夏期フィールドワーク

2005/8/20

1.【知念村/玉城村フィールドワーク】

❖垣花城跡

現在は、植物と岩とに覆われた城壁が、かろうじて残っている程度である。かつて人工物であったその城壁は、いまや自然の中に吸収され、周辺の木々や岩と同化した存在となっている。自然の生命力の強さが、沖縄の土地に根付く力の源であると感じた。それらの周辺環境と溶け込む建築のあり方、朽ちて後のことではなく、人間が利用しながらその関係を保つことが出来たら、この土地の景観のみならず、空間を維持できると思われる。

❖垣花樋川

舗装もされていない昔ながらの歩道である石畳の道を下ると、開けた泉が見えてくる。現在でも近隣住民の憩いの場として利用者は多く、夏になると子供たちの声で賑わう。背後の山の岩場に空けられた穴から、水路が通り、勢い良く水が溢れ出し、大小何箇所かの水場を形成している。水路の傍らには小さな拝所が設けられ、ここでも自然と人間の生活とのつながりを垣間見ることが出来る。

❖セイファーウタキ

世界遺産に登録された後に、記念碑が立てられ、駐車場やサインも整備されている。観光客やガイドで賑わう光景も見られるが、世界遺産登録以前は、近づく人も少ない岩山の霊場であった。日本本土の拝所と異なるのは、沖縄の聖域の多くが、祠や偶像などの礼拝対象を持たない点である。そこにあるのは、生い茂る木々と、岩山だけである。沖縄に残るこういった聖域と、人々の生活のつながりを妨げることなく、この風景を維持していくためには、訪れる人がそこに息づいている精神性を理解することの必要性を強く感じた。観光スポットの開発が進む一方で、その精神性を伝える取り組みがなされるべきである。

❖首里金城町石畳

現在も人々の生活の中に息づく石畳の道と、石垣に囲まれた家々が並ぶ町並みの美しさは、当時の必然性から生まれた美しさである。那覇の町並みの中でも、戦前の雰囲気が残る場所はきわめて少なく、那覇市の都市景観形成地域に指定されている。


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Last-modified: 2006-02-06 (月) 15:53:08 (4909d)