調査を踏まえた上で、私たちにとって一番身近な横浜をフィールドに、“現状で外国船がほとんど土地寄らない横浜港を世界の寄港地にするには?”ということを考えたいと思う。
また、私たちの研究の基礎である、“豪華客船が寄港することで寄港地に大きな経済効果がある”ということをもっと世界の寄港地データを収集し明らかにする必要がある。

■発表資料

第1回発表
発表資料(ppt)

第2回発表
発表資料(ppt)
レジュメ(doc)

第3回発表
発表資料(ppt)
レジュメ(doc)

最終発表
発表資料(ppt)
レジュメ(doc)


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Last-modified: 2006-07-28 (金) 15:19:29 (4737d)